カウンターの向こうで、店員さんが注文を打ち終えた手を止めて、こちらを見ます。
早口で何かを聞かれて、最後だけ語尾が上がりました。
聞き取れたのは「ヒア」と「ゴー」らしき2つの音だけで、そのあいだに何が入っていたのかが分かりません。
後ろには列ができていて、考える時間はありません。
レストランのテーブルでも、同じ形で足が止まります。
皿にまだ半分残っているのに、店員さんが皿を下げようと手を伸ばしてきます。
持って帰りたい、とだけ伝えたいのに、その1文が出てきません。
持ち帰りの英語でつまずく理由は、単語を知らないからではありません。
持ち帰りを表す英語が国ごとに違う語になっていて、そのどれを使えばいいのか決められないからです。
この記事では、Cambridge Dictionary で takeaway・takeout・take out・to go・doggy bag・carryout・eat in・leftovers・leftover・box・bag・container・wrap・parcel・pack・cutlery・utensil・napkin・straw・reheat・spare の21語を実際に引いて、語義の数をひとつずつ数えました。
あわせて、イギリス政府のレジ袋有料化の案内、イギリス政府が出している使い捨てプラスチックの禁止一覧、イギリスの食品安全当局による冷却と冷凍の手引き、イギリスの税務当局が出しているケータリングと持ち帰り食品の税の通達、そしてアメリカのFDAによる冷蔵庫の温度の案内を開いて、持ち帰りの現場で実際に何が決まっているのかを確かめています。
出典として並べたのは、この記事を書きながら実際に開けたページだけです。
開けなかったページのURLや語義の数は、1行も書いていません。
持ち帰りの英語は「To go, please.」と「Could I get a box?」の2文で足ります|先に結論
持ち帰りの場面は、大きく2つしかありません。
買うときに持ち帰ると伝える場面と、食べ残したものを包んでもらう場面です。
前者はこの1文です。
To go, please.
持ち帰りでお願いします、という意味です。
後者はこの1文です。
Could I get a box?
箱をもらえますか、という意味です。
この2文の中に、難しい単語は1つも入っていません。
日本語の「持ち帰り」を1語の名詞で訳そうとすると、takeaway と takeout と carryout のどれを選ぶかで止まります。
ところが、店先で実際に必要なのは名詞ではありません。
To go, please. のように、動きを表す短いかたまりを1つ置けば、それで伝わります。
イギリス系の国では、この to go の代わりに takeaway を使います。
Takeaway, please.
持ち帰りでお願いします、という意味です。
このあとの章では、なぜ同じ場面で語が入れ替わるのかを、辞書のどのセクションに載っているかまで数えて確かめていきます。
なぜ持ち帰りの英語で止まるのか|辞書に並ぶ takeaway の語義の数
takeaway は、日本の英語の授業ではほとんど出てこない語です。
それなのに海外の店先でいきなり出てくるので、耳が受け止められません。
Cambridge Dictionary の英英セクション(cald4)で takeaway を引くと、語義が3つ並んでいます。
その1番目は「a main message or piece of information that you learn from something you hear or read」で、見聞きしたものから学び取った要点という意味です。
この語義には mainly US という注記が付いています。
2番目が「a meal cooked and bought at a shop or restaurant but taken somewhere else, often home, to be eaten, or the shop or restaurant itself」で、店で作って買い、別の場所へ持っていって食べる食事、またはその店そのもの、という意味です。
私たちが「持ち帰り」と言いたいときの takeaway は、辞書では2番目に置かれている意味のほうです。
この2番目には UK と US の両方の注記が付いています。
3番目は「the act of taking the ball from an opponent, especially in sports such as American football」で、アメリカンフットボールなどで相手からボールを奪う行為という意味です。
こちらも mainly US の注記が付いています。
つまり takeaway という1語の中に、食べ物の話・会議の要点の話・スポーツの話という3つの世界が同居しています。
耳が止まるのは当然で、語そのものが多義だからです。
同じ見出しのビジネス英語セクション(cbed)には、名詞の語義が3つと形容詞の語義が2つ並びます。
名詞の1番目は「a shop or restaurant that cooks and sells food for people to eat somewhere else」で、よそで食べるための料理を作って売る店という意味です。
ここが日本語と大きくずれる場所です。
日本語の「持ち帰り」は行為の名前ですが、英語の takeaway は店そのものの名前にもなります。
街の看板に Chinese takeaway と書いてあれば、それは中華の持ち帰り専門店という意味です。
ビジネス英語セクションの名詞2番目には、US also takeout という注記が添えられています。
辞書が自分で「アメリカでは takeout とも言う」と書いてくれているので、2語の関係はここで確定します。
