旅の最終日、空港に向かう前に立ち寄った店で、棚いっぱいの箱を前にして手が止まることがあります。
職場に配る小さな菓子、家族に渡すマグカップ、自分の机に置く小さな置物、どれも同じ棚に並んでいます。
日本語ではこれを全部まとめて「お土産」と呼べるので、買い物の段取りを頭の中で組む必要がありません。
ところがレジに並んだ瞬間、包んでほしいのか、袋を分けてほしいのか、割れ物だと伝えたいのか、それを英語でどう切り出すかで固まります。
そして「お土産」を英語にしようとして souvenir という単語を思い出し、そこからさらに動けなくなります。
お土産の英語でつまずく理由は、単語を知らないからではありません。
日本語の「お土産」が、英語では3つ以上の別々の語に割れてしまうからです。
この記事では、Cambridge Dictionary で souvenir・gift・present・keepsake・memento・gift shop・gift-wrap・wrap・ribbon・bubble wrap・bag・separately・fragile・breakable・perishable・receipt・declare・quarantine の18語を実際に引いて、語義の数をひとつずつ数えました。
あわせて、イギリス政府の食品持ち込みの案内3ページ、アメリカ税関国境取締局(CBP)の持ち込み禁止品のページ、アメリカ運輸保安庁(TSA)の食品のページ、日本の税関の旅客通関手続のページを開いて、買ったものを国境で止められる線がどこに引かれているかを確かめています。
出典として並べたのは、この記事を書きながら実際に開けたページだけです。
開けなかったページのURLや語義の数は、1行も書いていません。
お土産の英語は「Could you gift-wrap this?」の1文から始まります|souvenirより先に結論
レジで最初に言うべき英語は、この1文です。
Could you gift-wrap this, please?
これを贈り物用に包んでいただけますか、という意味です。
そして、人数分を買ったときに続けるのがこの1文です。
Could you put them in separate bags?
それぞれ別の袋に入れていただけますか、という意味です。
この2文の中に souvenir という単語は1つも入っていません。
レジで必要なのは「これは何か」を説明する名詞ではなく、「どう扱ってほしいか」を伝える動作の言葉だからです。
店員さんは、その箱がお土産なのか自分用なのかを知る必要がありません。
包むのか、分けるのか、そっと扱うのか、その3つだけが分かれば手が動きます。
日本語の「お土産」を英語の名詞に変換しようとする作業そのものが、遠回りだと考えてください。
とはいえ、souvenir と gift の違いを知っておくと、会話の別の場面で役に立ちます。
相手に「これは誰に渡すの」と聞かれたとき、答え方が変わるからです。
その線引きを、次の見出しから辞書の語義で確かめていきます。
出典=Cambridge Dictionary|gift-wrap/separately
お土産を souvenir と訳すと英語ではズレる|辞書に並ぶ souvenir の語義の数
souvenir は、日本語の「お土産」と同じ広さを持っていません。
Cambridge Dictionary の英英セクション(cald4)で souvenir を引くと、語義はたった1つしか並んでいません。
その語義は「something you buy or keep to help you remember a holiday or special event」です。
旅行や特別な出来事を思い出す助けにするために、自分が買うか手元に置いておくもの、という意味です。
ここに「人に渡す」という要素が1つも書かれていないことが、日本語とのいちばん大きな差です。
同じ見出しに載っている例文も、その向きをそのまま示しています。
We brought back a few souvenirs from our holiday in Mexico.
