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パスポートの英語は「なくした」と「盗まれた」で単語が変わる|紛失・盗難のときに言う一文と、窓口までの順番

ホテルの部屋に戻って、上着の内ポケットに手を入れた瞬間、指先が空を切ります。

バッグをひっくり返し、スーツケースの内ポケットまで裏返しても、あの紺色の冊子だけが出てきません。

パスポートを失くしたと気づいた瞬間、人はまず英語が出てこなくなります。

フロントに降りていっても、何と言えばいいのか分からず、ロビーの真ん中で立ち尽くすことになります。

ここでつまずく理由ははっきりしていて、日本語では「なくした」も「盗まれた」もひとまとめに「パスポートがない」で済ませられるのに、英語では最初の一文でどちらかを選ばされるからです。

そして選んだ単語によって、そのあと案内される窓口も、書かされる書類も変わります。

この記事では、passport という単語の語源と、theft・robbery・burglary という三つの罪名の語義を辞書で引き直しました。

そのうえで、イギリス政府のGOV.UKにある公式ページを実際に開き、紛失・盗難のときに公的機関が何と書いているかを確かめています。

扱うのは「英語の言い方」と「公的ページに書いてある英語の意味」だけです。

日本のパスポートの再発行にどの書類が要るかは国と在外公館によって違うので、最終的な手続きは外務省と最寄りの日本大使館・総領事館の案内で確認してください。

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パスポートの英語は「I lost my passport.」の一文から始まります|先に結論

最初に口に出す英語は、これだけです。

I lost my passport.

パスポートを失くしました、という一文です。

盗まれた確信があるなら、こちらに切り替えます。

My passport was stolen.

パスポートを盗まれました、という一文です。

この二つは似ているようで、そのあとの手続きが分かれる分岐点です。

失くしたなら、まず自分でどこかに置き忘れた可能性を探す流れになります。

盗まれたなら、警察に届け出て記録を作る流れになります。

そしてどちらの場合でも、次に言うべき一文は同じです。

I need to contact the Japanese embassy.

日本大使館に連絡する必要があります、という一文です。

場面 言う英語 意味
失くした I lost my passport. パスポートを失くしました
盗まれた My passport was stolen. パスポートを盗まれました
置き忘れたかも I think I left it in the taxi. タクシーに置き忘れたと思います
大使館へ I need to contact the Japanese embassy. 日本大使館に連絡が必要です
警察へ I need to report it to the police. 警察に届け出る必要があります

パスポートという英語は「港を通る」という意味だった|語源から見ると役割が分かる

なぜパスポートがそこまで重いのかは、語源を見ると腑に落ちます。

英語版Wiktionaryの passport の項によると、この語はフランス語の passeport から入り、passer(通る)と port(港)の組み合わせだと書かれています。

英語の側から見れば pass と port を足した形と同じです。

つまりパスポートは、もともと「港を通してよい」という許可の紙だったわけです。

語義の一番目は、次のとおりです。

An official document normally used for international journeys, which proves the identity and nationality of the person for whom it was issued.

国際的な移動に通常使われる公的な文書で、発行を受けた人の身元と国籍を証明するもの、という語義です。

二番目には、比喩の広がりとして「通行や入場を許す文書」という語義が載っています。

三番目には、さらに広がって「何かを成し遂げることを可能にするもの」という語義まであります。

身元と国籍を証明する紙が一枚なくなる、という言い方をすると、窓口の人がなぜ真顔になるのかが分かります。

出典=Wiktionary|passport(2026年9月16日取得)

パスポートの英語で最初の分かれ道|lost と stolen をどちらで言うか

英語では、この二つを最初の一文で選ばされます。

lost は自分の側の不注意、stolen は他人の行為を指す言葉です。

そして stolen と言った時点で、それは犯罪の申告になります。

見ていないのに盗まれたと断定すると、警察の聞き取りが長くなるだけで、手続きが早く終わるわけではありません。

確信が持てないときは、次のように言っておくのが誠実で、かつ話が早く進みます。

I’m not sure if I lost it or it was stolen.

失くしたのか盗まれたのか、はっきりしません、という一文です。

It was in my bag, and the bag was open when I checked.

