夜9時。部屋に戻って、外に出る気力がもう残っていない。
机の上には、料理の写真が並んだカードが置いてあります。
受話器を取れば、それが部屋まで届くことは知っています。
それでも受話器を取れないのは、電話の英語には「顔」も「指さし」も使えないからです。
レストランなら、メニューを指でさせば伝わります。
電話では、声だけで最後まで運ばなければなりません。
この記事では、まず room service という言葉が英語で何を指しているのかを辞書で確かめます。
そのうえで、受話器を取ってから食器を下げてもらうまでを、注文・数・アレルギー・時間・支払い・片づけの順に並べ直します。
語義と例文は Cambridge Dictionary の記述に沿って書きました。
伝票に載るサービス料とチップの扱いについては、英国の法令データベース(legislation.gov.uk)にある Employment (Allocation of Tips) Act 2023 の原文に当たって確かめています。取得日はすべて2026年9月16日です。
ルームサービスの英語は「I’d like to order room service.」の1文で始まります|先に結論
先に結論を置きます。
電話をかけて最初に言う文は、これ1つで足ります。
Hello, I’d like to order room service. Room 512.
「ルームサービスをお願いします。512号室です」という意味です。
部屋番号を最初にくっつけておくのがコツです。
相手は必ず部屋番号を聞くので、先に言っておくと、聞き取りの回数が1回減ります。
そして、注文そのものはこの形に乗せるだけです。
Could I have the club sandwich and a bottle of still water, please?
「クラブサンドイッチと、炭酸なしの水を1本お願いします」という意味になります。
Could I have 〜, please? の器に、メニューの名前をそのまま入れるだけです。
ルームサービスの英語で進む順番は7つだけ|電話の流れを先に知っておく
電話が怖いのは、何をどの順番で言えばいいのか分からないからです。
実際に進むのは、この7つだけです。
| 順番 | 何が起きるか | 言う英語 |
|---|---|---|
| ① | 用件と部屋番号 | I’d like to order room service. Room 512. |
| ② | 注文する | Could I have the club sandwich, please? |
| ③ | 数と種類を足す | And a bottle of still water. |
| ④ | 苦手なものを伝える | I’m allergic to nuts. |
| ⑤ | 届く時間を聞く | How long will it take? |
| ⑥ | 支払い方法を言う | Could you charge it to my room? |
| ⑦ | 置き方を頼む | Could you just leave it at the door? |
このうち、必ず言う必要があるのは①と②の2つだけで、残りは足したいときだけ足すものです。
つまり、最低2文で注文は完了します。
ルームサービスの英語がつまずく理由|room service は「人」も指すから
日本語の「ルームサービス」は、料理そのものか、料理が届く仕組みを指します。
Cambridge Dictionary で room service を引くと、語義が3つ並んでいました。
| 語義 | 辞書の説明 | 日本語 |
|---|---|---|
| 1(英) | in a hotel, the serving of food and drink to customers in their rooms, or the people who do this work | 部屋まで飲食を運ぶこと、またはその仕事をする人たち |
| 2(ビジネス) | a hotel service that provides food and drink to guests in their rooms | 客室に飲食を届けるホテルのサービス |
| 3(米) | the serving of food and drink to guests in their hotel room, or the people who do this work | 部屋まで飲食を運ぶこと、またはその仕事をする人たち |
英国側と米国側の語義に、どちらも「or the people who do this work」が入っています。
つまり room service は、行為だけでなく「その仕事をしている人たち」も指す言葉です。
だから、ドアの向こうから Room service! と聞こえたら、それは「ルームサービスです」ではなく「ルームサービスの者です」と名乗っている、と受け取るのが正確です。
同じ辞書には、次の短い例文が載っています。
I ordered room service.
