登山の英語で最初に口が止まるのは、登山口に立てられた案内板に hike と climb と trail と summit が同時に並んでいる場面です。
日本語なら「登山」の一語で済みます。
高尾山に登るのも登山、ヒマラヤに行くのも登山、近所の裏山を歩くのも登山です。
ところが英語の案内板には、その一語に対応する語が見当たりません。
Hiking Trails と書いてある矢印の隣に、Climbing Route と書いてある矢印があります。
その下に Summit 3.2 miles とだけ書いてある板が刺してあります。
どれが自分の行きたい方向なのか分かりません。
受付らしい小屋には Permits Required と紙が貼ってあります。
許可が要るのかもしれないと思って覗くと、誰もいません。
日本の山では見たことのない仕組みなので、何を申請するのかも分かりません。
歩き始めてからも同じことが続きます。
木に貼られたオレンジの三角を追っていたのに、途中で三角が消えます。
代わりに石が小さく積まれているだけの場所に出ます。
道を譲ってくれた人が Are you going up or down? と声をかけてくれます。
上りか下りかを聞かれているのに、とりあえず Yes と答えてしまいます。
下山してから地図を読み返して、自分が歩いたのは trail ではなく route と書かれた線だったことに気づきます。
つまずく理由は単語を知らないからではありません。
日本語の「登山」が、英語では歩き方の激しさで最低4つに割れているからです。
そして割れ目の位置は、辞書ではなく各国の公的な区分表が決めています。
この記事では Cambridge Dictionary で57語を引き、見出し語があった55語の語義を1個ずつ数えました。
合計は369個でした。
残る2語は bridleway と waymark で、どちらも見出し語そのものがありませんでした。
そのうえで、米国立公園局のヨセミテ国立公園の原生地域許可証のページ、同じヨセミテのハーフドーム許可証のページ、同局のグランド・キャニオン国立公園の日帰り登山のページ、同park の夏の登山(Hike Smart)のページ、同park の原生地域許可証のページ、英国 GOV.UK の通行権の入口ページ、その中の公共通行権のページ、自由に歩ける土地のページ、英 National Trails の一覧、ニュージーランド保全省のトラック区分のページ、同省のミルフォード・トラックのページ、そして米NISTの換算係数表という12の原文を読みました。
出典として並べたのは、この記事を書きながら実際に開けたページだけです。
開けなかったページの内容は一文字も書いていません。
なお、この記事は装備や体調の助言をする記事ではありません。
公的なページに書いてあった文と数字を、そのまま置いていきます。
登山の英語は「Is this the trail to the summit?」の1文|hikeとclimbより先に結論
結論から書きます。
Is this the trail to the summit?
これが頂上への道ですか、という意味です。
登山口で、分岐で、すれ違った人に対して、この一文をそのまま使えます。
道は trail、頂上は summitの2語です。
この2語だけで、山の中で聞きたいことのほとんどを組み立てられます。
行き先を変えたいなら summit を別の名詞に差し替えるだけで済みます。
Is this the trail to the lake?
これが湖への道ですか、という意味です。
道そのものが分からないときは、動詞を使わずに名詞だけでも通ります。
Trailhead, please?
登山口はどこですか、という意味になります。
許可証が必要かどうかを確かめたいときは、名詞を permit にします。
Do I need a permit for this trail?
この道には許可証が必要ですか、という意味です。
往復にかかる時間を知りたいときは、round trip を足します。
How long is it round trip?