バッグに入れていて、確認したときにはバッグが開いていました、という言い方です。

事実だけを並べて、判断は相手に渡す形になります。

英語 意味 使う場面
I lost my passport. 失くしました 置き忘れ・落とした心当たりがある
My passport was stolen. 盗まれました 盗まれたと確信がある
My passport is missing. 見当たりません まだ判断がつかない
I’m not sure if I lost it or it was stolen. どちらか分かりません 正直に伝える
I left it at the hotel. ホテルに置いてきました 場所の心当たりがある

盗まれたときのパスポートの英語は theft・robbery・burglary で罪名が変わります

警察の窓口で使われる英語は、日本語の「盗難」よりずっと細かく割れています。

Wiktionaryの theft の項によると、語源は中英語 theft、古英語 þīefþ にさかのぼり、「盗む」という動詞に抽象名詞の接尾辞が付いた形です。

語義は「The act of stealing property.」、つまり財物を盗む行為そのものです。

同じ項には Bike theft is on the rise.(自転車の盗難が増えている)という例文も載っています。

いっぽう robbery の項には、法律上の語義としてこう書かれています。

The offense of taking or attempting to take the property of another by force or threat of force.

他人の財物を、力または力の脅しによって奪う、あるいは奪おうとする犯罪、という語義です。

robbery には、暴力や脅しという要素が語義そのものに埋め込まれています。

語源は中英語 robberie、古フランス語 roberie で、古英語の rēaflāc という語を押しのけて定着した、とも書かれています。

三つめの burglary は、さらに別物です。

The crime of unlawfully breaking into a vehicle, house, store, or other enclosure with the intent to steal.

盗む意図をもって、車・家・店その他の囲われた場所に不法に侵入する犯罪、という語義です。

コモン・ローの語義としては「Breaking and entering of the dwelling of another at night with the intent to commit a felony.」=重罪を犯す意図をもって、夜間に他人の住居に侵入すること、と書かれています。

つまりホテルの部屋に入られてパスポートを取られたなら burglary、路上で突き飛ばされて奪われたなら robbery、スリに抜き取られたなら theft の側になります。

この区別を知らずに全部 robbery と言ってしまうと、警察官は暴力事件として聞き取りを始めます。

出典=Wiktionary|theft(2026年9月16日取得)

出典=Wiktionary|robbery(2026年9月16日取得)

出典=Wiktionary|burglary(2026年9月16日取得)

英語 辞書の語義の核 起きた状況
theft 財物を盗む行為 スリ・置き引き
robbery 力や脅しで奪う 路上で突きつけられた
burglary 盗む意図での不法侵入 部屋に入られた
pickpocketing ポケットから抜き取る行為 人混みで抜かれた

パスポートを失くしたら最初にやること|公式ページは「無効にする」と書いています

では実際に何から始めるのか、公的機関の英語を読んでみます。

イギリス政府のGOV.UKにある「Report a lost or stolen passport」のページには、冒頭に次のように書かれています。

You must cancel a lost or stolen passport as soon as possible.

失くしたパスポート、または盗まれたパスポートは、できるだけ早く無効にしなければならない、という一文です。

再発行の手続きより先に、まず古いパスポートを無効にする、という順番がここに書かれています。

同ページでは、この手続きが身元の悪用(identity theft)の危険を減らすためだと説明されています。

そして、海外にいる場合についてはこう書かれています。

You might be able to apply for an emergency travel document. You’ll need to pay a fee.

緊急用の渡航文書を申請できる場合があり、手数料を払う必要がある、という一文です。

さらに、順番についての補足も入っています。

If you apply for an emergency travel document, you do not need to cancel your passport now. You’ll cancel it as part of your application for the emergency travel document.

緊急用の渡航文書を申請するなら、いま無効手続きをする必要はなく、その申請の一部として無効になる、という説明です。

これはイギリス国民についてのイギリス政府の案内であって、日本のパスポートの手続きではありません。

それでも、cancel・report・apply という三つの動詞が、英語圏の窓口でどう並んでいるかを知る材料になります。

出典=GOV.UK|Report a lost or stolen passport(2026年9月16日取得)

警察でパスポートの盗難を届け出るときの英語

盗まれたと判断したら、警察の窓口に行きます。

ここで欲しいのは犯人ではなく、届け出をした証明の紙です。

I’d like to report a theft.

盗難を届け出たいのですが、という一文です。

My passport and my wallet were stolen.

パスポートと財布が盗まれました、という一文です。

Could I get a copy of the police report?

盗難届の控えをもらえますか、という一文です。

この police report という言葉を知っているかどうかで、窓口に立つ時間が十分変わります。

保険の請求でも、大使館での手続きでも、この紙が土台になるからです。

Could you write the report number down for me?

