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買い物の英語は最初の一言で決まります|返品のルールをカリフォルニア州民法1723条の原文で確かめました

海外の店に入った瞬間、店員がまっすぐこちらへ歩いてきます。

笑顔で何かを言われました。

聞き取れません。

とっさに目をそらして、商品のほうを見るふりをしてしまいます。

買い物の英語でいちばん多いつまずきは、単語を知らないことではありません。最初の一言を返せずに、そのまま気まずくなって店を出てしまうことです。

この記事は、その最初の一言から、返品するときの一言までを、順番どおりに並べ直したものです。

そして返品のところだけは、日本人がいちばん誤解しているので、法律の原文まで見に行きました。

読んだのはカリフォルニア州民法1723条と、米連邦取引委員会(FTC)の消費者向けページ2本、そしてカリフォルニア州税務当局の税率ページです。

語の成り立ちは Wiktionary の英語項目で確かめました。

この記事で出す出典は、すべてその場で開いて中身を読んだものだけです。

TOC

買い物の英語は「Just looking, thank you.」の1文があれば始められます|先に結論

結論から書きます。

店に入って声をかけられたときの返事は、この1文で足ります。

Just looking, thank you.

「見ているだけです、ありがとう」という意味です。

これで店員は離れていきますし、失礼にもなりません。

逆に、何か探しているなら次の1文です。

I’m looking for a jacket.

「ジャケットを探しています」です。

買い物の英語は、この「見ているだけ」と「探しています」の2択から始まります。どちらかを口に出せた時点で、その後の会話は相手が引っ張ってくれます。

以下は、その先で何が起きるかを順番に並べたものです。

なぜ日本人は買い物の英語でつまずくのか|refund は「返す」ではなく「注ぎ戻す」語だから

買い物の英語で日本人が固まる場所は、だいたい決まっています。

レジと、試着室と、返品カウンターです。

この3つに共通しているのは、日本語の感覚のまま単語を置き換えると意味がずれるという点です。

代表が refund です。

Wiktionary の英語項目によると、refund は中英語の refunden、古フランス語の refondre / refunder(「元に戻す、払い戻す」)を経て、ラテン語の refundere にさかのぼります。

re-(再び)+ fundere(注ぐ)で、もとの意味は「注ぎ戻す」です。同じページに「fund(資金)とは関係がない」とはっきり書かれています。

つまり refund は「お金を戻す」ではなく「いったん受け取ったものを、相手のほうへ流し返す」というイメージの語です。

だから refund は、店がする行為なのです。

客が言うときは「返して」ではなく「返してもらえますか」という形にする必要があります。

もうひとつ、発音で引っかかる人が多い点があります。

同じ Wiktionary によれば、動詞の refund は2音節目にアクセントが来て /ɹɪˈfʌnd/、名詞の refund は1音節目にアクセントが来て /ˈɹiːfʌnd/ です。

「リファンド」と平らに言うと、どちらでもない音になります。

名詞で使うとき、つまり「返金をお願いしたい」と言うときは、頭を強く「リーファンド」と言うほうが通じます。

出典=Wiktionary|refund(2026年9月16日取得)

買い物の英語は、店に入ってから出るまでの7場面に分かれます

単語帳の順番で覚えると、店の中で使う順番と合いません。

実際に起きる順番に並べ直すと、次の7つです。

場面起きることこちらが言う1文
1 入店店員があいさつしてくるHi, how are you?
2 声かけ「お手伝いしましょうか」と聞かれるJust looking, thank you.
3 探すサイズ・色・在庫を聞くDo you have this in a medium?
4 試着試着室を借りるCan I try this on?
5 会計レジで支払うI’ll take this one.
6 受け取り袋・レシートを受け取るCould I have the receipt?
7 退店・返品後日、返品や交換に行くI’d like to return this.

この7つのうち、日本の店と手順が違うのは3・4・5・7の4つだけです。

残りはあいさつなので、言えなくても買い物は終わります。

以下、違う4つを厚めに見ていきます。

【場面1・2】入店と「見ているだけです」の買い物の英語

英語圏の店では、入店した客に店員が声をかけるのが普通です。

無視すると、日本よりはっきり冷たい印象になります。

言われるのは、ほとんど次のどれかです。

相手が言うこと意味返し方
How are you doing today?こんにちは(あいさつ)Good, thanks. How are you?
Can I help you find anything?何かお探しですかJust looking, thank you.
Are you looking for anything in particular?何か特定のものをお探しですかNot right now, thanks.
Let me know if you need anything.何かあれば声をかけてくださいThank you, I will.

