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図書館の英語は「Can I use the library?」で足ります|辞書38語と英国の図書館法・市議会の入会条件を読んで、入口で使う一文を決めました

海外の街で雨に降られて、座れて、充電できて、しかもお金のかからない場所を探したときに残る候補が図書館で、入口の前で足を止めるのは扉に貼られた英語の紙のほうです。

建物の名前には LIBRARY と大きく出ているので、そこが図書館であることは分かります。

分からないのは、旅行者の自分が中に入っていいのかどうかです。

自動ドアの横に、MEMBERS という語の入った短い文が貼ってあります。

会員しか入れないのか、会員だけが借りられるのか、その1行からは読み取れません。

思い切って入ってみると、正面に長いカウンターがあります。

カウンターの上の札には ISSUE DESK と書いてあります。

issue という語は「問題」だと覚えているので、その札が何の窓口なのか判断できません。

その隣にはもう1つ RETURNS という札の付いた台があり、細い投入口が開いています。

奥には机の並んだ広い部屋があって、入口に QUIET STUDY AREA という札が下がっています。

机には電源のコンセントが付いていて、座っている人の半分は本を読んでいません。

パソコンを開いているだけの人が多いので、自分も座っていいのかどうかが余計に分からなくなります。

壁にはWi-Fiのネットワーク名が貼ってあり、その下に短い注意書きが3行続いています。

その3行を読み飛ばして接続すると、ブラウザに同意の画面が出てきます。

同意ボタンの上には、読むのに1分かかる長さの英文が並んでいます。

思い切ってカウンターで聞いてみると、係の人が最初に短い質問を返してきます。

その質問の中に proof of address という3語が入っていて、そこで会話が止まります。

ホテルに泊まっている旅行者に、その街の住所の証明が出せるはずがありません。

パスポートを出してみると、係の人はうなずいたあとに別の語を続けます。

guest という語が聞こえた気はするものの、それが断られたのか通ったのかが分かりません。

仮にカードが作れたとしても、そのあとが不安です。

本を借りて、帰国日までに返せなかったら何が起きるのかが読めません。

貸出票には due date という語と日付が印字されていますが、遅れたときの金額はどこにも出てきません。

結局、何も借りずに椅子に座って1時間だけ過ごして出てくることになります。

図書館の英語でつまずく理由は、単語を知らないからではありません。

日本語の「借りる」という1語が英語では方向で3語に割れ、しかも同じ語が国をまたぐと別の動作を指すからです。

そのうえ、入れるかどうかを決めているのは英語力ではなく、その国の法律と市ごとの入会条件です。

語の割れ目は、辞書を引けば語義の数として目に見える形で出てきます。

この記事では Cambridge Dictionary の英語辞典で38語を実際に引いて、語義がいくつ並ぶかを1語ずつ数えました。

数えた語義は合計477個でした。

あわせて、英国の法令データベース legislation.gov.uk にある Public Libraries and Museums Act 1964 の第7条と第8条、ロンドン・ウェストミンスター市議会の「How to join a library」「Library fees and charges」「Other types of membership」、バーミンガム市議会の「Joining the library」「Overdue charges」、シティ・オブ・ロンドンの「Join Barbican and Community Libraries」「Loans, charges and stock policy」「Wi-Fi, computers, and printing」、エディンバラ市議会の「Library internet terms and conditions」、大英図書館の「Reading Rooms」、米シカゴ公共図書館の「Get a Library Card」を読みました。

公的資料は13ページで、どれも2026年9月26日に実際に開いて原文から数字を取りました。

出典として並べたのは、この記事を書きながら実際に開けたページだけです。

開けなかったページのことは、1文字も書いていません。

TOC

図書館の英語は「Can I use the library?」の1文で足ります|先に結論

入口で立ち止まったときに、最初に確かめたいことは1つだけです。

自分がこの建物を使っていいのか、という点です。

それを聞く英語がこれです。

Can I use the library?