出典=Cambridge Dictionary|takeaway
takeaway・takeout・carryout・to go|4つの持ち帰りの英語を辞書で並べ直した結果
持ち帰りを表す英語は1つではありません。
Cambridge Dictionary で4つの言い方を引き比べると、載っているセクションそのものが違いました。
| 言い方 | 辞書の語義 | 載っていたセクション |
|---|---|---|
| takeaway | a meal cooked and bought at a shop or restaurant but taken somewhere else, often home, to be eaten, or the shop or restaurant itself | 英英(cald4)とビジネス英語(cbed)の両方 |
| takeout | a meal bought at a store or restaurant and taken somewhere else to be eaten | 英英(cald4)とアメリカ英語(cacd)の両方 |
| carryout | takeaway UK / a takeout | 英英(cald4)とアメリカ英語(cacd)の両方 |
| to go | If you ask for some food to go at a restaurant, you want it wrapped up so that you can take it away with you instead of eating it in the restaurant | 英英(cald4)とアメリカ英語(cacd)の両方 |
いちばん範囲が広いのは takeaway です。
食事そのものも指しますし、店そのものも指すと辞書の語義に書かれています。
takeout は、アメリカ英語セクションに独立した見出しを持っています。
そこに載っている例文は「Let’s have Chinese takeout for dinner tonight.」で、今夜の夕飯は中華の持ち帰りにしよう、という意味です。
ビジネス英語セクションの takeout は語義を持たず、US という注記とともに takeaway への矢印だけが置かれています。
辞書の中で takeout がアメリカ側の言い方として扱われていることが、この矢印ひとつで分かります。
carryout はさらに短く、英英セクションでは「takeaway UK」とだけ書かれています。
アメリカ英語セクションでは「a takeout」とだけ書かれています。
つまり carryout は、自分の語義を持たない言い換え語です。
旅行者が自分から使う必要はなく、看板で見かけたときに「持ち帰りの店だ」と分かれば十分です。
to go だけは、ほかの3つと品詞のふるまいが違います。
英英セクションの語義は「食べ物を to go で頼むと、店内で食べる代わりに包んでもらって持っていくことになる」という説明文の形をしています。
アメリカ英語セクションでは「packed or wrapped so that you can take it with you」で、持っていけるように詰められた、または包まれた、という意味になります。
to go は名詞ではなく、注文の後ろにくっつけて使う言い方だと、辞書の書き方そのものが示しています。
だからこそ、単語を1つ言うだけの To go, please. が成立します。
出典=Cambridge Dictionary|takeout/Cambridge Dictionary|carryout/Cambridge Dictionary|to go
「For here or to go?」と聞かれたときの持ち帰りの英語|3語で返す言い方
アメリカ系のカウンターで最もよく飛んでくるのが、この形の質問です。
For here or to go?
ここで召し上がりますか、それとも持ち帰りますか、という意味です。
早口になると「フォーヒオトゴー」のように1語に聞こえます。
聞き分けの手がかりは、最後に go の音が来るかどうかだけです。
持ち帰るなら、答えはこの1文です。
To go, please.
持ち帰りでお願いします、という意味です。
店内で食べるなら、こちらになります。
For here, please.
ここで食べます、という意味です。
どちらも3語で、主語も動詞も要りません。
相手が投げた選択肢の片方を、そのまま拾って返す形になっています。
英語の会話でいちばん安全なのは、相手が使った語をそのまま返す返し方です。
自分で新しい語を探しにいくと、そこで時間が消えます。
注文の途中ではなく、注文が終わった直後にこの質問が来ることが多い点も覚えておくと、心の準備ができます。
持ち帰りの英語が聞き取れなかったときに使う1文
音がまったく拾えなかったときは、聞き返す必要すらありません。
こちらから先に答えを置いてしまえば、質問の中身が何であれ話が前に進みます。
To go, please.
持ち帰りでお願いします、という意味です。
聞かれた質問が For here or to go? だったなら、この1文がそのまま正しい答えになります。
まったく別の質問だった場合でも、相手はもう一度言い直してくれます。
それでも分からないときは、この1文を足します。
Sorry, could you say that again?
すみません、もう一度言っていただけますか、という意味です。
イギリスの店で使う持ち帰りの英語|「Eat in or takeaway?」
イギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドの店では、to go がほとんど使われません。
代わりに飛んでくるのが、この形です。
Eat in or takeaway?