メキシコでの休暇から souvenir をいくつか持ち帰った、という意味です。
もうひとつの例文は、ロンドンの赤いバスの模型を souvenir として買った、という形になっています。
どちらも、買った本人の手元に残る話です。
一方、アメリカ英語のセクション(cacd)で souvenir を引くと、語義はやはり1つですが中身が少し広がります。
「something you keep or give to remember a special visit or event」という書き方で、keep のあとに give が足されています。
アメリカ英語の語義にだけ「give(渡す)」が入っている、というのは押さえておく価値があります。
とはいえ、その give も「思い出してもらうために渡す」という限定つきです。
職場に配る菓子折りや、友人への手みやげは、この語義の中心からは外れます。
つまり souvenir は、日本語の「お土産」のうち「記念品」の部分だけを担っている語です。
出典=Cambridge Dictionary|souvenir
souvenir・gift・present をお土産の英語として並べ直したときの語義の数の違い
人に渡すものを言いたいときに使う語は、souvenir ではありません。
Cambridge Dictionary で5つの語を引き比べ、英英セクションに並ぶ語義の数をそのまま数えました。
| 語 | 英英セクションの語義の数 | 1番目の語義 | お土産のどの部分か |
|---|---|---|---|
| souvenir | 1個 | something you buy or keep to help you remember a holiday or special event | 自分の記念品 |
| gift | 6個 | a present or something that is given | 人に渡すもの全般 |
| present | 14個 | something that you are given, without asking for it, on a special occasion, especially to show friendship, or to say thank you | 特別な日に渡すもの |
| keepsake | 1個 | a small present, usually not expensive, that is given to you by someone so that you will remember that person | 人を思い出すための小物 |
| memento | 1個 | an object that you keep to remember a person, place, or event | 自分が取っておく品 |
人へのお土産をひとことで言うなら gift がいちばん素直です。
語義の1番目が「a present or something that is given」で、渡されるもの全般を指しているからです。
present の語義は14個もあり、そのうち贈り物を指すのは1番目だけです。
残りの13個は「現在」「今いる」「提示する」「紹介する」といった別の意味で埋まっています。
present は語義が多いぶん、文脈が弱い場面では誤解されやすい語だと考えてください。
さらに present の1番目の語義には「on a special occasion」という条件が入っています。
誕生日やクリスマスのような特別な日が前提になっているので、旅行帰りに配る菓子とは少しずれます。
keepsake は、渡す側ではなく「もらった人が持ち続ける」視点で書かれた語です。
memento は語義が「an object that you keep」で始まり、こちらも手元に残す品を指します。
memento の例文は、休暇の記念に貝殻を取っておいた、という内容になっています。
迷ったときの決め方は簡単で、自分用なら souvenir、人に渡すなら gift です。
この2語だけで、お土産の話はほぼ通ります。
出典=Cambridge Dictionary|gift/present/keepsake/memento
お土産を包んでもらう英語|souvenir を gift-wrap で頼む言い方
包装を頼む英語には、専用の動詞があります。
Cambridge Dictionary の英英セクションで gift-wrap を引くと、語義が3つ並んでいます。
1番目は名詞で「attractive paper for covering things intended as gifts」、つまり贈り物を覆うためのきれいな紙です。
2番目も名詞で「the activity of covering things intended as gifts with attractive paper, especially in a shop」となっています。
この2番目の語義に「especially in a shop」と書かれているところが大事です。
店で頼む有料または無料のサービスそのものを指す語だと、辞書がはっきり書いているということです。
3番目が動詞で「to cover something intended as a present with attractive paper」です。
同じ見出しのビジネス英語セクション(cbed)にも動詞の語義があり、例文は店員が絵を包んでくれた、という形になっています。
The assistant gift-wrapped the picture for me.