How are you? は質問ではなく、あいさつです。体調を説明する必要はありません。

Good, thanks. の3語で終わりにしてかまいません。

なお「見ているだけです」を I’m just watching. と言ってしまう人がいます。

watch は動いているものを目で追う語なので、商品には使いません。

店の商品を見るのは look です。

【場面3】サイズ・色・在庫をたずねる買い物の英語

ここからは、こちらから話しかける場面です。

言い方は1つの型で足ります。

Do you have this in ___ ?

「これの〇〇はありますか」という型です。

空欄に、サイズでも色でも入れられます。

聞きたいこと言う英語意味
サイズDo you have this in a medium?これのMサイズはありますか
もっと大きいDo you have this in a larger size?これのもっと大きいサイズはありますか
色Do you have this in black?これの黒はありますか
在庫Is this in stock?これは在庫がありますか
取り寄せCan you order it for me?取り寄せてもらえますか
値段How much is this?これはいくらですか
他店の在庫Do your other stores have it?他の店舗にはありますか

in を落として Do you have this medium? と言うと、「この中くらいのやつありますか」という別の意味に聞こえます。in を1語だけ落とさないでください。

サイズを言うときは、a medium、a large のように a を付けるのが自然です。

S・M・L は、英語では small / medium / large と読みます。

「エス・エム・エル」とアルファベットで読んでも、たいてい通じません。

【場面4】試着室の買い物の英語|fitting room は「合わせる部屋」

試着室は、英語では fitting room と呼びます。

Wiktionary の定義は「A room in a store for trying on clothes before purchase.(購入前に服を試着するための、店内の部屋)」です。

同じページには類義語として changing room が挙げられています。

fit は「合う」という動詞です。だから fitting room は「体に合うかどうかを確かめる部屋」であって、着替える部屋という意味が先に来るわけではありません。

言う1文はこれだけです。

Can I try this on?

「これを試着してもいいですか」です。

try on は間に目的語をはさむ形が基本で、try this on の語順になります。

try on this とは言いません。

試着室でよく起きるやり取りを並べます。

場面言う英語意味
試着したいCan I try this on?試着してもいいですか
何点か持ち込むI have three items.3点あります
別サイズが欲しいCould I get this in a size up?ワンサイズ上をもらえますか
きついIt’s a little tight.少しきついです
ゆるいIt’s a little loose.少しゆるいです
買わないI’ll leave these, thank you.これは置いていきます
買うI’ll take this one.これにします

店員が How many items? と聞いてきたら、持ち込む点数を数えています。指で本数を出しながら Three. と言えば通ります。

店によっては、点数分の番号札を渡されます。

その札は出るときに返すので、捨てないでください。

【場面5】レジの買い物の英語|表示価格と払う額が違う理由

日本から来た人がレジで固まる最大の理由は、英語ではありません。

値札の数字と、請求される数字が違うからです。

アメリカの多くの州では、値札は税抜きで表示され、レジで売上税が上乗せされます。

カリフォルニア州税務当局(CDTFA)の税率ページには、次のように書かれています。

The statewide tax rate is 7.25%. In most areas of California, local jurisdictions have added district taxes that increase the tax owed by a seller. Those district tax rates range from 0.10% to 2.00%.

「州全体の税率は7.25%です。カリフォルニア州の大半の地域では、地方自治体が地区税を上乗せしており、その地区税の税率は0.10%から2.00%の幅があります」という意味です。

つまりカリフォルニア州では、値札より7%以上、地域によっては9%以上高い金額を払うことになります。これは店のミスではありません。

レジで金額に驚いて「え?」という顔をすると、店員が説明を始めて会話が長くなります。

先に知っておくだけで、レジは静かに終わります。

出典=California Department of Tax and Fee Administration|Sales & Use Tax Rates(2026年9月16日取得)

レジで言う英語は、次の表で足ります。

場面言う英語意味
これを買うI’ll take this one.これにします
支払い方法Card, please.カードでお願いします
現金Cash, please.現金でお願いします
袋がいるCould I get a bag?袋をもらえますか
袋はいらないNo bag, thank you.袋は要りません
レシートCould I have the receipt?レシートをもらえますか
贈り物It’s a gift.贈り物です

この中でいちばん大事なのは、いちばん地味な Could I have the receipt? です。

理由は、次の章でわかります。

【場面6・7】受け取りと、返品に行くときの買い物の英語

袋を受け取ったら、その場でレシートを確認してください。

レシートは、返品や交換をするときの唯一の入場券になります。

返品に行くときに言う1文は、これです。

I’d like to return this, please.

「これを返品したいのですが」です。

交換なら return を exchange に変えます。

I’d like to exchange this for a larger size.