店内で召し上がりますか、それとも持ち帰りますか、という意味です。
答え方は、アメリカ式とまったく同じ構造になります。
Takeaway, please.
持ち帰りでお願いします、という意味です。
相手が使った語をそのまま返す、という原則をここでも使います。
Cambridge Dictionary で句動詞の take out を引くと、英英セクションに語義が6つ並んでいます。
その4番目が「to buy food in a restaurant and eat it somewhere else」で、レストランで食べ物を買ってよそで食べる、という意味です。
この語義には US と UK の両方の注記が付いています。
そして、この語義に辞書が添えている例文が「Is that to eat in or take out?」です。
それは店内ですか、それとも持ち帰りですか、という意味になります。
店先で聞かれる質問の形そのものが、辞書の例文としてそのまま載っています。
ほかの5つの語義は、歯を抜く・お金を引き出す・保険に入る・誰かを連れ出す・破壊する、といった食べ物とまったく関係のない意味です。
take out という句動詞の中で、食べ物の意味は6つのうち1つしかありません。
eat in の語義|店内で食べるとは別物
ここに、持ち帰りの英語でいちばん気づきにくいずれがあります。
Cambridge Dictionary の英英セクションで eat in を引くと、語義は1つだけです。
その語義は「to have a meal at home rather than in a restaurant」で、レストランではなく家で食事をする、という意味です。
辞書に載っている eat in は「外食せずに家で食べる」ほうの意味で、店内で食べるという意味ではありません。
それでも店頭の Eat in or takeaway? が通じるのは、この質問の中の in が「この店の中で」を指しているからです。
同じ2語が、文脈によって逆向きの場所を指しています。
だからこそ、自分から eat in と言い出すのは避けたほうが確実です。
店内で食べたいときは、先ほどの For here, please. か、この1文を使います。
I’ll have it here, please.
ここで食べます、という意味です。
出典=Cambridge Dictionary|take out/Cambridge Dictionary|eat in
店が持ち帰りかどうかを必ず確かめる理由|持ち帰りの英語の裏にある税の線引き
なぜイギリスの店は、毎回きまって店内か持ち帰りかを聞いてくるのでしょうか。
親切だから聞いているわけではありません。
イギリスの税務当局が出しているケータリングと持ち帰り食品についての通達を開くと、答えがはっきり書かれています。
そこにあるのは「You must always charge VAT at the standard rate if you make a supply of food and drink for consumption on the premises」という一文です。
店内で飲食するために提供する食べ物と飲み物には、必ず標準税率で付加価値税をかけなければならない、という意味です。
つまり店内で食べる場合、税の扱いは一律で決まっています。
ところが持ち帰りになると、扱いが2つに分かれます。
同じ通達には「Cold takeaway food and drink is zero-rated, as long as it’s not of a type that’s always standard-rated」とあります。
冷たい持ち帰りの食べ物と飲み物は、常に標準税率になる種類のものでない限り、ゼロ税率になる、という意味です。
一方で「Hot takeaway food and drink that meets certain tests set out below is standard-rated」とも書かれています。
下に示す一定の条件を満たす温かい持ち帰りの食べ物と飲み物は、標準税率になる、という意味です。
同じ商品でも、店内か持ち帰りか、温かいか冷たいかで税の扱いが変わります。
その温かさを判定するための条件も、通達の中に並んでいます。
| 通達に並ぶ条件の原文 | 意味 |
|---|---|
| been heated for the purposes of enabling it to be consumed hot | 温かい状態で食べられるように加熱してある |
| been heated to order | 注文を受けてから加熱している |
| been kept hot after being heated | 加熱したあと温かいまま保っている |
| provided to a customer in packaging that retains heat | 熱を逃がさない包装で客に渡している |
| advertised or marketed in a way that indicates that it’s supplied hot | 温かい状態で出すと分かる形で宣伝・表示している |
店員さんがこちらを見て答えを待っているのは、レジに入力する項目が変わるからです。
だから曖昧に笑ってやり過ごすことができず、必ず言葉での答えを求められます。
この背景を知っていると、質問が飛んでくるタイミングを予想できるようになります。
温かい料理を頼んだときほど、この質問は確実に来ます。
出典=GOV.UK|Catering, takeaway food (VAT Notice 709/1)
食べ残しを包んでもらう持ち帰りの英語|「Could I get a box?」
レストランで量が多すぎて食べきれない、という場面は海外では珍しくありません。
そこで使う1文が、これです。
Could I get a box?