「この図書館を使ってもいいですか」という意味です。

library は Cambridge Dictionary で語義4個の語で、そのうちの1つが「a building, room, or organization that has a collection of books, documents, music, and sometimes things such as tools or artwork, for people to borrow, usually without payment」です。

本や資料の集まりを持っていて、人が借りられて、ふつうは無料である場所、という意味の名詞です。

語義の中に「usually without payment」という但し書きが入っている点が、この語の性格を表しています。

use は「使う」なので、Can I use the library? は建物の利用そのものを聞く形になります。

借りる話も、座る話も、Wi-Fiの話も、この1文のあとに枝分かれします。

借りる話と、座る話と、つなぐ話は、最初から分けて聞くほうが速いです。

座って読むだけなら Can I just read here? です。

「ここで読むだけでもいいですか」で、just が「読むだけ」を担っています。

借りたいなら Can I borrow books as a visitor? です。

「旅行者でも本を借りられますか」で、as a visitor が自分の立場を先に出しています。

Wi-Fiだけ使いたいなら Can I use the Wi-Fi without a card? です。

「カードなしでWi-Fiを使えますか」で、条件を先に相手へ渡しています。

聞く順番は読む・借りる・つなぐの3つに分けるのが安全です。

この4文が、この記事のいちばん短い答えです。

そして、この4文で足りるのに口が止まる理由が、次の章の辞書の数字にあります。

図書館の英語で口が止まる理由|辞書38語の語義477個を数えた結果

Cambridge Dictionary で図書館にかかわる語を38語引いて、語義の数を1語ずつ数えました。

数え方は、英語辞典・American Dictionary・Business English の3つの欄に並ぶ語義をすべて足す形です。

いちばん多かったのは hold で、語義は78個ありました。

次が return の50個、reserve の26個、issue の25個、deposit の21個です。

card と stack と study が20個で並び、check out が19個、join が18個、fine が17個と続きます。

この並びには、はっきりした特徴があります。

語義が多い語ほど、カウンターの側や画面の側から飛んでくる語だという点です。

逆に、いちばん少なかったのは1個の語でした。

public library が1個、lending library が1個、reading room が1個です。

語義が1個しかない語は、意味を取り違える余地がありません。

public library の語義は「a building where people can read or borrow books without having to pay」の1つだけです。

お金を払わずに読むか借りるかできる建物、という意味がそのまま1個だけ載っています。

reading room の語義も「a room in a library, hotel, or other building where people can read quietly and conversation is not usually allowed」の1つだけです。

静かに読む部屋で、会話はふつう許されていない、という条件まで語義の中に入っています。

lending library の語義は「old-fashioned for public library」の1つで、古い言い方だという注記が付いています。

reference book は2個で、「a book of facts, such as a dictionary or an encyclopedia, that you look at to discover particular information」が中身です。

辞書や百科事典のように、調べるために見る本を指します。

この語が館内の棚に貼ってあれば、その棚の本は持ち出す前提ではないと読めます。

つまり、語義1個か2個の語だけで会話を組めば、誤解の可能性はほとんど消えます。

問題は、館内の表示とカウンターの側が、語義の多い語を平気で使ってくることです。

library そのものの語義は4個で、そのうち2つは本の話ですらありません。

1つは「a collection or set of books or recordings, all produced in the same style or about the same subject」で、同じ体裁でそろえた叢書を指します。

もう1つは「a collection of songs or pieces of music on an online music service」で、音楽配信の中の自分の保存欄です。

日本語の「ライブラリ」がそのままの意味で使われている、あの語義です。

librarian は3個で、司書と、特定分野の資料をまとめている人の両方を指します。

この語の例文には「The young librarian is great at finding titles children will like.」が載っています。

探し物を頼む相手として想定されている、ということが例文の側から読めます。

読むときは語義の多い語を相手から受け取り、言うときは語義の少ない語を自分で選ぶ、という分担になります。

図書館の英語で「借りる」が割れる境目|borrow・lend・loanの語義25個

日本語の「借りる」は1語ですが、英語では方向で語が変わります。

borrow・lend・loan の3語で、語義を足すと25個になります。

borrow は7個、lend は10個、loan は8個です。

borrow の中心の語義は「to get or receive something from someone with the intention of giving it back after a period of time」です。