往復でどのくらいかかりますか、という意味です。
この4文のうちどれを使っても、相手は同じ枠組みで理解します。
覚えるのが1つだけなら、いちばん上の Is this the trail to the summit? にしてください。
理由は3つあります。
ひとつめは、trail が「山の中の道」をあらわす語として、米英NZの公的な文書すべてに出てくることです。
ふたつめは、Is this 〜? の型が分岐でも駐車場でも小屋でも同じ形で使い回せることです。
みっつめは、hike と climb のどちらを使うか迷う必要がなくなることです。
hikeとclimbを使わずに聞くのが、いちばん事故が少ない形です。
なぜそう言えるのかを、ここから辞書の語義の数と公的な区分表でほどいていきます。
登山の英語でhikeと言い切れない理由|Cambridgeが並べるhikeの語義10個の内訳
Cambridge Dictionary で hike を引くと、語義が10個並びます。
内訳は、英英の学習者辞典に4個、米語の辞典に4個、ビジネス英語の辞典に2個です。
英英の学習者辞典の1個目は「a long walk, especially in the countryside」でした。
田舎での長い歩き、という説明です。
山という語はここに入っていません。
2個目は「an increase in the cost of something, especially a large or unwanted increase」です。
値上げ、という意味になります。
例文は hike in The recent hike in train fares came as a shock to commuters. でした。
電車の運賃の値上げが通勤客に衝撃を与えた、という文です。
3個目が動詞の「to go for a long walk in the countryside」で、4個目が動詞の「to increase the cost of something」です。
つまり英英側では、歩く意味と値上げの意味が2個ずつで釣り合っています。
米語の辞典の側も同じ構成で、歩く意味が2個、値上げの意味が2個です。
米語側の例文には a 10-mile hike が載っていました。
10マイルの歩き、という言い方です。
ビジネス英語の辞典に入っている2個は、どちらも値上げの意味だけです。
例文も a price/rate/tax hike と pay/wage hike でした。
辞書の10個のうち、歩く意味は4個で、残る6個は値段の話です。
だから hike だけを単独で言うと、文脈がないかぎり山の話に着地しません。
ここで名詞の hiking を引くと、語義は1個だけでした。
「the activity of going for long walks in the countryside」です。
田舎での長い歩きという活動、という説明で、値上げの意味は入りません。
例文に The hiking trail to the falls will be improved and new trails are being developed. が載っています。
滝への hiking trail が整備され、新しい trail が作られている、という文です。
この例文が示すのは、hiking が trail という名詞の前に置かれる形容詞のように働くことです。
hiker も引きました。
語義は2個で、英英側が「a person who goes for a long walk in the countryside」、米語側が「a person who goes for long walks, esp. in the countryside」です。
英英側の例文は On sunny days the trails are full of hikers. でした。
晴れた日には trail が hiker でいっぱいになる、という文です。
つまり自分を名乗るときは hiker で足ります。
語義が1個しかない hiking と hiker のほうが、語義が10個ある hike より誤解が起きにくい語です。
看板や地図で hiking と書かれていたら、それは歩く道のことだと読んでかまいません。
登山の英語をhike・trek・climb・walk・scrambleで並べ直したときの語義の数の差
日本語の「登山」に当たりそうな動詞を5つ引いて、語義の数を並べました。
hike が10個、trek が4個、climb が16個、walk が25個、scramble が16個です。
いちばん少ないのは trek でした。
英英側の3個は「to walk a long distance, usually over land such as hills, mountains, or forests」から始まります。
丘や山や森のような土地の上を、長い距離歩く、という説明です。
mountains という語が定義文の中に入っているのは trek だけでした。
2個目は名詞の「a long walk over land such as hills, mountains, or forests」です。
3個目は「a walk that is long and difficult or makes you feel very tired」でした。
長くてつらい、あるいはとても疲れる歩き、という意味です。
例文に We did an eight-hour trek yesterday. が載っています。
8時間の trek をやった、という文です。
米語側の1個は「to walk a long way or with some difficulty」で、こちらは山に限りません。
trekking も引くと、語義は1個だけでした。
「the activity of walking long distances on foot for pleasure」で、例文が We want to go trekking in the Himalayas. です。
ヒマラヤに trekking に行きたい、という文です。
次に climb を見ます。
語義は16個で、英英側に8個、米語側に4個、ビジネス英語側に4個あります。
英英側の1個目は「to go up, or to go towards the top of something」でした。
上へ行く、あるいは何かの頂上へ向かう、という広い説明です。
2個目が「to use your legs, or your legs and hands, to go up or onto the top of something」です。
脚だけ、あるいは脚と手を使って、何かの上に行く、という意味です。
例文に to climb the stairs/mountain が並んでいます。
階段と山が同じ枠に入っているのが、この語の広さです。
3個目は「If a price, number, or amount climbs, it increases」で、値段が上がる意味です。
ビジネス英語側の4個は、すべて値段か出世の話でした。
例文も climb the housing/promotion/corporate ladder でした。
つまり climb も hike と同じで、山以外の意味を大量に抱えています。