店員さんがその絵を贈答用に包んでくれた、という意味です。
gift-wrap という語は、客が頼む側でも店が引き受ける側でも、そのまま使える形になっています。
そこで、レジで使う文はこの形に落とせます。
| 頼みたいこと | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 贈答用に包んでほしい | Could you gift-wrap this, please? | これを贈り物用に包んでいただけますか |
| 包装があるか確かめたい | Do you have gift wrapping? | 贈答用の包装はありますか |
| 3つとも包んでほしい | Could you gift-wrap all three, please? | 3つとも贈り物用に包んでいただけますか |
| リボンも付けてほしい | Could you add a ribbon? | リボンを付けていただけますか |
| これは自分用なので包装は不要 | This one is for me, so no wrapping, please. | これは自分用なので包装はいりません |
| 値札を外してほしい | Could you take the price tag off? | 値札を取っていただけますか |
wrap という動詞のほうも引いておくと、言い換えの幅が広がります。
英英セクションで wrap を引くと語義が8つ並び、1番目は「to cover or surround something with paper, cloth, or other material」です。
紙や布などで何かを覆う、という基本の意味で、例文はプレゼントを包んでリボンで結んだ、という内容になっています。
名詞の4番目には「material that is used to cover or protect objects」という語義があり、例として gift wrap が挙げられています。
gift-wrap が出てこなければ、Could you wrap this for a gift? でも通ります。
ribbon のほうは英英セクションに語義が5つあり、1番目が「a long, narrow strip of material used to tie things together or as a decoration」です。
物を結んだり飾ったりするための細長い帯、という意味で、例文もプレゼントをリボンで結んだ、という形です。
出典=Cambridge Dictionary|gift-wrap/wrap/ribbon
「別々の袋に入れてください」のお土産の英語|souvenir を配る前提の bag の使い方
職場や友人に配る前提で買うと、袋の分け方が包装より大事になります。
日本の店ではお願いしなくても小分けの袋が付いてくることがありますが、それを前提にすると海外では困ります。
袋を分けてほしいときは、こちらから言葉にしないと分かれません。
使う文はこれです。
Could you put them in separate bags?
それぞれ別の袋に入れていただけますか、という意味です。
separately を使って言い換えることもできます。
Could you bag them separately?
別々に袋に入れていただけますか、という意味です。
Cambridge Dictionary で separately を引くと、英英セクションの語義は1つだけで「not together」です。
「一緒ではなく」という、それだけの語なので、誤解のしようがありません。
bag のほうは語義がずっと多く、英英セクションに14個並びます。
1番目は「a soft container made out of paper or thin plastic, and open at the top, used to hold foods and other goods」です。
紙か薄いプラスチックでできた、上が開いた柔らかい容器で、食品などを入れるもの、という意味です。
7番目には動詞の語義「to put something in a bag」があり、例文は「Shall I bag those tomatoes for you?」です。
そのトマトを袋にお入れしましょうか、という店員側の言い方です。
bag が動詞として使われるのは、まさにレジのこの場面です。
枚数を足してほしいときの言い方も並べておきます。
| 頼みたいこと | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 袋を分けてほしい | Could you put them in separate bags? | 別々の袋に入れていただけますか |
| 袋を足してほしい | Could I have a few extra bags? | 袋をあと数枚いただけますか |
| 袋はいらない | I don’t need a bag, thank you. | 袋は要りません |
| 大きい袋にまとめてほしい | Could you put everything in one big bag? | 全部を大きい袋ひとつにまとめていただけますか |
| 中身が見えない袋がいい | Do you have a plain bag? | 無地の袋はありますか |
なお、袋が有料の地域はかなり多くあります。
Do you need a bag? と聞かれたら、それは親切ではなく有料の確認であることが多い、と覚えておくと戸惑いません。
出典=Cambridge Dictionary|bag/separately
壊れ物のお土産を守る英語|fragile の語義4個と、souvenir を無事に持ち帰る伝え方
陶器のカップ、ガラスの小物、瓶入りの調味料は、買った瞬間から帰国までずっと心配のもとになります。
この場面で使う語は fragile です。
Cambridge Dictionary の英英セクションで fragile を引くと、語義が4つ並んでいます。
1番目は「A fragile object is easily damaged or broken」で、簡単に傷んだり壊れたりする物、という意味です。
例文は「Be careful with that vase – it’s very fragile.」で、その花瓶は壊れやすいので気をつけて、という内容です。
2番目以降は「関係や経済が脆い」「体調がすぐれない」という比喩の意味なので、荷物の話に使うのは1番目だけです。
4番目にいたっては、前夜に飲みすぎて少し気分が悪い、という意味まで載っています。
荷物の文脈から外れると別の話になる語だ、と押さえておいてください。
店で使う文はこれです。
This is fragile. Could you wrap it well?