あとで返すつもりで、誰かから受け取る、という意味です。

Cambridge の例文には「He borrowed a novel from the library.」がそのまま載っています。

図書館から小説を借りる、という文が辞書の例文として採用されている語です。

この語義の要は「giving it back」で、返す前提が語の中に入っている点です。

言い換えると、返せない物や、その場から動かさない物には合いません。

lend の中心の語義は「to give something to someone for a short period of time, expecting it to be given back」です。

短い期間、返ってくる前提で、誰かに渡すという意味です。

borrow が受け取る側、lend が渡す側で、向きがちょうど逆になっています。

自分が受け取るならborrowで、相手に動いてもらうなら lend を使います。

窓口で言うなら Can I borrow this? が自分視点、Can you lend me this? が相手視点です。

どちらでも通じますが、借りる本人が主語になる borrow のほうが短く済みます。

loan は少し立ち位置が違います。

語義8個のうち、いちばん前に出てくるのは「an amount of money that is borrowed, often from a bank」で、お金の話です。

日本語で「ローン」と言うときの、あの意味が英語でも先頭に来ています。

ただし同じ名詞の2つ目に「an act of borrowing or lending something」があり、物の貸し借りそのものも指します。

図書館で loan が出てきたら、ほぼこの2つ目の語義です。

例文の「This exhibit is on loan from another museum.」は、別の館から借りている展示という意味です。

この on loan という形が、館内の表示でそのまま使われます。

検索画面に On loan と出ていれば、その本はいま誰かが借りている状態です。

棚に行っても見つからないので、次の章の予約の話につながります。

loan には「to lend」という動詞の語義もあり、米国側の例文は「Can you loan me $10 until payday?」です。

動詞の loan は米国寄りの言い方で、英国では lend のほうが素直に通ります。

この3語の使い分けを1行にまとめると、受け取る自分が borrow、渡す相手が lend、貸出という状態そのものが loan です。

米国の図書館の英語でborrowがcheck outに変わる理由|語義19個の中の1個

米国の図書館では、借りる動作を borrow ではなく check out と言う場面が多くあります。

この check out が、この記事で数えた中でもとくに厄介な語です。

Cambridge Dictionary で語義は19個あります。

英語辞典側に12個、American Dictionary 側に5個、Business English 側に2個です。

そのうち図書館の意味は、英語辞典側に1個と American Dictionary 側に1個の、合わせて2個しかありません。

英語辞典側の書き方は「to borrow books from a library」です。

American Dictionary 側は「to borrow a book or something else from a library (= a place with a collection of books, music, etc.)」と、もう少し広く取っています。

本以外も借りられる前提が、語義の説明の中に入っている点が特徴です。

問題は、残りの17個です。

いちばん有名な語義は「to leave a hotel after paying and returning your room key」で、ホテルの精算です。

次に強いのが「to pay for goods at a shop or online」で、レジや決済画面の精算です。

同じ2語が、ホテルの精算と図書館の貸出を同時に指しています。

旅行中は、ホテルの意味のほうを先に耳が覚えてしまっています。

だから図書館で Where do I check out? と聞かれると、一瞬どちらの話か分からなくなります。

言うときは I’d like to check out these books. のように、後ろに books を置けば迷いが消えます。

「この本を借りたいです」という意味で、目的語が本なので図書館の語義に固定されます。

相手が言ってくる文では、Have you checked these out? が「もう手続きは済んでいますか」にあたります。

返すほうの語は return で、語義は50個あります。

38語の中で2番目に多い語で、意味の幅は政治から税務からテニスまで広がっています。

その中で図書館に効くのは「to send, take, give, put, etc. something back to where it came from」です。