それでも climb が hike と決定的に違うのは、定義文に手が出てくるところです。
定義文そのものに手(hands)が出てくる語は、5語のうち climb と scramble だけでした。
scramble の語義は16個で、英英側に12個、米語側に4個あります。
英英側の1個目が「to move or climb quickly but with difficulty, often using your hands to help you」です。
手を使って助けながら、速く、しかし苦労して動くか登る、という説明です。
例文は scramble up She scrambled up the steep hillside and over the rocks. でした。
急な斜面を登って岩を越えた、という文です。
名詞の語義に「a climb that is difficult so that you have to use your hands to help you」があります。
手を使わないと進めないほど難しい登り、という説明です。
残りの語義は卵料理や無線信号や航空機の緊急発進の話で、山とは関係がありません。
最後に walk を見ると、語義は25個で5語のうち最多でした。
英英側に15個、米語側に4個、ビジネス英語側に6個です。
1個目は「to move along by putting one foot in front of the other, allowing each foot to touch the ground before lifting the next」です。
片足を前に出し、次の足を上げる前に地面につける、という動作そのものの説明です。
名詞の語義には「a path or route where people can walk for enjoyment」も入っています。
楽しみのために歩ける道、という意味で、これが英国の看板で walk が道の名前になる理由です。
ここまでを1行でまとめます。
手を使わずに長く歩くのが hike と trek、手を使って上がるのが climb と scramble、動作そのものが walk です。
ramble も引きました。
語義は6個で、英英側の1個目が「to walk for pleasure, especially in the countryside」でした。
楽しみのために田舎を歩く、という意味で、英国の看板や地元の会話で見かける語です。
同じ語に「to talk or write in a confused way, often for a long time」という語義もあります。
話が長く散らかる、という意味なので、歩く話と混ざらないように前後の語で判断します。
mountaineering は語義が1個だけで、「the sport or activity of climbing mountains」でした。
山に登るスポーツや活動、という説明です。
backpacking は2個で、2個目が「the activity of walking from place to place in the countryside, carrying the things you need in a backpack and camping at night」です。
荷物を背負って歩き、夜は野営する、という意味になります。
日本語の「縦走」に近いのは、この backpacking でした。
登山の英語で道を指す4語|trail・path・footpath・routeの語義の数
歩き方の語の次は、歩く場所の語です。
看板に出てくる道の語を4つ引いて、語義の数を並べました。
trail が20個、path が5個、footpath が2個、route が13個です。
trail の20個は、英英の学習者辞典に8個、米語の辞典に4個、ビジネス英語の辞典に8個という内訳でした。
英英側の1個目が「a path through a countryside, mountain, or forest area, often made or used for a particular purpose」です。
田舎や山や森を通る道で、ある目的のために作られたり使われたりすることが多いもの、という説明になります。
mountain という語が定義文に入っているのは、この4語のうち trail だけです。
2個目からは「においや足あとの連なり」「人を探すときの手がかり」という意味に変わります。
ビジネス英語側の8個は、競争で負けている・発売前に宣伝する・あとから起きる、といった意味ばかりでした。
語義が20個もあるのに、山の道を指すのは最初の1個だけです。
それでも山の中では trail で通じます。
理由は、周りが山だという文脈が語義を1個に絞りこむからです。
path は語義5個で、英英側の1個目が「a route or track between one place and another, or the direction in which something is moving」でした。
ある場所と別の場所をつなぐ道すじ、という説明です。
例文には a garden path と a concrete path が並んでいます。
庭の小道とコンクリートの小道なので、山より街に寄った語だと分かります。
path to This is the path to the cliffs. という例文もありました。
崖への道です、という文で、この形なら Is this the path to the summit? とも言えます。
footpath は語義が2個しかありません。
英英側の1個が「a path, especially in the countryside, for walking on」です。
田舎の、歩くための道、という意味になります。
例文が public footpath A public footpath is, as you might expect, a path that can be used only by walkers and runners. でした。
public footpath は歩く人と走る人だけが使える道だ、という文です。
この1文が、後で出てくる英国の通行権の話とそのままつながります。
もう1つの例文は keep to a footpath Please keep to the footpath and keep your dog on a lead. です。
道から外れないで、犬はリードにつないでください、という文になります。
route は語義13個で、英英側に6個、米語側に2個、ビジネス英語側に5個あります。
英英側の1個目が「a particular way or direction between places」でした。
場所と場所のあいだの、ある特定の行き方や方向、という説明です。
4個目に「in the US, used as part of the name of numbered roads」が入っています。
米国では番号付きの道路の名前の一部に使う、という意味です。
つまり route は、山でも街でも「線」をあらわす語で、整備されているかどうかには触れません。
ここが trail との分かれ目になります。