これは壊れ物なので、しっかり包んでいただけますか、という意味です。
緩衝材を頼みたいときは、bubble wrap という語が使えます。
Could you add some bubble wrap?
気泡緩衝材を足していただけますか、という意味です。
Cambridge Dictionary で bubble wrap を引くと、英英セクションの語義は1つで「a brand name for a sheet of plastic bubbles that is used for wrapping things in order to protect them」となっています。
語義の冒頭に「a brand name」と書かれているとおり、bubble wrap はもともと商標です。
それでも辞書に一般名詞として載るほど定着しているので、店で言って通じないことはまずありません。
似た語に breakable もあります。
英英セクションでの語義は1つで「Something that is breakable might easily break」です。
そして例文が「Do you have anything breakable in your bag?」で、鞄の中に壊れ物は入っていますか、という質問文になっています。
これは保安検査や手荷物のカウンターでそのまま投げかけられる形なので、聞かれる側として覚えておく価値があります。
2つの語の役割は、次のように分かれます。
| 語 | 英英セクションの語義の数 | 使う場面 | よく出る形 |
|---|---|---|---|
| fragile | 4個 | 店で包装を頼むとき、荷物に札を付けてもらうとき | This is fragile. |
| breakable | 1個 | 空港で「壊れ物はあるか」と聞かれるとき | Do you have anything breakable? |
空港のカウンターで荷物を預けるときに使える一文も置いておきます。
There’s something fragile inside. Could you put a fragile tag on it?
中に壊れ物が入っているので、取扱注意の札を付けていただけますか、という意味です。
出典=Cambridge Dictionary|fragile/breakable/bubble wrap
日持ちを確かめるお土産の英語|perishable の語義と、souvenir が食べ物のとき
食べ物を選ぶときに、その場で確かめておきたいのが日持ちです。
帰国までに何日かかるかを数えてから買わないと、渡す前に傷んでしまいます。
この場面の中心になる語が perishable です。
Cambridge Dictionary の英英セクションで perishable を引くと、語義は1つで「Perishable food decays quickly」です。
傷みやすい食品はすぐに腐る、という、身もふたもない書き方になっています。
例文は「It’s important to store perishable food in a cool place.」で、涼しい場所に置くことが大事だ、という内容です。
ビジネス英語セクション(cbed)では語義が2つに増え、2番目は名詞として「food products that decay quickly」となります。
つまり perishables という複数形で「生もの」をひとまとめに指せる、ということです。
ただし、店で perishable という語を自分から使う必要はありません。
日持ちを聞くなら、もっと短い文のほうが確実に通ります。
| 確かめたいこと | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| どのくらい日持ちするか | How long does this keep? | これはどのくらい日持ちしますか |
| 賞味期限はいつか | What’s the best before date? | 賞味期限はいつですか |