元あった場所へ戻す、という意味で、返却口の RETURNS はこの語義です。

英国の図書館では、貸出の窓口を issue desk と呼ぶ館があります。

issue は語義25個の語で、日本語で覚えている「問題」も「発行」もどちらも入っています。

窓口の名前として効いているのは「to give someone something, especially officially」のほうです。

公式に何かを渡す、という意味なので、issue desk は貸し出す側の窓口を指します。

desk そのものは語義10個で、机と窓口の両方を持っています。

ISSUE DESK と RETURNS の2枚の札を見分けられれば、館内の動線はそれだけで半分片づきます。

入会するときの図書館の英語|join・member・membership・cardの語義53個

カードを作る場面で使う語は4つで、語義を足すと53個になります。

join が18個、member が8個、membership が7個、card が20個です。

この4語のうち、自分から言うのに向いているのは join です。

I’d like to join the library.

「図書館に入会したいです」という意味で、英国の市議会のページもこの join という語を見出しに使っています。

member を使うなら Can I become a member? です。

membership の語義には「the state of belonging to an organization」があり、例文に「membership card They will give you a discount if you show your membership card.」が付いています。

card は語義20個の語で、American Dictionary 側の例文が「a library/membership/business card」です。

library card という並びが、辞書の例文の中にそのまま入っている形です。

入会が無料かどうかを確かめるなら Is membership free? が短くて確実です。

そして、この場面でいちばん高い確率で飛んでくる語が proof of address です。

住所の証明という意味で、旅行者にとってはここが最大の関門になります。

関係する語として resident があり、語義は12個です。

そのうちの1つが「a person who lives or has their home in a place」で、その土地に住んでいる人を指します。

窓口で Are you a resident? と聞かれたら、その街に住んでいるかどうかを聞かれています。

住んでいないなら、そこで嘘をつかずに I’m a visitor. と言うほうが話が早いです。

visitor だと分かれば、係の人は旅行者向けの枠を出してきます。

その枠が何かは、このあとの市ごとの章で実際の条文から並べ直します。

もう1語、耳にしたら確かめたほうがいいのが deposit です。

語義は21個あり、返ってくる預り金と、返ってこない頭金の両方が同じつづりに同居しています。

この語が出てきたら Do I get it back? と聞けば、どちらの語義かが1問で決まります。

旅行者が入れるかを決める図書館の英語|英国の1964年法が引いた線

英国の公共図書館の土台になっている法律が Public Libraries and Museums Act 1964 です。

法令データベース legislation.gov.uk で全文が読めます。

旅行者にとって決定的なのは第7条の第1項です。

本文は「It shall be the duty of every library authority to provide a comprehensive and efficient library service for all persons desiring to make use thereof」で始まります。

利用したいと望むすべての人に、包括的で効率的な図書館サービスを提供する義務がある、という条文です。

ここだけ読むと、旅行者も当然に含まれるように見えます。

ところが、この条文には但し書きが付いています。

「although a library authority shall have power to make facilities for the borrowing of books and other materials available to any persons it shall not by virtue of this subsection be under a duty to make such facilities available to persons other than those whose residence or place of work is within the library area of the authority or who are undergoing full-time education within that area」という一文です。

図書館当局は誰にでも貸出を開放する権限を持つ、という前半があります。

しかし後半で、その区域に住所か勤務先がある人、またはその区域で全日制の教育を受けている人以外に対しては、貸出を提供する義務までは負わない、と線を引いています。

貸す権限はあるが義務はない、という構造がここで決まっています。

この1行が、旅行者の体験が市ごとにばらばらになる理由そのものです。

ある市では旅行者にカードを出し、別の市では住所の証明を求めて断る、という差が法律上まったく矛盾しません。

では、館内で読むだけの場合はどうなるのかというと、こちらは別の条文が効いてきます。

第8条の第1項は「no charge shall be made by a library authority (otherwise than to another library authority) for library facilities made available by the authority」です。

図書館当局は、提供する図書館サービスについて料金を取ってはならない、という原則です。

第8条の第4項はさらに具体的で、規則をもってしても料金を課せない行為を2つ挙げています。

1つ目が「reading the whole or any part of any of the written materials」で、館内で所蔵資料を読むことです。