trail は「作られた道」、route は「たどる線」です。
地図に route とだけ書いてある線は、踏み跡が無いことがあります。
最後に loop も引きました。
語義は13個で、英英側に9個、米語側に1個、ビジネス英語側に3個です。
1個目が「the curved shape made when something long and thin, such as a piece of string, bends until one part of it nearly touches or crosses another part of it」でした。
ひもが曲がって両端が近づいた形、という説明です。
残りは飛行機の宙返り、フィギュアスケートの図形、音楽の繰り返し、プログラムの繰り返しでした。
13個のどこにも、山の周回コースという意味はありません。
それでも米国の国立公園の地図には loop trail が並びます。
辞書に載っていない使い方が現場で標準になっている、という例です。
登山の英語で案内板に出る語|trailhead・switchback・scree・cairnの1個だけの語義
看板と地図にだけ出てくる語を引くと、語義がきれいに1個になります。
trailhead が1個、switchback が1個、scree が1個、cairn が1個、stile が1個、crampon が1個でした。
語義が1個の語は、意味を取り違えようがありません。
trailhead の説明は「the place where a trail (= a path through a countryside, mountain, or forest area) starts」です。
trail が始まる場所、という意味で、日本語の「登山口」にそのまま当たります。
例文が Parking at the trailhead is limited. でした。
登山口の駐車は限られている、という文です。
もう1つの例文が You’ll pass the trail head to Brokeoff Mountain, a six-mile round-trip hike through wildflowers. です。
往復6マイルの hike という言い方が、ここで round-trip と一緒に出てきます。
switchback は「a path, road, or railway that forms very sharp bends from one direction to almost the opposite direction as it goes up and down steep slopes」でした。
急斜面を上り下りするときに、ほぼ逆向きまで折り返す道、という説明です。
日本語の「つづら折り」に当たります。
案内板に switchbacks とあれば、距離のわりに時間がかかる区間だと読めます。
scree は「large, loose broken stones on the side of a mountain, or an area covered with stones like this」です。
山の斜面にある、大きくて固定されていない砕けた石、という意味になります。
日本語の「ガレ場」です。
cairn は「a small pile of stones made, especially on mountains, to mark a place or as a memorial」でした。
場所の目印として、あるいは記念として積まれた小さな石の山、という説明です。
日本語の「ケルン」で、道しるべが石だけになる場面の正体がこれです。
stile は「a set of usually two steps that you climb over in order to cross a fence or a wall, especially between fields」です。
柵や壁を越えるための、たいてい2段の踏み段、という意味になります。
英国の農地を横切る道で必ず出てくる設備です。
crampon は「a metal frame with sharp points that is attached to the bottom of a boot to make walking on ice or snow easier」でした。
靴底に付ける、とがった金属の枠、という説明です。
ここから先は語義が増えていきます。
ridge は5個で、英英側の1個目が「a long, narrow raised part of a surface, especially a high edge along a mountain」です。
例文が We walked along the narrow mountain ridge. でした。
狭い尾根を歩いた、という文です。
2個目は屋根の棟のことで、3個目は天気図の高気圧の張り出しでした。
gorge は5個で、1個目が「a deep, narrow valley with steep sides, usually formed by a river or stream cutting through hard rock」です。
川が硬い岩を削ってできた、深くて狭い谷、という意味になります。
同じ語に「食べ過ぎる」という語義もあるので、料理の話と混ざらないように前後で判断します。
ford は3個で、1個目が「an area in a river or stream that is not deep and can be crossed on foot or in a vehicle」でした。
歩いてでも車でも渡れる、深くない場所、という意味です。
地図に ford とあれば、橋が無い渡渉点だと読めます。
lookout は8個で、英英側の2個目が「a high place where a person can look at what is happening in the area around them, especially in order to watch for any danger」です。
1個目は「見張りをする人」なので、人と場所の両方に使われます。
viewpoint は3個で、英英側の1個目が「a place from where a person can look at something, especially at an area of natural beauty」でした。
例文が The viewpoint by the side of the road gave us a stunning panorama of the whole valley. です。
道ばたの展望所から谷全体が見渡せた、という文になります。
boulder は2個で、英英側が「a very large rock」、米語側が「a large, rounded rock that has been smoothed by the action of the weather or water」でした。
saddle も引きましたが、語義10個のどれも自転車のサドル・馬の鞍・肉の部位・支配する立場の話で、山の鞍部という意味はありませんでした。
地図の saddle は、辞書に載っていない現場語だと分かります。