注文するときの動詞は order で、冠詞は付いていません。
a room service とは言わない、ということです。
出典=Cambridge Dictionary|room service(2026年9月16日取得)
housekeeping とルームサービスは別|どちらに電話するかで英語が変わる
部屋の電話には、たいてい複数のボタンが並んでいます。
ここで room service と housekeeping を取り違えると、頼んだものが永遠に来ません。
Cambridge Dictionary は housekeeping を「the department of a hotel that is responsible for cleaning guest’s bedrooms」と説明しています。
つまり housekeeping は、客室を清掃する部署の名前です。
同じ辞書には「the Ritz-Carlton’s head of housekeeping」という例も載っていて、部署として扱われていることが分かります。
2つの窓口を並べると、こうなります。
| 頼みたいこと | どこへ | 言う英語 |
|---|---|---|
| 食事や飲み物 | room service | I’d like to order room service. |
| タオルをもう1枚 | housekeeping | Could I have an extra towel? |
| 枕をもう1つ | housekeeping | Could I have an extra pillow? |
| 掃除に来てほしい | housekeeping | Could you make up the room, please? |
| 掃除に来ないでほしい | housekeeping | No housekeeping today, thank you. |
| 皿を下げてほしい | room service | Could you collect the tray from room 512? |
make up the room は「部屋を整える」、つまり掃除とベッドメイクのことです。
clean my room でも通じますが、ホテルの側が使う言い方は make up です。
出典=Cambridge Dictionary|housekeeping(2026年9月16日取得)
注文するときのルームサービスの英語|I’d like と Could I have の使い分け
注文の文には、よく使われる形が3つあります。
| 形 | 例 | 雰囲気 |
|---|---|---|
| I’d like 〜. | I’d like the beef burger. | 落ち着いていて、いちばん無難 |
| Could I have 〜? | Could I have the beef burger? | 頼む形になるので、やわらかい |
| I’ll have 〜. | I’ll have the beef burger. | 決めた感じが出る。短い |
どれを使っても失礼にはなりません。
迷ったら Could I have 〜, please? を1つだけ覚えて、全部それで通してください。
避けたいのは I want 〜. です。
意味は通じますが、子どもがねだるときの形に近く、電話だと語気だけが残ります。
メニューの名前が読めないときは、番号で言えば大丈夫です。
Could I have number 12 on the room service menu?
「ルームサービスのメニューの12番をお願いします」という意味です。
発音に自信がない料理名は、番号に置き換えるのがいちばん確実な逃げ方です。
数と種類を足すルームサービスの英語|a bottle of と for two
注文でいちばん崩れるのは、数の言い方です。
英語では、液体やパンのように数えない名詞に、入れ物の言葉をかぶせて数えます。
| 言いたいこと | 言う英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 水を1本 | a bottle of still water | 炭酸なしの水を1本 |
| 炭酸水を1本 | a bottle of sparkling water | 炭酸入りの水を1本 |
| コーヒーを2杯 | two cups of coffee | コーヒー2杯 |
| 紅茶をポットで | a pot of tea | ポットの紅茶 |
| 2人分 | breakfast for two | 朝食を2人分 |
| 取り皿を2枚 | two extra plates | お皿をもう2枚 |
| 取り分ける | Could we share it? Two sets of cutlery, please. | 分けたいので、食器を2組ください |
Cambridge Dictionary は cutlery を「knives, forks, and spoons used for eating food」と説明しています。
同じ辞書は、米国英語では silverware とも呼ぶと書いています。
ナイフ・フォーク・スプーンをまとめて1語で頼めるので、この語は電話で強いです。
水を頼むときの still と sparkling は、そのまま「炭酸なし」「炭酸あり」です。
どちらでもいいときは Just tap water is fine. と言えば、水道の水で足りると伝わります。
出典=Cambridge Dictionary|cutlery(2026年9月16日取得)
アレルギーを伝えるルームサービスの英語|allergic to の1文
食べられないものがあるときは、注文のすぐ後に言ってください。
料理が決まったあとに言うと、作り直しになって時間が倍かかります。
Cambridge Dictionary は allergic を「having an allergy」と説明し、例文として「I’m allergic to cats.」を挙げています。
この形の to の後ろを入れ替えるだけで、そのまま使えます。
| 言いたいこと | 言う英語 | 意味 |
|---|---|---|
| ナッツがだめ | I’m allergic to nuts. | ナッツのアレルギーがあります |
| えびかにがだめ | I’m allergic to shellfish. | 甲殻類のアレルギーがあります |
| 乳製品がだめ | I can’t have dairy. | 乳製品は食べられません |
| 入っているか聞く | Does it contain peanuts? | ピーナッツは入っていますか |
| 抜いてほしい | Could you leave out the onions? | 玉ねぎを抜いてもらえますか |
| 別添えにしてほしい | Could I have the dressing on the side? | ドレッシングを別にしてください |
| 肉を食べない | I don’t eat meat. | 肉は食べません |
I don’t like 〜 ではなく I’m allergic to 〜 と言うと、相手の受け取り方が変わります。