2つ目が「consulting such catalogues, indexes or similar articles」で、目録や索引を調べることです。

館内で読むことと、目録を調べることには、料金を課せません。

つまり Can I just read here? という問いは、英国では法律の側が味方をしてくれる問いです。

一方で第8条の第3項には、逆向きの但し書きが入っています。

印刷された本の貸出そのものは無料にしたうえで、「the use of any facility for the reservation of written materials」と「borrowed materials which are returned late or in a damaged condition」については料金を認める、という一文です。

予約の手数料と、延滞・破損の料金だけは、例外として法律が最初から許しています。

英国の図書館で取られるお金がこの2つに偏っているのは、この条文があるからです。

この法律の名前には Museums という語も入っていて、博物館と図書館は同じ1964年の法律の下にあります。

同じ法律が名前に入れている博物館と美術館の側で、窓口の英語がどう分かれるかは、美術館と博物館の英語でmuseumとgalleryが分かれる境目で読めます。↓

入会条件の図書館の英語を市ごとに読む|英国3市の実文

1964年法が「義務までは負わない」と書いた以上、実際の線は市ごとの入会案内が引いています。

ロンドンのウェストミンスター、バーミンガム、シティ・オブ・ロンドンの3つを原文で読み直しました。

同じ英国でも、旅行者に開いている幅がはっきり違います。

ウェストミンスターの入会条件とゲスト会員

ウェストミンスター市議会の入会案内は「Anyone 16 years old or above can join free of charge as an adult member」から始まります。

16歳以上なら誰でも、無料で成人会員になれる、という原則です。

そのうえで、持参する書類の例を並べています。

6か月以内の日付の公共料金の請求書、有効な運転免許証、6か月以内の日付の銀行またはクレジットカードの明細、家賃通帳、児童手当の書類、年金の書類、住宅金融組合の通帳です。

どれも原本が必要で、「We cannot accept scans or photographs of documents」という一文が付いています。

スキャンや写真では通りません。

ただし続けて「However, born-digital documents, such as online bank statements can be accepted」とあり、最初から電子で発行された書類は受け付けます。

オンラインの銀行明細が、その例として挙げられています。

問題は、ホテルに泊まっている旅行者にこの列のどれも出せないことです。

ウェストミンスターの案内は、その場合の逃げ道を用意しています。

永住の住所を証明できない訪問者は guest member として登録でき、「use our computers and online resources free of charge, but you will be unable to borrow books」という扱いになります。

館内のパソコンとオンライン資料は無料で使えて、本の貸出だけができない枠です。

必要な書類はパスポートなどの身分証明で、住所の証明は求められません。

旅行者の現実解は、この guest member という4文字です。

窓口では Can I join as a guest member? と聞けば、この枠を名指しで頼めます。

バーミンガムの入会条件と住所の証明

バーミンガム市議会の入会案内は「It is free to become a member of Birmingham Libraries」から始まります。

そして、旅行者にとって重要な一文がこれです。

You do not need to live in Birmingham to join our libraries.

バーミンガムに住んでいなくても入会できる、と言い切っています。

1964年法の言う「権限はある」の側を、この市は開いているということです。

手順は、オンラインの登録フォームを出したあと、selfreg number という受付番号と住所の証明を持って市内の図書館へ行き、カードを受け取る形です。

16歳以上は「one proof of name and address」で、名前と住所の証明が1点必要になります。

受け付ける書類として並んでいるのは、運転免許証、医療カード、銀行明細、水道料金、家賃通帳、カウンシルタックスの通帳、賃貸契約書、ガス料金、電気料金、電話料金、クレジットカードの請求、チャージカードの請求、その他の公的な手紙、テレビ受信許可証です。

このうち銀行明細・水道・ガス・電気・電話・クレジットカード・チャージカード・公的な手紙は、2か月以内のものに限られます。

電子版については「We do not accept an electronic version of a driving licence or passport as these are not issued electronically」という条件が付きます。