米国立公園の登山の英語|ヨセミテとグランド・キャニオンの許可証の実額
語義の話はここまでにして、公的なページに出ている数字を見ます。
permit の語義は8個で、英英側の3個目が「an official document that allows you to do something or go somewhere」でした。
何かをする、あるいはどこかへ行くことを許す公的な文書、という意味になります。
日本の山では聞き慣れない仕組みですが、米国の国立公園では歩く前に取るものです。
米国立公園局のヨセミテ国立公園のページには、A wilderness permit is required year-round for backpacking, overnight climbing, or any other overnight stay in the Yosemite Wilderness. とあります。
泊まりを伴う歩きには、一年じゅう wilderness permit が要る、という決まりです。
wilderness の語義は4個で、英英側の1個目が「an area of land that has not been used to grow crops or had towns and roads built on it」でした。
耕されてもいないし、町も道も作られていない土地、という説明です。
ヨセミテの許可証は、60パーセントが24週間前から予約でき、残る40パーセントが出発の7日前から取れます。
抽選のあとに余った枠は、申込期間が閉じた次の金曜から出て、出発の3日前まで取れます。
窓口で取る場合は wilderness center へ行くことになり、All wilderness centers operate from 8 am to 5 pm. と決まっています。
4月下旬から10月中旬は、この営業時間の中で受け取る形です。
10月下旬から4月中旬は、出発の前日か当日に取れます。
ハーフドームの10ドルと300人
同じヨセミテでも、ハーフドームだけは別の許可証になります。
料金は2段構えで、The first fee, which is charged at the time you submit an application, is $10 です。
申し込んだ時点で10ドルかかり、これは戻りません。
2つ目は The second fee is $10 per person and is charged only when you receive a permit で、当たったときだけ1人10ドルです。
4人で申し込んで全員が当たると、10ドル+10ドル×4人で50ドルになります。
1日に登れる人数は A maximum of 300 hikers are allowed (about 225 day hikers and 75 backpackers) each day と決まっています。
300人の内訳は日帰りが約225人、泊まりが75人です。
事前抽選の申込期間は from March 1 through March 31 (eastern time) で、結果は4月中旬にメールで届きます。
当日近くの抽選もあり、こちらは登る2日前の The application period is from midnight to 4 pm Pacific time です。
ケーブルが張られる期間も日付で決まっています。
始まりが the Friday before the last Monday in May (Memorial Day) で、終わりが the day after the second Monday in October です。
5月の最終月曜の前の金曜から、10月の第2月曜の翌日まで、という読み方になります。
グランド・キャニオンの15ドルと4ドル
グランド・キャニオン国立公園は、日帰りと泊まりで扱いが分かれます。
日帰りについては Permits are not required for noncommercial day hikes. で、営利目的でなければ許可証は要りません。
泊まりは backcountry permit が要り、料金は $10 per permit or lottery application plus a nightly charge of $15 per person for all below rim areas and $4 per person for all above rim areas です。
許可証または抽選の申込みが1件10ドル、そこに1泊1人あたり縁の下は15ドル、縁の上は4ドルが乗ります。
2人で2泊、場所が縁の下なら、10ドル+15ドル×2人×2泊で70ドルです。
抽選は早期アクセス方式で、up to 750 applicants will be awarded a date and time と決まっています。
当たった750人までが先に予約画面へ入れる、という仕組みです。
許可証は持っているだけでは足りません。
Once a camp is established, the permit must be attached to a pack, tent, or other equipment in plain view so it can be easily checked by rangers. と決まっています。
テントを張ったら、許可証をザックやテントの見える場所に付ける、という運用です。
歩き方についても、同park は強い文を1つ置いています。
Do not attempt to hike from the rim to the river and back in one day, especially between May and September(グランド・キャニオン国立公園 公式サイトの Day Hiking ページより)
縁から川まで下りて1日で戻ろうとしないこと、という指示です。
同じページには More than 300 people are rescued from the canyon each year. と WARNING: There are no easy trails into or out of the Grand Canyon! も並んでいます。
夏の登山のページには、Daytime summer temperatures in the inner canyon can exceed 110°F (43°C) とあります。
日中の10時から16時に歩くことは strongly discouraged とされています。
同じページの When hiking in the inner canyon, self-rescue is required という一文が、この公園の前提を言い切っています。
こうした公的な案内を現地で日本語に直してもらいたいときは、案内所やツアー会社の窓口が近道です。
申し込みから集合までに窓口で交わす言い方は、現地ツアーの英語を申し込みと集合の順に並べた記事で読めます。↓

登山口までの足も、公園によってはバスに限られます。
グランド・キャニオンの South Kaibab Trail は Access to the trailhead is by shuttle bus (Kaibab Trail Route). で、登山口へは送迎バスで入ります。