| 冷蔵が要るか | Does this need to be refrigerated? | これは冷蔵が必要ですか |
| 持ち歩いて大丈夫か | Will this be OK for three days in my bag? | 鞄に3日入れておいても大丈夫ですか |
| もっと日持ちするものはあるか | Do you have something that keeps longer? | もっと日持ちするものはありますか |
How long does this keep? の keep は「持つ」という自動詞の使い方です。
主語が食べ物になると、日本語の「日持ちする」とほぼ同じ働きをします。
この1文が言えるだけで、菓子売り場での判断がまるごと楽になります。
返ってくる答えは、たいてい数字と単位だけです。
Two weeks. や About a month. のように短く返ってくるので、聞き取りの負担も大きくありません。
なお、レシートは受け取っておいてください。
Cambridge Dictionary で receipt を引くと英英セクションに語義が4つあり、1番目は「something such as a piece of paper or message proving that money, goods, or information have been received」です。
支払いや受け取りがあったことを証明する紙、という意味で、税関で中身や値段を聞かれたときの裏づけになります。
出典=Cambridge Dictionary|perishable/receipt
持ち込めないお土産がある|souvenir を選ぶ前に英語の公的ページで確かめた3つの線引き
買ってから困るのは、空港で取り上げられる種類のお土産です。
食べ物と植物は、国境をまたぐ時点で別のルールに入ります。
ここだけは英語の言い回しの問題ではなく、行き先の国が決めている線の問題です。
そこで、イギリス・アメリカ・日本の公的ページを実際に開いて、どこに線が引かれているかを読みました。
イギリスへ持ち込むとき
イギリス政府のページ「Bringing food into Great Britain」には、どの国からでも制限なく持ち込めるものが箇条書きで並んでいます。
そこに挙がっているのは、パン(ただし肉や乳製品をはさんだサンドイッチは除く)、生クリームを使っていないケーキ、ビスケット、チョコレートと菓子類(未加工の乳原料を多く含むものは除く)、パスタと麺(肉入りは除く)、包装されたスープやだし、加工・包装された植物製品、少量の動物性成分を含むサプリメントです。
ビスケットとチョコレートが名指しで許されている、というのは覚えて帰る価値があります。
一方、同じサイトの肉・乳製品のページには、EU域外から持ち込む場合の線がはっきり書かれています。
肉と肉製品は持ち込めず、乳と乳製品も、粉ミルクや乳児食、医療上必要な特別食を除いて持ち込めません。
はちみつは1人あたり2kgまで、魚は1人あたり合計20kgまでという数字が示されています。
果物と野菜のページでは、EU・スイス・リヒテンシュタイン以外の国からは、ほとんどの果物と野菜に植物衛生証明書が要ります。
証明書なしで持ち込める例として、パイナップル、ココナッツ、バナナ、デーツ、ドリアンなどが挙がっています。
加工・包装された植物製品と、皮をむいたナッツやナッツバターは持ち込める側に入っています。
アメリカへ持ち込むとき
アメリカ税関国境取締局(CBP)の持ち込み禁止・制限品のページでは、焼き菓子と一部のチーズは持ち込める側です。
一方で、生・乾燥・缶詰を問わず、ほとんどの国からの肉と肉製品は持ち込めないと明記されています。
ブイヨンやスープの素のように、肉の成分が入っているものも通らない例として挙がっています。
このページでいちばんお土産に効くのは、植物についての一文です。
Every single plant or plant product including handicraft items made with straw, must be declared to the CBP officer.