好みの話ではなく、体の話として厨房に伝わるからです。
ただし、アレルギーではないのに allergic を使うのはやめてください。
苦手なだけなら I’d rather not have 〜. が正確です。
出典=Cambridge Dictionary|allergic(2026年9月16日取得)
届く時間と置き方を頼むルームサービスの英語
注文が終わったら、最後に2つだけ確かめます。
| 確かめること | 言う英語 | 意味 |
|---|---|---|
| どれくらいかかるか | How long will it take? | どのくらいかかりますか |
| 時間を指定する | Could you bring it at 8, please? | 8時に持ってきてください |
| ドアの外に置いてほしい | Could you just leave it at the door? | ドアの前に置いてください |
| ノックしてほしい | Please knock. I’ll open the door. | ノックしてください。開けます |
| 朝食を扉にかけたい | I’ll hang the breakfast card on the door. | 朝食のカードをドアにかけます |
シャワーを浴びたいときは、Could you just leave it at the door? の1文が頼りになります。
相手が About 30 minutes. と答えたら「30分くらい」という意味です。
数字だけ聞き取れれば十分なので、単語を全部拾おうとしなくて大丈夫です。
サービス料とチップのルームサービスの英語|英国の2023年の法律が決めたこと
運ばれてきた伝票を見て、いちばん迷うのがここです。
Cambridge Dictionary は service charge を「an amount of money added to the basic price of something to pay for the cost of dealing with the customer」と説明しています。
同じ項には「A service charge of 17% is usually added to your bill.」という例文が載っていて、伝票に上乗せされる形が示されています。
一方、tip と gratuity は同じものを指します。
| 語 | 辞書の説明 |
|---|---|
| tip | a small amount of money given to someone who has provided you with a service, in addition to the official payment and for their personal use |
| gratuity | a small amount of money for someone who has provided you with a service, in addition to the official amount and for their personal use |
どちらの語義にも「in addition to(本来の支払いに加えて)」が入っています。
つまり、料金とは別のお金だ、という点が語義の中心です。
ここで問題になるのが、「サービス料を払ったのに、チップも要るのか」という疑問です。
英国では、この点に法律が入りました。
legislation.gov.uk で Employment (Allocation of Tips) Act 2023 の原文を開くと、条の見出しがこう並んでいます。
| 条 | 見出し(原文) | 中身 |
|---|---|---|
| 1 | Requirement to deal with tips, gratuities and service charges | チップ・謝礼・サービス料の扱いの義務 |
| 2 | How tips etc must be dealt with | どう扱わなければならないか |
| 3 | Independent troncs | 分配のための独立した仕組み |
| 4 | When tips etc must be dealt with | いつまでに扱うか |
| 6 | Information | 働き手への情報の開示 |
| 9 | Code of practice about tips etc | 実務の指針 |
第2条の中心にあるのは、次の一文です。
An employer must ensure that the total amount of the qualifying tips, gratuities and service charges paid at, or otherwise attributable to, a place of business of the employer is allocated fairly between workers of the employer at that place of business.
「雇い主は、その事業所で支払われたチップ・謝礼・サービス料の総額が、その事業所の働き手のあいだで公正に配分されるようにしなければならない」という意味です。
見出しに tips と gratuities と service charges が並んでいる点が大事です。
英国の法律は、伝票に載るサービス料も、手渡しのチップも、同じ枠で扱っています。
これは英国の法律なので、他の国にそのまま当てはまるわけではありません。
それでも、迷ったときに使える1文は、どの国でも同じです。
Is service included?
「サービス料は込みですか」という意味で、これを聞いてから決めれば、渡しすぎも渡さなすぎも起きません。
出典=legislation.gov.uk|Employment (Allocation of Tips) Act 2023/Cambridge Dictionary|service charge(2026年9月16日取得)
complimentary という1語|ルームサービスの英語で「無料」を見抜く
部屋に置いてある水やコーヒーが有料かどうかは、1語で分かります。
Cambridge Dictionary は complimentary について「If something is complimentary, it is given to you without charge」と書いています。
without charge、つまり料金なしで渡されるもの、という意味です。
同じ辞書には「Parking is usually complimentary or included in the ticket price.」という例文も載っています。
ラベルに complimentary と書いてあれば、飲んでも請求されません。
この語には「ほめる」という別の意味もありますが、部屋の中で見かけるのは、ほぼ「無料」のほうです。
判断に迷ったら、この1文で聞けます。
Is the water in the room complimentary?