箱をもらえますか、という意味です。
Cambridge Dictionary の英英セクションで名詞の box を引くと、語義が12個並んでいます。
その1番目は「a square or rectangular container with stiff sides and sometimes a lid」で、硬い側面と、ときには蓋を持つ四角い容器という意味です。
この1番目の語義がそのまま、持ち帰り用の容器を指します。
残りの11個は、サッカーのペナルティエリア・郵便局の私書箱・劇場のボックス席・テレビ・常緑樹の名前など、まったく別の世界の意味です。
それでもレストランのテーブルで box と言えば、1番目の意味だと相手が受け取ります。
場面が語義を絞ってくれるので、こちらが語を足して説明する必要はありません。
動詞の box を引くと、語義は2つです。
2番目は「also box up」という注記付きで「to put something in a box」となっており、何かを箱に入れる、という意味です。
この動詞を使うと、次の言い方もできます。
Could you box this up for me?
これを箱に入れてもらえますか、という意味です。
短く済ませたいなら Could I get a box? の1文で足ります。
自分で詰めるか店が詰めるかは、箱が出てきてから相手の動きを見れば分かります。
doggy bag は辞書にあるが口に出す必要なし
食べ残しの持ち帰りといえば doggy bag という語を思い出す方も多いはずです。
この語は Cambridge Dictionary にも実際に載っています。
英英セクションの語義は1つで「a small bag that a restaurant provides so that you can take home any food you have not finished」です。
食べきれなかった料理を家に持ち帰れるようにレストランが用意する小さな袋、という意味になります。
アメリカ英語セクションにも語義が1つあり、そちらは「a container that a restaurant provides so you can take home any food you have not finished」です。
同じ語なのに、イギリス側の説明は bag(袋)で、アメリカ側の説明は container(容器)になっています。
この1語の差が、そのまま現場の違いを写しています。
| 辞書のセクション | doggy bag の語義の中心になる語 | 実際に出てくるもの |
|---|---|---|
| 英英(cald4) | a small bag | 紙や薄い素材の袋 |
| アメリカ英語(cacd) | a container | 蓋付きの箱や容器 |
それでも、旅行者がこの語を自分から言う必要はありません。
語義に犬が入っている以上、もともとは犬にやる残り物という建前から生まれた言い方です。
Could I get a box? のほうが短く、誤解の余地もなく、どの国でも通じます。
doggy bag は、相手が言ってきたときに意味が分かればそれで十分な語です。
包んでもらうときの動詞|wrap と pack
箱ではなく、包んでほしいときに使う動詞も辞書で確かめておきます。
Cambridge Dictionary で動詞の wrap を引くと、英英セクションの語義は2つです。
1番目は「to cover or surround something with paper, cloth, or other material」で、紙や布などで何かを覆う、という意味です。
名詞の wrap は語義が5つあり、その1番目は「a sandwich made with one piece of very thin bread that is folded around a filling」という食べ物の名前です。
名詞で wrap と言うと、包装ではなく巻いたサンドイッチのほうに受け取られる場合があります。
動詞として使うほうが安全です。
Could you wrap this, please?
これを包んでもらえますか、という意味です。
動詞の pack は、英英セクションに語義が5つ並びます。
1番目は「to put something into a bag, box, etc.」で、何かを袋や箱に入れる、という意味です。
to go の語義にも wrapped up という表現が使われており、包むという動作が持ち帰りの中心にあることが分かります。
なお parcel という語は、英英セクションで mainly UK の注記が付き、US usually package と併記されています。
語義は「an object or collection of objects wrapped in paper, especially so that it can be sent by post」で、郵便で送るために紙で包んだもの、という意味です。
食べ物の持ち帰りには使わない語なので、店先で口に出す必要はありません。
出典=Cambridge Dictionary|box/Cambridge Dictionary|doggy bag/Cambridge Dictionary|wrap/Cambridge Dictionary|pack/Cambridge Dictionary|parcel
袋の持ち帰りの英語|イギリスで袋を有料にした政府の決まり
持ち帰りを頼んだあとに、もうひとつ小さな質問が飛んでくることがあります。
Do you need a bag?
袋は要りますか、という意味です。
日本の感覚だと、袋は黙っていても付いてくるものに思えます。
ところがイギリスでは、レジ袋を無料で渡すことが法律で禁じられています。
イギリス政府が小売業者向けに出している案内にあるのは「Retailers of any size (large, medium, small, micro and airport retailers) must charge a minimum of 10 pence for single-use carrier bags in England」という一文です。
イングランドでは、大企業から極小の店、空港の店まで規模を問わず、使い捨てのレジ袋に最低10ペンスを課さなければならない、という意味です。
この全規模への適用は2021年5月21日から始まっています。
つまり Do you need a bag? は、親切な確認ではなく料金の発生する選択肢の提示です。
袋が要るなら、この1文で足ります。
Yes, please.