わらで作った工芸品を含め、すべての植物と植物製品は税関職員に申告しなければならない、という意味です。
わら細工の民芸品が、食品ではなく植物として扱われる、というのは知らないとまず思いつきません。
見た目に虫がついていなくても申告と検査が要る、ともこのページは書いています。
申告そのものは難しくなく、declare という動詞1つで足ります。
Cambridge Dictionary で declare を引くと英英セクションに語義が3つあり、2番目が「to officially tell someone the value of goods you have bought, or the amount of money you have earned because you might have to pay tax」です。
買ったものの価値を公的に申告する、という意味で、例文として Nothing to declare. と Goods to declare. の2つがそのまま載っています。
ビジネス英語セクションの3番目には、緑の通路は申告するものが無い人のためのものだ、という例文も並んでいます。
機内に持ち込むとき
アメリカ運輸保安庁(TSA)の食品のページでは、固形の食品は機内持ち込みでも預け荷物でもかまいません。
一方で、3.4オンスを超える液体やジェル状の食品は機内に持ち込めず、できるだけ預け荷物に入れるように、とされています。
はちみつ、ジャム、オリーブオイル、瓶入りのソースは、この液体の側に入ります。
おいしそうな瓶を買ったのに、保安検査の手前で手放すことになる事故はここで起きます。
瓶ものを買うなら、預け荷物に入れる前提で包装を頼んでおいてください。
日本へ持ち帰るとき
日本の税関の旅客通関手続のページには、携帯品の免税範囲が表で示されています。
酒類は3本、葉巻は50本、紙巻たばこは200本、加熱式たばこは個装等10個、その他のたばこは250グラム、香水は2オンスです。
その他の品物は、海外市価の合計額が20万円までで、1品目ごとの合計額が1万円以下のものはこの合計に含めません。
同じページの制限品の欄には、植物と動物は検疫が必要だと明記されています。
生の果物、肉製品、種子は、日本に帰るときも検疫の対象になる、ということです。
3か国のページを並べると、共通して危ないのは同じ3種類でした。
| お土産の種類 | イギリス | アメリカ | 日本 |
|---|---|---|---|
| ビスケット・チョコレート・焼き菓子 | 制限なしの欄に明記 | 焼き菓子は持ち込めると明記 | 免税範囲の中で持ち帰り可 |
| 肉製品(ジャーキー・ソーセージ・肉入りスープの素) | EU域外からは持ち込み不可 | ほとんどの国から持ち込み不可 | 動物検疫の対象 |
| 生の果物・野菜・種子 | 原則として植物衛生証明書が必要 | すべて申告と検査が必要 | 植物検疫の対象 |
| はちみつ・ジャム・オイルなどの瓶もの | はちみつは1人2kgまで | 機内持ち込みは3.4オンスまで | 免税範囲の中で持ち帰り可 |
迷ったら、常温で保存できる焼き菓子か、食べ物ではない工芸品を選ぶのがいちばん安全です。
ただし工芸品でも、わらや木や種を使ったものは申告の対象になり得ます。
ここに書いた数字と区分は、この記事を書いた時点で各公式ページに載っていたものです。
持ち込みの決まりは変わることがあるので、出発の前に行き先の公式ページで最新の内容を確かめてください。
出典=GOV.UK|Bringing food into Great Britain: Overview/Meat, dairy, fish and animal products/Fruit, vegetables, nuts and seeds/CBP|Prohibited and Restricted Items/TSA|Food/日本税関|Procedures of Passenger Clearance/Cambridge Dictionary|declare
お土産売り場で相手が言ってくる英語|souvenir を買う場面で返ってくる文と、聞き取れないときの逃げ方
こちらの文が言えても、返ってくる文が聞き取れないと会話は止まります。
売り場で店員さんから投げられる文は、実はそれほど種類がありません。
先に形を知っておくだけで、聞こえ方がまるごと変わります。
| 言われる英語 | 意味 | 返し方 |
|---|---|---|
| Is this a gift? | これは贈り物ですか | Yes, please. / No, it’s for me. |
| Would you like it gift-wrapped? | 贈答用に包みますか | Yes, please. / No, thank you. |
| Do you need a bag? | 袋は要りますか | Yes, please. / No, I’m fine. |
| Shall I bag them separately? | 別々の袋にお入れしましょうか | Yes, please. That would be great. |
| Anything else? | ほかにご入用のものは | That’s all, thank you. |
| Would you like the receipt in the bag? | レシートは袋に入れますか | No, I’ll take it, thank you. |
この表の右の列は、ほとんどが Yes, please. と No, thank you. の2つで足りています。
聞き取れなかったときに黙ってしまうのが、いちばん困る形です。
そこで、逃げ道になる文を3つだけ用意しておきます。
Sorry, could you say that again?
すみません、もう一度言っていただけますか、という意味です。
Sorry, I didn’t catch that.
すみません、聞き取れませんでした、という意味です。
Do you mean wrapping?