届け出の受理番号を書いてもらえますか、という一文です。

場面 言う英語 意味
用件 I’d like to report a theft. 盗難を届け出たいです
何を My passport was stolen. パスポートが盗まれました
いつ It happened this morning, around ten. 今朝10時ごろです
どこで It happened near the train station. 駅の近くです
証明がほしい Could I get a copy of the police report? 控えをもらえますか
番号がほしい Could you write the report number down? 受理番号を書いてください
英語で書いてほしい Could I have it in English? 英語のものをもらえますか

大使館・領事館でパスポートの話をするときの英語

次に向かうのが大使館か総領事館です。

日本のパスポートなら、行き先は日本大使館か日本総領事館になります。

Where is the nearest Japanese embassy?

いちばん近い日本大使館はどこですか、という質問です。

I’m a Japanese citizen and I lost my passport.

日本国籍で、パスポートを失くしました、という一文です。

国籍を先に言うのは、どの国の窓口が担当になるかを一発で決めるためです。

I have a flight home on Friday.

金曜に帰りの便があります、という一文で、急ぎの度合いを伝えられます。

What documents do I need to bring?

どの書類を持っていけばいいですか、という質問です。

embassy と consulate の違いも、ここで押さえておきます。

embassy は首都に置かれる大使館、consulate は他の都市に置かれる領事館を指すのが一般的な使い分けです。

領事ができること・できないこと|イギリス政府が公式に並べています

大使館に行けば全部やってくれる、と思っていると、窓口で戸惑うことになります。

GOV.UKの領事支援についてのガイダンスには、できることとできないことが箇条書きで並んでいます。

できることの側には、次のような項目があります。

enabling you to get an Emergency Travel Document if you lose your British passport

イギリスのパスポートを失くした場合に、緊急用の渡航文書を取得できるようにする、という項目です。

ほかにも、滞在国の法制度についての情報提供、犯罪被害にあったときの警察や医療機関の連絡先の提供、逮捕・拘束されたときの訪問や連絡、といった項目が並んでいます。

いっぽう、できないことの側はこうです。

pay your bills or give you money

あなたの支払いを肩代わりしたり、お金を渡したりすること、はできないと明記されています。

translate formal documents, provide formal interpreting services

正式な文書の翻訳や、正式な通訳の提供もできない、と書かれています。

つまり、警察でのやりとりを通訳してもらえる前提で行くと、そこで詰まります。

できないことの側には、ほかに「入国させたり国外退去を止めたりする」「犯罪を捜査する」「刑務所から出す」「法的助言をする」「私的な争いに関与する」といった項目も並んでいます。

これはイギリス政府が自国民に向けて書いた案内ですが、領事という役割の輪郭を英語で理解するには、いちばん見通しのよい一枚です。

出典=GOV.UK|Consular assistance(2026年9月16日取得)

緊急用の渡航文書の英語|emergency travel document とは何か

パスポートが手元にないまま帰国するための紙が、英語では emergency travel document と呼ばれます。

GOV.UKの該当ページには、次のように説明されています。

An emergency travel document lets you travel from abroad if you need to travel urgently and cannot use your UK passport.

急いで移動する必要があり、自国のパスポートが使えないときに、海外から移動できるようにする文書、という説明です。

対象になるのは、パスポートを失くした・盗まれた・傷んだ・査証欄が満杯・期限切れ・当局に押さえられている、といった状況で、かつ間に合うように更新ができない人だとされています。

使い方には制限があり、経由できる国の数についてこう書かれています。

You can travel through a maximum of 5 countries.

経由できるのは最大5か国まで、という制限です。

有効性についても限定があります。

It is usually only valid for one single or return journey.

通常は片道または往復の一回の旅程にしか有効ではない、という説明です。

緊急用の渡航文書は、パスポートの代わりではなく「帰るための一回券」だと考えると、性格が正しくつかめます。

日本のパスポートを失くした場合にも、これに相当する帰国用の文書を在外公館で申請する道があります。

その名称や必要書類は日本側の制度で決まるので、必ず外務省と在外公館の案内を確認してください。

出典=GOV.UK|Emergency travel document(2026年9月16日取得)

ホテルと航空会社でパスポートが無いと言うときの英語

大使館と警察のほかにも、説明しなければならない相手がいます。

ホテルのフロントと、航空会社のカウンターです。

I lost my passport. Could you check the lost and found?

パスポートを失くしました、遺失物を確認してもらえますか、という一文です。

英語の遺失物取扱所は lost and found で、イギリスでは lost property という言い方も使われます。

Could you check the room and the safe again?