はい、お願いします、という意味です。
要らないなら、こちらです。
No, thanks. I have one.
大丈夫です、持っています、という意味です。
Cambridge Dictionary の英英セクションで名詞の bag を引くと、語義が6つ並びます。
1番目は「a soft container made out of paper or thin plastic, and open at the top, used to hold foods and other goods」で、紙や薄いプラスチックでできた上が開いた柔らかい容器、食べ物や品物を入れるためのもの、という意味です。
レジで言う bag は、この1番目の意味です。
残りの語義には、目の下のたるみ・買い物サイトのカートといった、まったく別の意味が並んでいます。
揚げ物の袋だけ例外になる理由
同じイギリス政府の案内には、料金を取らなくてよい袋の一覧も載っています。
その一覧の中に、持ち帰りに直接関わる項目があります。
そこに並ぶ例外は「unwrapped food for animal or human consumption – such as chips, or food in containers that aren’t secure enough to prevent leakage during handling」です。
包装されていない人間や動物向けの食べ物、たとえばチップス(フライドポテト)や、持ち運びの途中で漏れを防げるほど頑丈でない容器に入った食べ物、という意味です。
フィッシュアンドチップスの店で袋代を取られないのは、この例外が効いているからです。
同じ通りのスーパーでは袋代を請求されるのに、持ち帰りの店では請求されないという場面が起きます。
店によって態度が違うのではなく、扱っているものが違うだけです。
袋代が発生するかどうかを英語で尋ねる必要はありません。
Do you need a bag? に答えれば、そのあとは相手が処理してくれます。
なお、従業員250人以上の大きな小売業者には、袋の販売数を年1回報告する義務も課されています。
出典=GOV.UK|Carrier bag charges: retailers’ responsibilities/Cambridge Dictionary|bag
容器とカトラリーの持ち帰りの英語|発泡スチロールの polystyrene
持ち帰りの容器そのものにも、国によって決まりがあります。
イギリス政府が出している使い捨てプラスチックの禁止に関する案内を開くと、販売や提供が禁じられている品目が並んでいます。
そこに挙がっているのは、drinks stirrers(マドラー)、balloon sticks(風船の棒)、cutlery(カトラリー)、そして food and drink containers made of expanded and extruded polystyrene です。
最後の項目は、発泡させた、または押し出し成形したポリスチレン製の食品・飲料容器、という意味です。
日本語で発泡スチロールと呼んでいるものは、英語では polystyrene です。
同じ案内には、この food and drink containers が何を指すのかという定義も置かれています。
定義は「Food and drink containers mean items used to contain food or drink that is ready to be consumed without further preparation」です。
それ以上の調理をせずそのまま食べられる食べ物や飲み物を入れるために使う品物、という意味です。
つまり、持ち帰りの容器そのものを名指しした定義になっています。
一方で、皿・ボウル・トレーには例外が設けられています。
案内では、それらが包装である場合、あらかじめ中身が入っている場合、または販売時点で中身を詰める場合には提供できます。
例として挙がっているのが「a plate filled at the counter of an establishment selling ready-to-consume food, such as a takeaway, bakery, canteen or public house」です。
持ち帰り店・ベーカリー・食堂・パブといった、そのまま食べられる食品を売る店のカウンターで中身を盛られた皿、という意味です。
持ち帰りの現場は、この例外の中に名指しで書き込まれています。
Cambridge Dictionary で container を引くと、英英セクションの語義は2つです。
1番目は「a hollow object, such as a box or a bottle, that can be used for holding something, especially to carry or store it」で、箱や瓶のような中が空洞の物体、何かを運んだり保管したりするために使うもの、という意味です。
2番目は「a very large metal box used for transporting goods」で、貨物を運ぶ巨大な金属の箱、つまり輸送用コンテナのことです。
語義が2つしかないので、店で container と言えば1番目の意味だと確実に伝わります。
カトラリー・ストロー・ナプキンを足してもらう持ち帰りの英語
持ち帰りの袋を受け取ったあとで、スプーンが入っていないことに気づく場面があります。
そのときに使う型は1つだけです。
Could I get a spoon, please?