「これをもっと大きいサイズに交換したいのですが」です。

返金してほしいときは、名詞の refund を使って Could I get a refund? と言います。動詞で Refund me. と言うと、命令に聞こえます。

返品カウンターで使う言い方をまとめます。

場面言う英語意味
返品したいI’d like to return this, please.これを返品したいです
返金してほしいCould I get a refund?返金してもらえますか
交換したいI’d like to exchange this.交換したいです
理由を言うIt doesn’t fit.サイズが合いませんでした
未使用だと伝えるI haven’t used it. The tags are still on.使っていません。タグも付いたままです
レシートがあるHere’s the receipt.これがレシートです
方針を聞くWhat’s your return policy?返品の規定はどうなっていますか

最後の What’s your return policy? は、買う前に聞いてもいい質問です。

むしろ買う前に聞くほうが、もめません。

返品の買い物の英語は法律とつながっています|カリフォルニア州民法1723条を読みました

なぜ return policy という言葉を店員が当たり前に使うのか。

州によっては、それを掲示することが法律で決まっているからです。

カリフォルニア州民法1723条(California Civil Code Section 1723)の原文を読みました。

条文は (a)(b)(c) の3項からできていて、(d) はありません。

小売店は、返金・返品の方針を「conspicuously display(目立つように掲示)」しなければならない、と定められています。

掲示する場所として条文が挙げているのは、レジ、販売カウンター、店の入口、商品のタグ、注文書です。

そして掲示すべき中身として、次の4つが挙げられています。

掲示すべき中身英語での言い方
現金返金・店内クレジット・交換のどれに応じるかcash refund / store credit / exchange
その方針が適用される期間the applicable time period
対象になる商品の種類types of merchandise covered
返品・交換の条件conditions governing refunds or exchanges

期間についても数字が出てきます。

条文は「at least seven days following purchase(購入後少なくとも7日間)」という表現で、購入証明があれば全額の現金・クレジット返金または同等の交換に応じることに触れています。

さらに、この条に違反した小売店に対して、買った人は「on or before the 30th day after their purchase(購入から30日目まで)」に商品を返すことで購入額を取り戻せる、と書かれています。

ただし、対象外になる商品もはっきり並んでいます。

対象外の商品英語
食品food
植物plants
傷みやすい品perishable goods
「現状渡し」と表示された品items marked “as is”
中古品・破損品used / damaged goods
特注品customized items
元の包装が無い品goods with missing original packaging

だから「タグは切らない」「箱は捨てない」は、英語力ではなく条文の話です。

出典=California Legislative Information|Civil Code Section 1723(2026年9月16日取得)

アメリカに「全国どこでも返品できる権利」はありません|買い物の英語の前に知っておくこと

ここが、日本人がいちばん誤解している点です。

前の章で読んだ1723条は、カリフォルニア州の法律です。

アメリカ全体に効く決まりではありません。

米連邦取引委員会(FTC)の消費者向けページには、返品について次のように書かれています。

Many stores will not take returns or exchanges after a certain time, like 30 or 90 days.

「多くの店は、30日や90日といった一定の期間を過ぎると、返品も交換も受け付けません」という意味です。

同じページは、こう続けます。

Gather your receipts, warranties, canceled checks, credit card statements, invoices, contracts, or other documents.

「レシート、保証書、決済済みの小切手、クレジットカードの明細、請求書、契約書などの書類を集めてください」という意味です。

このページは、店に返品を受ける義務がある、とは書いていません。書いてあるのは「店ごとの方針を確認しなさい」ということです。

そして「Promptly return your undamaged item(傷のない状態で、すみやかに返しなさい)」とも書かれています。

もうひとつ、日本でよく誤解されている「クーリングオフ」についても見ておきます。

FTC には Cooling-Off Rule という規則があり、3日以内なら契約を取り消せます。

ただし適用される場所が限られています。

Cooling-Off Rule の中身FTCのページの記載
取り消せる期間3日(3営業日目の深夜まで。土曜は営業日に数え、日曜と連邦の祝日は数えない)
適用される場所自宅、職場、学生寮、売り手の一時的な場所(ホテル、コンベンションセンター、催事場、レストランなど)
金額の下限自宅での販売は25ドル未満、一時的な場所での販売は130ドル未満だと対象外
対象外売り手が普段から商品を売っている恒常的な店舗での購入

つまり、ふつうのショッピングモールや路面店で買った品物には、この3日ルールは効きません。効くのは訪問販売や催事など、一時的な場所での契約です。

だから海外の買い物で頼れるのは、法律ではなくその店の return policyです。

買う前に What’s your return policy? と聞く1文が、いちばん強い保険になります。

出典=FTC Consumer Advice|Solving Problems With a Business: Returns, Refunds, and Other Resolutions(2026年9月16日取得)