運転免許証とパスポートの電子版は、そもそも電子で発行されるものではないので受け付けない、という理屈です。

電子書籍の側にはもう1つ線があります。

eLibrary を使うには、バーミンガム、コベントリー、ウルヴァーハンプトン、ダドリー、サンドウェル、ソリハル、ウォルソールのいずれかに住んでいる必要があります。

紙の本は住所を問わず、電子の本は近隣7自治体の住民だけ、という二階建てです。

バーミンガムで学ぶ学生には、自宅の住所と滞在先の住所の両方の証明を求めています。

シティ・オブ・ロンドンの入会条件と貸出冊数

シティ・オブ・ロンドンのバービカン図書館とコミュニティ図書館の案内は、対象をこう定めています。

free to join to anybody who lives, works or studies or is a regular visitor to the City of London

住む人、働く人、学ぶ人に加えて「regular visitor」つまり常連の訪問者まで対象に入れています。

旅行者という語こそ使っていませんが、住民以外を明示的に含めた書き方です。

必要な書類は、身分の証明1点と住所の証明1点です。

身分の証明として銀行のカード、運転免許証、職員証、パスポート、国民保険番号カードが挙がっています。

住所の証明としては公共料金の請求書、運転免許証、銀行明細、医療カード、学生の在籍証明、宿泊施設からの手紙が挙がっています。

最後の hostel letter という項目があるおかげで、短期滞在者にも道が残っています。

貸出の冊数には段があり、基本の会員は「borrow up to two books at time」で同時に2冊までです。

通常の成人会員は、成人向けの本と楽譜を12点まで3週間借りられます。

この2冊と12点の差が、身分の証明の厚さの差にそのまま対応しています。

窓口に出すそのパスポートを旅先で失くしたときの言い方は、パスポートの英語で紛失と盗難が別の単語になる理由で読めます。↓

延滞料の図書館の英語|fineの語義17個と英国3市の1日あたりの実額

カードを作ったあとに旅行者がいちばん気にするのは、帰国日までに返せなかったときに何が起きるかです。

この場面で出てくる語が fine で、Cambridge Dictionary の語義は17個あります。

17個のうち、お金を指す語義はわずか2個です。

英語辞典側の名詞が「an amount of money that has to be paid as a punishment for not obeying a rule or law」です。