包装のことですか、という確かめ方です。
3つ目のように、こちらから語を当てにいく形はとても有効です。
相手はその語を軸にもう一度言い直してくれるので、2回目は格段に聞き取りやすくなります。
それでも分からなければ、商品を指さして Like this? と聞けば話は進みます。
売り場での会話は、言葉だけで成立させる必要がありません。
お土産の英語でやりがちな取り違え|souvenir shop と gift shop の呼び分け
売り場そのものを英語でどう呼ぶかも、実はきれいに分かれています。
Cambridge Dictionary で gift shop を引くと、英英セクションの語義は1つで「a shop that sells goods that are suitable for giving as presents」です。
贈り物にふさわしい品物を売る店、という意味で、ビジネス英語セクションにも同じ趣旨の語義が載っています。
そちらの例文は「You can buy flowers in the hospital gift shop.」で、病院の売店で花が買える、という内容です。
gift shop は観光地に限らず、病院や空港の売店にも使われる広い語だということです。
一方 souvenir shop は、Cambridge Dictionary に独立した見出しがありませんでした。
そこで、souvenir shop という言い方について辞書の語義を数えることはしていません。
この記事で書けるのは、souvenir 単体の語義が「旅行や特別な出来事を思い出すために自分が買うか手元に置くもの」だけだった、という事実です。
看板に Souvenirs と書いてあったら、それは観光客向けの記念品を置いている店だと読めばよいことになります。
日本語につられて起きる取り違えも、いくつか整理しておきます。
| 言いたいこと | ずれる言い方 | 通る言い方 |
|---|---|---|
| 職場に配る菓子 | souvenirs for my company | gifts for my coworkers |
| 家族へのお土産 | a souvenir for my family | a gift for my family |
| 自分用の記念品 | a present for me | a souvenir |
| 贈答用に包んでほしい | Please present wrap. | Could you gift-wrap this? |
| 小分けの袋がほしい | Small bags, please. | Could I have a few extra bags? |
いちばん多いずれは、人に配るものを souvenir と呼んでしまう形です。
辞書の語義に「人に渡す」が入っていない以上、相手は「自分用の記念品」として受け取ります。
gift に置き換えるだけで、この行き違いは消えます。
なお、渡す相手が「思い出してくれるように」という気持ちを込めたいときは keepsake が使えます。
語義が「a small present, usually not expensive, that is given to you by someone so that you will remember that person」なので、高価でない小物にぴったり合います。
出典=Cambridge Dictionary|gift shop/souvenir/keepsake
お土産の英語についてよくある質問|souvenir まわりの疑問
お土産は souvenir と gift のどちらで言えばいいですか
人に渡すなら gift、自分用なら souvenir です。
Cambridge Dictionary の souvenir の語義には「人に渡す」という要素が入っておらず、gift の語義の1番目は「a present or something that is given」で、渡されるもの全般を指しているからです。
職場に配る菓子を souvenirs と呼ぶと、自分用の記念品を大量に買った人だと受け取られます。
「これ、日本へのお土産なんです」と説明したいときは何と言いますか
I’m taking these back to Japan as gifts. と言えば伝わります。
これらを贈り物として日本へ持ち帰ります、という意味です。
この一文を言うと、包装や袋分けを店の側から提案してくれることがよくあります。
配る人数まで言うなら、They’re for my coworkers. と続けてください。
包装が有料かどうかは、どう聞けばいいですか
Is gift wrapping free? と聞くのがいちばん短い形です。
贈答用の包装は無料ですか、という意味です。
Cambridge Dictionary の gift-wrap の2番目の語義には「especially in a shop」と書かれており、店が提供するサービスとして辞書に載っています。