その送迎バスの乗り場で使う言い方は、シャトルバスの英語を空港とホテルの無料送迎で組み直した記事で読めます。↓

英国の登山の英語|通行権が4種類に割れる線引き
英国は許可証ではなく、道の側に権利が付いています。
right of way の語義は5個で、英英側の2個目が「a path or road over private land that people are legally allowed to walk along」でした。
私有地の上を通る道で、法律上そこを歩いてよいもの、という意味になります。
GOV.UK の入口ページは、歩ける場所を use public roads and pavements or public rights of way, for example footpaths or bridleways と説明しています。
footpath の語義は2個しかありませんでしたが、bridleway は Cambridge Dictionary に見出し語そのものがありませんでした。
英国の看板の語が、学習者用の辞書には載っていません。
だから現地の看板は、辞書ではなく政府のページで読むことになります。
矢印の色で分かれる4つの道
GOV.UK は通行権を4つに分けています。
Footpaths は for walking, running, mobility scooters or powered wheelchairs です。
歩く人、走る人、電動の車いすや電動スクーターまで、という範囲になります。
Bridleways は for walking, horse riding, bicycles, mobility scooters or powered wheelchairs で、馬と自転車が加わります。
Restricted byways は for any transport without a motor and mobility scooters or powered wheelchairs で、原動機の無い乗り物すべてが通れます。
Byways open to all traffic は for any kind of transport, including cars で、車まで入れます。
この4つ目には but they’re mainly used by walkers, cyclists and horse riders という但し書きが付きます。
見分け方は色で、Public rights of way are marked with signs or coloured arrows, for example yellow for footpaths, blue for bridleways. です。
黄色い矢印なら歩く道、青い矢印なら馬も通る道、と読めます。
英国の長距離路の総元締めが National Trails で、There are 20 National Trails across the UK. と公表しています。
全体の長さは covering over 6000 miles of rural, urban and coastal environments across the UK です。
6000マイルをキロに直すと9656キロを超えます。
歩ける土地でできないこと
英国にはもう1つ、道ではなく面で歩ける仕組みがあります。
open access land と呼ばれ、Access land includes mountains, moors, heaths and downs that are privately owned. と定義されています。
私有地であっても、山・荒れ地・ヒース・なだらかな丘は歩ける、という扱いです。
これに common land registered with the local council と、海岸歩道の周りの一部の土地が加わります。
できることは You can use access land for walking, running, watching wildlife and climbing. の4つです。
歩く、走る、野生動物を見る、登る、で終わりになります。
できないことは6つ並んでいて、horse-riding, cycling, camping, taking animals other than dogs on to the land, driving a vehicle (except mobility scooters and powered wheelchairs), water sports です。
乗馬・自転車・キャンプ・犬以外の動物の持ち込み・車の運転・水上スポーツが外れます。
日本の山の感覚で言うと、テントを張れないことが最も大きな違いです。
犬については日付まで決まっています。
You must keep your dog on a lead no more than 2 metres long on open access land: between 1 March and 31 July が原文です。
3月1日から7月31日までは、2メートル以下のリードにつなぐ決まりになります。
理由は to protect ground-nesting birds で、地面に巣を作る鳥を守るためです。
家畜のまわりでは at all times around livestock と、期間に関係なくリードが要ります。
ニュージーランドの登山の英語|DOCが6段に分けたトラック区分
ニュージーランドは、道そのものに難易度の等級を付けています。
保全省(Department of Conservation)は歩く道を track と呼び、6段階に分けています。
この国では tramping が「山を歩くこと」の標準語で、trekking はほとんど使われません。
trekking の語義はCambridgeで1個だけ、「the activity of walking long distances on foot for pleasure」でした。
6段の名前と対象になる人
いちばん易しい Wheelchair-accessible short walk は Easy walking for up to an hour. で、対象が People of all abilities, wheelchairs and baby buggies. です。
道の状態は Track is well formed, with an even surface. There are no steps or steep sections. で、段差も急斜面もありません。
次の Easy short walk も1時間までで、対象が People of most ages and fitness levels. に変わり、There may be steps. と段差が入ります。
Easy to intermediate walking track は Walking for up to a day. で、対象が People with moderate fitness and basic outdoor skills/experience. です。