部屋と金庫をもう一度確認してもらえますか、という一文です。

I need to change my flight. My passport was stolen.

パスポートが盗まれたので、便を変更する必要があります、という一文です。

I have a police report and an emergency travel document.

盗難届の控えと緊急用の渡航文書を持っています、という一文です。

紙を二つ並べて見せながら言うと、話がいちばん短く終わります。

パスポートの英語で相手が言ってくる文と、聞き取れないときの逃げ方

窓口で聞かれることは、どこの国でもだいたい同じです。

相手が言ってくる英語 意味 返し方
When did you last see it? 最後に見たのはいつですか Yesterday evening.
Where were you at the time? そのときどこにいましたか At the train station.
Do you have any other ID? ほかに身分証はありますか I have a copy of my passport.
Do you have a copy of the photo page? 顔写真のページの控えはありますか Yes, on my phone.
Have you reported it to the police? 警察に届けましたか Yes, here’s the report.
What is your nationality? 国籍はどちらですか I’m Japanese.
When is your flight? 便はいつですか This Friday.
Please fill out this form. この用紙に記入してください Okay, thank you.

聞き取れなかったときは、黙らずに次を出します。

Sorry, could you say that again more slowly?

すみません、もう一度ゆっくり言ってもらえますか、という一文です。

Could you write it down?

紙に書いてもらえますか、という一文です。

書類の名前や番号は、耳で聞くより紙で見たほうが確実なので、この一文は窓口でこそ役に立ちます。

What should I do next?

次に何をすればいいですか、という一文です。

説明が半分しか分からなくても、この一文を出せば、相手が次の一手だけを言い直してくれます。

パスポートの英語でやってはいけない言い方

一つめは、確信がないのに was stolen と言い切ることです。

stolen は犯罪の申告になるので、聞き取りが別の方向に伸びます。

二つめは、スリの被害を robbery と呼ぶことです。

辞書の語義に「力または力の脅し」が含まれているので、暴力事件として扱われます。

三つめは、部屋に侵入された話を theft とだけ言うことです。

burglary という単語を出さないと、侵入があったという要素が記録から抜けることがあります。

四つめは、大使館に通訳を期待して行くことです。

GOV.UKのガイダンスでは、正式な通訳の提供は領事の業務に含まれないと明記されています。

五つめは、再発行の手続きだけを急いで、無効化の話を後回しにすることです。

GOV.UKの一文目が「できるだけ早く無効にしなければならない」である以上、この順番には理由があります。

六つめは、顔写真ページの控えを持たずに旅に出ることです。

紙の写しでもスマートフォンの画像でも、控えが一つあるだけで、窓口での説明の速さが変わります。

パスポートの英語のよくある質問

lost と stolen はどちらで言うのが無難ですか

見ていないのなら lost、あるいは missing のほうが事実に近い言い方です。

判断がつかないときは I’m not sure if I lost it or it was stolen. と言って、事実だけを並べるのが誠実です。

police report はどうしても必要ですか

保険の請求や、その後の手続きの土台になる紙なので、盗難の可能性があるなら取っておくほうが選択肢が広がります。

窓口では Could I get a copy of the police report? と言えば通じます。

emergency travel document は日本人ももらえますか

GOV.UKのページはイギリス国民向けの制度を説明したものです。

日本のパスポートを失くした場合には日本の在外公館が扱う別の制度になるので、名称も必要書類も外務省と在外公館の案内で確認してください。

embassy と consulate はどう違いますか

embassy は首都に置かれる大使館、consulate はそれ以外の都市に置かれる領事館を指すのが一般的な使い分けです。

どちらに行けばよいか分からないときは Where is the nearest Japanese embassy or consulate? と聞けば案内してもらえます。

パスポートのコピーは紙とスマホのどちらがいいですか

両方あるに越したことはありません。

スマートフォンごと盗まれる可能性を考えると、紙の控えを別の場所に入れておく意味があります。

パスポートの英語は「I lost my passport.」だけ覚えて帰ってください

語源をたどれば、パスポートは「港を通してよい」という許可の紙でした。

それが一枚なくなるだけで、身元と国籍を証明する手段がなくなります。

それでも、最初に必要な英語はたった一文です。

I lost my passport.

この一文を出せば、あとは相手が順番に聞いてくれるので、あなたは短く答えるだけで済みます。

盗まれた確信があるなら stolen に切り替え、警察で police report を取り、大使館に向かう。

パスポートの英語は、うまく説明する技術ではなく、正しい窓口にたどり着くための道しるべです。

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