同じ見出しの例文には、包装に料金が設定されている例と、任意の包装サービスが用意されている例の両方が並んでいます。
つまり有料のことも無料のこともある、というのが辞書の書きぶりです。
割れ物だと伝えるのに fragile 以外の言い方はありますか
Please handle with care. という言い方があります。
取り扱いにご注意ください、という意味で、荷物の札によく印刷されている形です。
ただし店のレジでは、This is fragile. のほうが短く、そのあとに Could you wrap it well? と続けやすくなります。
空港で聞かれる側に回ったときは、breakable という語で問われることがあります。
Cambridge Dictionary の breakable の例文がそのまま「Do you have anything breakable in your bag?」という質問文になっています。
食べ物のお土産で、いちばん止められにくいのは何ですか
常温で保存できる焼き菓子です。
イギリス政府のページでは、ビスケットと、生クリームを使っていないケーキ、チョコレートと菓子類が制限なしの欄に並んでいます。
アメリカ税関国境取締局のページでも、焼き菓子と一部のチーズは持ち込める側です。
逆に、肉が入っているものと、生の果物や種子は、どちらの国でも止まる側に並んでいます。
瓶入りの液体は、機内持ち込みの量の制限に引っかかるので、預け荷物に入れる前提で買ってください。
覚えて帰る1文|お土産の英語を決めるのは souvenir ではなく動作
ここまで18語の辞書の語義と、3か国の公的ページを並べてきました。
最後に残しておきたいのは、たったこれだけです。
Could you gift-wrap this, please?
これを贈り物用に包んでいただけますか、という1文です。
この文には souvenir も present も入っていませんが、店員さんが知りたいことは全部入っています。
贈り物であること、包んでほしいこと、頼んでいるのはこちらであること、その3つです。
日本語の「お土産」を英語の名詞に置き換える作業をやめて、してほしい動作を1つ言う、それだけで会話が動きます。
袋を分けてほしくなったら、Could you put them in separate bags? を足してください。
割れ物だったら、This is fragile. を先に置いてください。
覚える文は1つ、そこに足す文が2つ、これでお土産の英語は足ります。
そして買うものを選ぶ段階では、常温で日持ちする焼き菓子か、食べ物ではない品を選んでおくと、空港で困りません。
旅の最後の売り場で立ち止まる時間が、少しでも短くなればうれしいです。
この記事で開いたページの一覧
この記事を書きながら、実際に開いて中身を読んだページだけを並べます。
| 出典 | 何を確かめたか |
|---|---|
| Cambridge Dictionary|souvenir | 英英セクションの語義が1個だけで、そこに「人に渡す」が入っていないこと |
| gift/present | 語義が6個と14個あること、1番目の語義の中身 |
| keepsake/memento | 記念品を指す2語の語義と、視点の違い |
| gift-wrap/wrap/ribbon | 包装を頼む語の語義と、店のサービスを指す用法 |
| bag/separately | 語義14個と1個、bag が動詞で使われる形 |
| fragile/breakable/bubble wrap | 壊れ物に使う語の語義と、bubble wrap が商標であること |
| perishable/receipt | 日持ちと控えに関わる語の語義 |
| gift shop/declare/quarantine | 売り場の呼び名と、税関で使う語の語義 |
| GOV.UK|Bringing food into Great Britain: Overview | 制限なしで持ち込める食品の一覧 |
| GOV.UK|Meat, dairy, fish and animal products | 肉と乳製品の禁止、はちみつ2kgと魚20kgの上限 |
| GOV.UK|Fruit, vegetables, nuts and seeds | 植物衛生証明書が要る範囲と、証明書なしで持ち込める例 |
| CBP|Prohibited and Restricted Items | 焼き菓子は可・肉製品は不可、わら細工を含む植物の申告義務 |
| TSA|Food | 固形食品と液体・ジェル状食品の扱いの違い |
| 日本税関|Procedures of Passenger Clearance | 携帯品の免税範囲と、植物・動物が検疫の対象であること |
持ち込みの決まりと店のサービスは変わることがあるので、出かける前には各国の公式ページと各店の案内で最新の情報を確かめてください。
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