「部屋の水は無料ですか」という意味です。
出典=Cambridge Dictionary|complimentary(2026年9月16日取得)
食べ終わったあとのルームサービスの英語|tray と trolley を下げてもらう
食べ終わった皿を、翌朝までドアの前に置いたままにする人がいます。
電話を1本かければ、10分で片づきます。
Cambridge Dictionary は tray を「a flat object, usually with raised edges, used for carrying food and drinks」と説明しています。
縁が立ち上がった、飲食を運ぶ平たい板、つまりお盆です。
一方 trolley は「a table on four small wheels with one or more shelves under it, used for serving food or drinks」と書かれています。
車輪のついた配膳台、つまりワゴンのことです。
| 運ばれ方 | 英語 | 下げてもらう言い方 |
|---|---|---|
| お盆で届いた | tray | Could you collect the tray from room 512? |
| ワゴンで届いた | trolley(米では cart) | Could you collect the trolley, please? |
| ドアの前に出した | — | I’ve left it outside the door. |
| 今はそのままでいい | — | You can collect it in the morning. |
collect は「回収する」という意味で、ホテルの側が使う言い方です。
take away でも通じますが、英国では持ち帰りの食事の意味に寄るので、collect のほうが誤解が少ないです。
出典=Cambridge Dictionary|tray/Cambridge Dictionary|trolley(2026年9月16日取得)
相手が言ってくるルームサービスの英語|聞き取れなかったときの逃げ方
電話の向こうから来る文は、だいたい決まっています。
| 相手の英語 | 意味 | 答え方 |
|---|---|---|
| Room service, how can I help you? | ルームサービスです。ご用件は | I’d like to order, please. |
| What room are you in? | 何号室ですか | Room 512. |
| Anything else? | ほかにご注文は | No, that’s all, thank you. |
| Would you like that with fries or salad? | ポテトとサラダのどちらに | Salad, please. |
| How would you like your steak? | 焼き加減はいかがしますか | Medium, please. |
| Shall I charge it to your room? | 部屋づけにしますか | Yes, please. |
| It’ll be about 30 minutes. | 30分ほどかかります | That’s fine, thank you. |
聞き取れなかったときの1文を、受話器を取る前に決めておいてください。
Sorry, could you repeat that more slowly?
「すみません、もう少しゆっくり言ってもらえますか」という意味です。
電話では顔が見えないぶん、この1文を早めに出すほど話が短くなります。
どうしても通じないときは、I’ll come down to the restaurant instead. と言って切り上げる手も残っています。
ルームサービスの英語でやりがちな5つの勘違い
① a room service と冠詞をつける
辞書の例文は I ordered room service. で、冠詞が付いていません。
仕組みそのものを指す言葉なので、そのまま置きます。
② I want 〜 で注文する
通じますが、電話だと語気だけが伝わります。
Could I have 〜, please? に置き換えるだけで印象が変わります。
③ 苦手なだけなのに allergic と言う
厨房が作り方を変える言葉なので、体の話のときだけ使ってください。
好みなら I’d rather not have 〜. です。
④ housekeeping に食事を頼む
辞書の語義どおり、housekeeping は清掃の部署です。
タオルと枕はこちら、食事は room service です。
⑤ サービス料を確かめずにチップを足す
Is service included? の1文を先に置けば、二重に払わずに済みます。
ルームサービスの英語のよくある質問
深夜でも注文できますか
24時間のホテルもあれば、23時で終わるホテルもあります。
Is room service still available? と聞けば、その場で分かります。
英語のメニューが読めないときはどうしますか
番号で頼むのがいちばん速いです。
Could I have number 12? と言えば、料理名を読まずに済みます。
部屋づけにできますか
できるホテルが多いです。
Could you charge it to my room? と言うと、チェックアウトのときにまとめて払う形になります。
頼んだものと違うものが届いたら何と言いますか
I think this is the wrong order. の1文で足ります。
I think を頭に置くと、相手を責めずに事実だけを伝えられます。
まとめ|ルームサービスの英語は、この1文だけ覚えて帰ってください
最後に、持ち帰る1文を置きます。
Hello, I’d like to order room service. Room 512.
この1文で受話器の向こうが動き出し、あとは相手が順番に聞いてくれます。
余裕があれば、もう1文だけ足してください。
Could I have number 12, please?
料理名が読めなくても、番号なら誰でも言えます。
2文でその夜の食事が部屋に届くなら、受話器を取る価値は十分にあります。
この記事で開いた資料
| 資料 | 見た項目 | 取得日 |
|---|---|---|
| Cambridge Dictionary | room service / housekeeping / cutlery / allergic / service charge / tip / gratuity / complimentary / tray / trolley | 2026年9月16日 |
| legislation.gov.uk | Employment (Allocation of Tips) Act 2023(条の見出しと第2条) | 2026年9月16日 |
出典=Cambridge Dictionary|gratuity/Cambridge Dictionary|tip(2026年9月16日取得)
👑 旅先で困らない英語がいちばん早く身につく無料講座はこちら

Comments