出典=FTC Consumer Advice|Buyer’s Remorse: The FTC’s Cooling-Off Rule May Help(2026年9月16日取得)

店員が言ってくる英語と、聞き取れなかったときの買い物の英語

こちらが話す英語より、相手が言ってくる英語のほうが難しいです。

レジで飛んでくる文は、だいたい決まっています。

相手が言う英語意味返し方
Did you find everything okay?お探しのものは見つかりましたかYes, thank you.
Are you paying with card or cash?カードですか現金ですかCard, please.
Debit or credit?デビットですかクレジットですかCredit, please.
Do you need a bag?袋は要りますかYes, please. / No, thank you.
Would you like the receipt in the bag?レシートは袋に入れますかI’ll take it, thanks.
Are you a member?会員ですかNo, I’m not.
Can I have your ZIP code?郵便番号を教えてもらえますかI’m visiting from Japan.

聞き取れなかったときは、黙らずにこの1文を出してください。

Sorry, could you say that again more slowly?

「すみません、もう一度ゆっくり言ってもらえますか」です。

それでもわからないときは、正直に言うのがいちばん早いです。

Sorry, my English isn’t very good. Could you write it down?

「すみません、英語が得意ではありません。書いてもらえますか」です。

レジには必ず紙とペンか画面があります。書いてもらえば、数字も単語も一発で解決します。

Pardon? の一語だけでも、聞き返しの合図として通じます。

やってはいけない買い物の英語|和製英語で通じない6つ

最後に、日本語のまま言うと通じない言葉を並べます。

日本語で言いがちな語通じる英語なぜ通じないか
ワンピースa dressone piece は「1個」「ひとつながり」の意味に取られる
トレーナーa sweatshirttrainer は「訓練する人」または英国では運動靴
パーカーa hoodieparka は防寒用の厚手の上着を指す
マンションan apartmentmansion は大邸宅の意味
レジthe register / the checkoutレジは register の一部を切った日本語
クレームa complaintclaim は「主張する」「請求する」で、苦情の意味にならない

言い方が思い出せないときは、無理に単語を探さず this と指差しでかまいません。

This one, please. の3語で買い物は成立します。

それと、値切る言い方についてひとこと書いておきます。

百貨店やチェーン店で Can you give me a discount? と聞くのは、ふつうやりません。

値段の交渉が前提になっているのは、市場や個人商店など、場所が限られます。

代わりに使えるのは、次の聞き方です。

Is this on sale?

「これはセール対象ですか」という意味で、値札の表示と実際の価格が違うことを確かめる、角の立たない聞き方です。

買い物の英語のよくある質問

Q1. 店員に声をかけられるのが苦手です。無視してもいいですか。

おすすめしません。

目を合わせて Just looking, thank you. と言うだけで、相手は用件が済んだと判断して離れます。無言でいるほうが、かえって長く見られます。

Q2. 値札の金額ぴったりを現金で用意していけば足りますか。

足りないことがあります。

カリフォルニア州の場合、州全体の税率が7.25%で、地域によって0.10%から2.00%の地区税が上乗せされると州税務当局のページに書かれています。

値札より高い金額になる前提で持っていくほうが安全です。

Q3. レシートを捨ててしまいました。返品できますか。

店の方針によります。

FTCのページは、返品のときにレシートや明細などの書類を集めるよう案内しています。

カード払いなら明細が証拠になることがあるので、Can you look it up with my card? と聞いてみる価値はあります。

Q4. 「返品できます」と口で言われました。それで大丈夫ですか。

条件を聞き直すことをおすすめします。

カリフォルニア州民法1723条は、掲示すべき中身として期間・対象商品・条件まで挙げています。

つまり「返品できる」だけでは情報が足りない、というのが条文の前提です。How many days do I have? と期間だけでも確かめてください。

Q5. セール品は返品できますか。

できないことが多いです。

値札やレジ横に Final Sale、All sales final、As is と書かれていたら、返品も交換も受けないという意味です。

1723条でも “as is” と表示された商品は対象外に並んでいます。

この1文だけ覚えて帰ってください

買い物の英語で、いちばん使う頻度が高いのはこの1文です。

Just looking, thank you.

そして、いちばん損を防ぐのはこの1文です。

What’s your return policy?

前者は店に入った瞬間の空気を軽くし、後者はレジに行く前の判断を助けます。この2文だけ、スマートフォンのメモに入れておいてください。

単語をたくさん覚える必要はありません。

店の中で起きることは7場面しかなく、そのうち英語が要るのは4場面だけです。

あとは、タグを切らないこと、箱を取っておくこと、レシートをなくさないこと。この3つのほうが、英語力より返品の成否を分けます。

それでは、よい買い物を。

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