スプーンをもらえますか、という意味です。
この spoon の場所を入れ替えるだけで、必要なものはすべて頼めます。
| 欲しいもの | 入れる語 | Cambridge Dictionary の語義 |
|---|---|---|
| ナイフ・フォーク・スプーン一式 | cutlery | knives, forks, and spoons used for eating food |
| 調理・食事の道具 | utensil | a tool with a particular use, especially in a kitchen or house |
| 紙ナプキン | napkin | a small square piece of cloth or paper, used while you are eating to protect your clothes or to clean your mouth or fingers |
| ストロー | straw | a thin tube made of plastic or waterproof paper that is used to suck liquid into the mouth |
cutlery のアメリカ英語セクションの語義には、silverware という同義語が添えられています。
アメリカの店では silverware や utensils と呼ばれることが多く、cutlery が通じないわけではありませんが、聞く側の耳にはアメリカ語のほうが自然です。
straw の英英セクションには語義が2つあり、1番目は麦わらのことです。
飲み物の管を指すのは2番目で、「also drinking straw」という注記が付いています。
心配なときは drinking straw と2語で言えば、麦わらと取り違えられません。
予備がもうひとつ欲しいときは、spare を足します。
Could I get a spare fork, please?
予備のフォークをもらえますか、という意味です。
Cambridge Dictionary で形容詞の spare を引くと、1番目の語義は「If something is spare, it is available to use because it is extra」です。
余分にあるから使える状態にある、という意味になります。
出典=GOV.UK|Single-use plastics ban: plates, bowls, trays, containers, cutlery and balloon sticks/Cambridge Dictionary|container/cutlery/utensil/napkin/straw/spare
持ち帰ったあとの時間の決まり|持ち帰りの英語と一緒に覚える2時間と48時間
箱をもらって袋に入れた時点で、英語の仕事は終わります。
ここから先は、食べ物の側の話になります。
アメリカのFDAが出している冷蔵庫の温度についての案内には、はっきりした時間の線が書かれています。
「Never allow raw meat, poultry, seafood, eggs, or produce that requires refrigeration to sit at room temperature for more than 2 hours」とあります。
冷蔵が必要な生の肉・鶏肉・魚介・卵・農産物を、室温に2時間を超えて置いてはならない、という意味です。
さらに「the limit is one hour if the air temperature is above 90 °F」と続きます。
気温が華氏90度を超えている場合、その上限は1時間になる、という意味です。
華氏90度は摂氏でおよそ32度なので、夏の街歩きの最中はほぼこの条件に入ります。
同じ案内には「Leftovers: These need to be refrigerated or frozen within 2 hours」とも書かれています。
残り物は2時間以内に冷蔵または冷凍する必要がある、という意味です。
冷蔵庫の温度についてあるのは「it’s important to keep its temperature at 40 °F or below; the freezer should be at 0 °F」という一文です。
庫内を華氏40度以下に保つことが大切で、冷凍庫は華氏0度にすべきだ、という意味です。
持ち帰った箱をホテルの部屋の机に置いたまま夜まで観光に出る、という使い方はこの線を超えます。
イギリス側の手引きでは、単位も数字も違う形で書かれています。
イギリス政府が公開している冷却・冷凍・解凍の手引きには「cool cooked food at room temperature and place in the fridge within one to two hours」とあります。
調理済みの食べ物は室温で冷まし、1〜2時間以内に冷蔵庫へ入れる、という意味です。
冷蔵庫の温度は「your fridge should be between 0 and 5°C」です。
冷蔵庫は摂氏0度から5度のあいだにすべきだ、という意味です。
保存できる日数についても「Eat leftovers within 48 hours or freeze them if you think this won’t be possible」とあります。
残り物は48時間以内に食べ、無理そうなら冷凍する、という意味です。
| 項目 | アメリカ(FDA) | イギリス(政府の手引き) |
|---|---|---|
| 室温に置いていい時間 | 2時間まで(気温が華氏90度超なら1時間) | 1〜2時間以内に冷蔵庫へ |
| 冷蔵庫の温度 | 華氏40度以下 | 摂氏0〜5度 |
| 冷凍庫の温度 | 華氏0度 | 記載を確認できず |
| 食べきる期限 | 2時間以内に冷蔵または冷凍 | 48時間以内 |
2つの政府機関が、単位も表現も違う書き方で、ほぼ同じ時間の線を引いています。
温め直しの英語|reheat
持ち帰ったものを翌日に食べるとき、英語で必要になる語は1つだけです。
Cambridge Dictionary で reheat を引くと、英英セクションの語義は1つしかありません。
「to heat cooked food again」で、調理済みの食べ物をもう一度温める、という意味です。
語義が1つしかない語は、取り違えようがありません。
ホテルのフロントで電子レンジを借りたいときは、この1文が使えます。
Is there a microwave I could use to reheat this?