ここから道標が出てきて、clearly marked where necessary with orange triangles と書かれます。
オレンジの三角がニュージーランドの道しるべです。
Intermediate tramping track は Day or multi-day tramping/hiking. で、対象に backcountry (remote area) skills が加わります。
Advanced tramping track は Challenging day or multi-day tramping/hiking. で、道は Track is mostly unformed and may be rough and steep. です。
いちばん上の Expert route は、対象が People with high-level fitness and backcountry (remote area) skills and experience. になります。
道の状態は Unformed route with a natural surface. May be rough, muddy and very steep. で、道標も Marking is usually less clear on a route than on a tramping track. です。
6段のうち、道が形として作られているのは上から4段目までになります。
moderate という語はCambridgeで語義16個もありますが、ここでは「中くらいの体力」という1個の意味で使われています。
ミルフォードの53.5kmと宿泊費
ミルフォード・トラックは、この6段のうち Intermediate tramping track に置かれています。
長さは 53.5 km one way で、日数は 4 days です。
歩ける向きは1つだけで、The Milford Track can only be walked in one direction over 3 nights and 4 days. と決まっています。
日ごとの距離は5キロ、17.5キロ、13キロ、18キロで、足すとちょうど53.5キロになります。
泊まるのは3つの hut で、hut の語義はCambridgeで3個、英英側の1個目が「a small, simple building, usually consisting of one room」でした。
小屋はどれも40 bunk beds で、Camping is not permitted on the Milford Track. とテントは禁止です。
宿泊費は季節と国籍で変わり、1 November – 30 April は大人がニュージーランド在住で106ニュージーランドドル、海外からだと152ニュージーランドドルです。
子ども(5歳から17歳)は同じ期間で53ドルと76ドル、4歳以下は無料になります。
1 May から 31 October は全員30ドル、子どもは15ドルまで下がります。
海外から行くと3泊で456ニュージーランドドルです。
152ドル×3泊という掛け算で、1人あたりの小屋代だけの金額になります。
Great Walks の期間は 1 November 2026 – 30 April 2027 で、最終出発は 28 April 2027 です。
この期間の外は Advanced and expert track categories. になり、等級そのものが2段上がります。
3日目に越える Omanui/McKinnon Pass Shelter の高さは1154メートルです。
同じ日に見える Sutherland Falls は、drop 580 m in 3 leaps と説明されています。
登山の英語で距離と高さを読む|mileとkm、feetとmの換算
米国の案内板はマイルとフィートで、英国はマイル、ニュージーランドはキロとメートルです。
換算の係数は米NISTが公表していて、mile から km は 1.609 344 です。
foot から m は 0.3048、inch から m は 0.0254、yard から m は 0.9144 になります。
グランド・キャニオンの Bright Angel Trail は up to 12 miles (round trip) なので、往復で19.3キロです。
South Kaibab Trail は up to 6 miles (round trip) で、往復9.7キロになります。
Hermit Trail は Santa Maria Spring まで 5 miles (round trip) の8キロ、Dripping Springs まで 7 miles (round trip) の11.3キロです。
マイルは1.6倍でキロになります。
高さの語は2つあり、elevation の語義は5個、altitude は4個でした。
elevation の英英側の2個目が「the height of a place above the level of the sea」で、altitude の1個目が「height above sea level」です。
どちらも海面からの高さで、意味はほぼ重なります。
使い分けは、地面の高さが elevation、飛んでいるものの高さが altitude という傾向です。
傾きの語は gradient と grade に分かれます。
gradient の語義は3個で、英英側の1個目が「how steep a slope is」でした。
grade は語義17個もありますが、米語側に「the degree of slope of land or of a road or path」が入っています。
英英側では grade の4個目が「a gradient」とだけ書かれていて、英国では傾きの意味が薄いことが分かります。
難しさの語は3つで、steep が語義11個、strenuous が2個、difficulty が5個でした。
strenuous は「needing or using a lot of physical or mental effort or energy」だけの語で、案内板では「きつい」を一語で言い切る役に立ちます。
steep は「(of a slope) rising or falling at a sharp angle」が1個目で、例文に steep climb It’s a steep climb to the top of the mountain, but the view is worth it. がありました。
上り下りの語は ascent が3個、descent が8個です。
descent の8個のうち米語側の1個が「a way down, such as a path, or an act of coming down」で、例文が A steep descent from the peak brings you to a meadow. でした。
残りは家系や血筋の意味なので、of Irish descent のような文と混ざらないようにします。
覚えて帰る1文|登山の英語を決めるのはhikeではなく動作
最後に、山で使う一文をもう一度置きます。
Is this the trail to the summit?
この一文には hike も climb も入っていません。
入っているのは道を指す trail と、行き先を指す summit だけです。
Cambridge Dictionary で summit を引くと語義は6個で、1個目が「an important formal meeting between leaders of governments from two or more countries」でした。
2か国以上の政府の首脳が集まる公式の会談、という意味です。
山の頂上は2個目の「the highest point of a mountain」でした。
辞書の並び順では、summit の1個目は山ではなく首脳会談です
それでも登山口で summit と言えば頂上に着地します。
周りが山だという場所が、語義を1個に絞りこむからです。
逆に言うと、山の中で口が止まる原因は語彙の量ではありません。
hike と climb のどちらを選ぶかで迷うことが原因です。
だから選ばずに済む trail と summit で組み立てます。
動作で選ぶ5語の早見
それでも動詞を使いたい場面のために、5語を動作で並べ直します。
手を使わず長く歩くなら hike で、語義は10個です。
丘や山や森を長い距離たどるなら trek で、語義は4個と5語のなかで最も少なくなります。
上へ向かう動き全般が climb で、語義は16個です。
手を使って岩を越えるなら scramble で、語義は16個です。
足を前に出す動作そのものが walk で、語義は25個と最多です。
迷ったら、語義が4個しかない trek がいちばん山に寄っています
自分を名乗るときは hiker、活動として言うときは hiking で足ります。
ニュージーランドでは tramping、英国では ramble が「to walk for pleasure, especially in the countryside」の語義で同じ場面に出てきます。
山では道を聞く回数がいちばん多くなります。
あわせて読みたいのは、道を聞く英語をExcuse me, how do I get to 〜?の1文にまとめた記事です。↓

参考文献
- hike(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- hiking(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- hiker(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- trek(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- trekking(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- climb(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- walk(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- scramble(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- ramble(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- backpacking(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- mountaineering(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- trail(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- path(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- footpath(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- route(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- trailhead(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- switchback(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- scree(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- cairn(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- summit(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- ridge(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- permit(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- wilderness(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- hut(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- elevation(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- altitude(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- steep(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- strenuous(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- ascent(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- descent(Cambridge Dictionary 公式サイト)
- Wilderness Permits – Yosemite National Park(米国立公園局 ヨセミテ国立公園 公式サイト)
- Half Dome Permits for Day Hikers – Yosemite National Park(米国立公園局 ヨセミテ国立公園 公式サイト)
- Day Hiking – Grand Canyon National Park(米国立公園局 グランド・キャニオン国立公園 公式サイト)
- Summer Hiking – Hike Smart – Grand Canyon National Park(米国立公園局 グランド・キャニオン国立公園 公式サイト)
- Backcountry Permit – Grand Canyon National Park(米国立公園局 グランド・キャニオン国立公園 公式サイト)
- Rights of way and accessing land: Overview(英国政府 GOV.UK 公式サイト)
- Rights of way and accessing land: Use public rights of way(英国政府 GOV.UK 公式サイト)
- Rights of way and accessing land: Use your right to roam(英国政府 GOV.UK 公式サイト)
- National Trails UK(英 National Trails 公式サイト)
- Walking track categories(ニュージーランド保全省 DOC 公式サイト)
- Milford Track: Fiordland National Park(ニュージーランド保全省 DOC 公式サイト)
- NIST Guide to the SI, Appendix B.9: Factors for units listed by kind of quantity or field of science(米国立標準技術研究所 NIST 公式サイト)
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