これを温め直せる電子レンジはありますか、という意味です。
温め直しの回数についても、イギリス政府の手引きに1行だけ書かれています。
「you can freeze food again once cooked, but you’ll only be able to reheat it once after that」とあります。
調理したあとにもう一度冷凍することはできるが、そのあと温め直せるのは1回だけだ、という意味です。
Cambridge Dictionary で leftovers を引くと、語義は「food remaining after a meal」で、食事のあとに残った食べ物という意味です。
この語義に添えられた例文のひとつが「I often give my guests leftovers to take home with them.」です。
客に残り物を持ち帰らせることがよくある、という意味になります。
形容詞の leftover は「A leftover part of something is the part that has not been used or eaten when the other parts have been」で、ほかが使われたり食べられたりしたあとに残っている部分、という意味です。
持ち帰りの会話では、残り物を指す語として leftovers が最も自然に通じます。
出典=FDA|Refrigerator Thermometers: Cold Facts about Food Safety/GOV.UK|How to chill, freeze and defrost food safely/Cambridge Dictionary|reheat/leftovers/leftover
店員が言ってくる持ち帰りの英語と、返し方の型
こちらが言う文より、相手が言ってくる文のほうが数は多くなります。
ただし、持ち帰りの場面で飛んでくる文はほぼ決まっています。
| 相手が言ってくる英語 | 意味 | 返し方 |
|---|---|---|
| For here or to go? | 店内ですか、持ち帰りですか | To go, please. |
| Eat in or takeaway? | 店内ですか、持ち帰りですか | Takeaway, please. |
| Is that everything? | ご注文は以上ですか | Yes, that’s it. |
| Do you need a bag? | 袋は要りますか | Yes, please. / No, thanks. |
| Do you need utensils? | カトラリーは要りますか | Yes, please. |
| Would you like a box for that? | それを箱に入れましょうか | Yes, please. |
| Any sauces with that? | ソースは付けますか | No, thanks. |
表の右端を見ると、返し方は Yes, please. と No, thanks. の2つにほとんど集約されています。
聞き取れた単語が1つもなくても、語尾が上がっていれば Yes か No のどちらかを返せば話は進みます。
英語を聞き取る力ではなく、選択肢が2つしかないという構造を知っているかどうかで結果が変わります。
最初に自分から To go, please. と言っておくと、この質問の半分は消えます。
相手が聞く前に答えてしまえば、聞き取りの機会そのものが発生しません。
やらないほうがいい持ち帰りの英語
日本語から直訳した文は、店先では長すぎて負けます。
たとえば、持ち帰りにしたいのですがという日本語をそのまま組み立てようとすると、主語と動詞を探すところで止まります。
I would like to take this food to my hotel and eat it there. のような長い文は、作れても言い切る前に相手が先へ進んでしまいます。
また、Take away. と命令形だけで言い切るのも避けたほうが無難です。
Takeaway, please. のように please を1語足すだけで、依頼の形になります。
doggy bag を自分から切り出すのも、遠回りになりやすい言い方です。
Could I get a box? のほうが短く、辞書の語義どおりに容器そのものを指しています。
最後に、持ち帰りの可否をその場で議論しようとしないことです。
できない店では、箱そのものが出てきません。
その場合は No problem. と1言返して切り上げるほうが、双方にとって早く済みます。
持ち帰りの英語についてよくある質問
takeaway と takeout はどちらを使えばいいですか
その場の店が使っている語を、そのまま返すのが最も確実です。
Cambridge Dictionary のビジネス英語セクションでは、takeaway の語義に US also takeout という注記が付いています。
同じセクションの takeout には語義がなく、US という注記と takeaway への矢印だけが置かれています。
辞書の側が2語を同じものとして扱っているので、取り違えても意味は通じます。
迷ったときは、どちらの国でも通じる To go, please. を使えば解決します。
オーストラリアでは持ち帰りを何と言いますか
Cambridge Dictionary の英英セクションで、takeaway の食事を指す語義には UK と US の両方の注記が付いています。
一方 takeout のアメリカ英語セクションには、独立した見出しと例文が置かれています。
辞書が示しているのは、takeaway がイギリス式の言い方として登録されているという事実までです。
オーストラリアやニュージーランドは英語の綴りや語彙がイギリス式に近い地域なので、看板や店頭では takeaway が使われます。
ただし、この地域別の使い分けそのものは今回開いた辞書のページには書かれていないため、断定はしません。
どの国でも doggy bag は通じますか
Cambridge Dictionary には、英英セクションとアメリカ英語セクションの両方に doggy bag の語義が載っています。
英英セクションは「a small bag」、アメリカ英語セクションは「a container」という書き方の違いがあります。
語としては両方の辞書に登録されているので、意味が通じないということはありません。
それでも、Could I get a box? のほうが短く、店員さんが次にする動作もはっきりします。
自分から言う語としては box を、聞いて分かればいい語としては doggy bag を覚えておく形が実用的です。
持ち帰りを断られることはありますか
あります。
ビュッフェ形式の店や、衛生上の理由で持ち出しを認めていない店では、箱が出てきません。
今回開いた資料の中でも、イギリス政府の使い捨てプラスチックの案内には、店が提供できる容器の種類そのものに制限がかかっていることが書かれています。
容器が出せない理由が店の都合ではなく制度の側にある場合があるので、断られても押し返さないほうが早く済みます。
その場では No problem, thanks. と返して終えるのが穏当です。
自分の容器を持っていってもいいですか
聞いてみる価値はあります。
その場合はこの1文が使えます。
Can I use my own container?
自分の容器を使ってもいいですか、という意味です。
Cambridge Dictionary の container の1番目の語義は、何かを運んだり保管したりするために使う中空の物体です。
この語義のとおりなので、水筒でも保存容器でも container の1語で指せます。
受け入れるかどうかは店の判断になるので、答えが No でも引き下がるのが前提です。
この2文だけ覚えて帰ってください|持ち帰りの英語の最後の確認
この記事で数えたことを全部忘れても、この2文だけは持って帰ってください。
To go, please.
Could I get a box?
前者は買うときに持ち帰ると伝える文で、後者は食べ残しを包んでもらう文です。
この2文が言えれば、持ち帰りの場面で起きることの大半は片づきます。
理由は3つあります。
1つめは、どちらも相手に選択肢を返しているだけなので、聞き取りの負担が小さいことです。
2つめは、takeaway と takeout のどちらの国でも、この2文がそのまま使えることです。
3つめは、辞書の語義がこの2文の中の語をそのまま支えていることです。
to go の語義には、店内で食べる代わりに包んでもらって持っていくという説明が書かれています。
box の1番目の語義には、硬い側面と蓋を持つ容器という説明が書かれています。
どちらも、私たちが持ち帰りでやりたいことと1対1で対応しています。
この記事で開いたページの一覧
| 開いたページ | そのページで確かめたこと |
|---|---|
| Cambridge Dictionary|takeaway | 英英セクションの語義3個と、UK・US の注記の位置 |
| Cambridge Dictionary|takeout | アメリカ英語セクションの語義と、ビジネス英語での takeaway への矢印 |
| take out/carryout | 句動詞の語義6個と、食べ物の語義が4番目にあること |
| to go/eat in | to go の語義の形と、eat in が家で食べる意味であること |
| doggy bag | 英英が bag、アメリカ英語が container と書き分けていること |
| box/bag/container | 名詞の語義の数(12個・6個・2個)と、1番目の語義の中身 |
| wrap/pack/parcel | 包む動詞の語義と、parcel が郵便物側の語であること |
| leftovers/leftover/reheat | 残り物の語義と、持ち帰らせる例文が載っていること |
| cutlery/utensil/napkin/straw/spare | 付属品を頼むときに使う語の語義と、silverware の併記 |
| GOV.UK|Carrier bag charges: retailers’ responsibilities | 10ペンスの最低額と、揚げ物など包装されていない食品の袋が例外になること |
| GOV.UK|Single-use plastics ban | 禁止されている品目と、持ち帰り店のカウンターが例外に名指しされていること |
| GOV.UK|Catering, takeaway food (VAT Notice 709/1) | 店内と持ち帰りで税の扱いが変わることと、温かい食品を判定する5つの条件 |
| GOV.UK|How to chill, freeze and defrost food safely | 1〜2時間以内に冷蔵、摂氏0〜5度、48時間以内、温め直しは1回 |
| FDA|Refrigerator Thermometers: Cold Facts about Food Safety | 室温2時間の上限、華氏90度超なら1時間、冷蔵庫は華氏40度以下 |
袋の料金や容器の決まりは変わることがあるので、出かける前には各国政府の公式ページで最新の情報を確かめてください。
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