規則や法律を守らなかった罰として払う金額、という意味です。

残りの15個は「良い」「元気な」「細かい」「晴れた」といった、まったく別の意味で占められています。

体調を聞かれて答える I’m fine. の fine と、延滞料の fine が同じつづりで同居しています。

同じ4文字が「元気です」と「罰金」を兼ねているので、耳が一瞬迷います。

迷わない聞き方は Is there a fine? です。

遅れたときに料金が発生するかどうかを、この1文だけで確かめられます。

遅れている状態そのものを指す語は overdue で、語義は4個しかありません。

中心の語義は「not done or happening when expected or when needed; late」です。

Cambridge の例文は、そのまま「My library books are a week overdue.」です。

図書館の本が1週間遅れている、という文が辞書の例文として採用されています。

返却期限そのものを指す語は due date で、語義は3個です。

そのうち1個は「the date on which a woman’s baby is expected to be born」で、出産予定日のことです。

図書館で効くのは「the date by which something has to be done or paid」のほうです。

貸出票に印字された due date は、この2つ目の語義です。

英国3市の延滞料の実額

ウェストミンスター市議会の料金表は、標準の延滞料を1日25ペンスと定めています。

上限は1点につき10ポンドです。

16歳から17歳は1日10ペンスで、上限は1点につき2ポンドです。

16歳未満は免除です。

バーミンガム市議会は、本・朗読図書・録音資料を1日0.25ポンド、上限6.50ポンドとしています。

減免の対象になる人は1日0.13ポンドで、上限は3.25ポンドです。

DVDは1日1.00ポンドで、上限は7.00ポンドです。

バーミンガム市外から取り寄せた本・雑誌記事・楽譜は、1日15.00ポンドです。

取り寄せ資料だけ桁が違うので、短い滞在の間に頼む資料ではありません。

この料金表の最終更新は2026年4月1日で、いま生きている数字です。

シティ・オブ・ロンドンは、本・CD・朗読資料を1点につき1日25ペンスとしています。

新作映画やテレビ番組のDVDと、3枚組以上のボックスセットは1日1ポンドです。

それ以外のDVDは1日25ペンスです。

子どもと若年層の本には、延滞料がかかりません。

3市とも、紙の本の延滞料は1日25ペンス前後でそろっています。

金額そのものより効くのは、上限があるかどうかです。

ウェストミンスターは1点10ポンド、バーミンガムは1点6.50ポンドで止まります。

シティ・オブ・ロンドンが引いているのは別の線です。

未払いが20ポンド以上あるか、金額にかかわらず2か月以上たつと、延長ができなくなります。

延滞の督促を郵便で送る手数料は、1通51ペンスです。

カードを失くしたときの再発行は、大人が2ポンド、子どもが1ポンドです。

予約は1点につき1ポンドで、他館から取り寄せる相互貸借は1点3ポンドか15ポンドに、予約料1.50ポンドが足されます。

延滞料を言われたときの言い方

カウンターで金額を告げられたら、確かめる順番は3つです。

1つ目は How much is the fine? で、金額そのものを聞きます。

2つ目は Is there a maximum? で、上限があるかを聞きます。

上限のある市では、この1文で頭打ちの額が分かります。

3つ目は Can I pay by card? です。

シティ・オブ・ロンドンの図書館は、いま現金を受け取らずカード払いだけを扱っています。

免除を頼むときの語は waive で、語義は4個です。

中心の語義は「to not demand something you have a right to, or not cause a rule to be obeyed」です。

権利があるのに求めない、規則を守らせない、という意味です。

Cambridge の例文は「The bank manager waived the charge」で、銀行が手数料を取らなかった場面です。

頼むなら Could you waive the fine? になります。

延滞料を取ること自体は1964年法が例外として認めた行為なので、通らない前提で言います。

窓口で金額を告げられてから払い終わるまでの言い方は、お会計の英語でbillとcheckが分かれる境目で並べ直しています。↓

借りるか読むだけかで分かれる図書館の英語|有料会員と閲覧専用のReader Pass

住所の証明が出せない旅行者にも、残っている道が2つあります。

1つはお金を払って借りる道で、もう1つは最初から借りない道です。

月額11.80ポンドという買い方

ウェストミンスター市議会は、訪問者向けの有料会員を用意しています。

料金は月額11.80ポンドで、同時に借りられるのは2冊です。

無料のゲスト会員がパソコンとオンライン資料だけなのに対して、こちらは紙の本を持ち出せます。

住所の証明の代わりに、お金を置いていく設計です。

窓口で頼むなら Is there a paid membership for visitors? です。

シティ・オブ・ロンドンの基本会員も、同時に2冊までです。

こちらは無料で、証明書類の点数が足りない人に開かれている枠です。

通常の成人会員は、成人向けの本と楽譜を12点まで3週間借りられます。

子ども向けの本は8点、電子書籍は8点、電子の朗読図書は10点、CDは12点、DVDは6点です。

同じ館で2冊と12点に分かれるのは、出した証明書類の厚さの差です。

米国側の線はもっと単純で、シカゴ公共図書館は「Current, valid ID with name, photo and Chicago address is required to obtain a library card.」としています。

名前と写真とシカゴの住所が入った有効な身分証が要る、という条件です。

住所のところで、旅行者はそのまま止まります。

大英図書館の持ち出せない本

ロンドンには、そもそも貸し出さない図書館もあります。

大英図書館の閲覧室の案内は「Anyone aged 18 or over can use our Reading Rooms. You just need a free Reader Pass.」です。

18歳以上なら誰でも使えて、必要なのは無料の Reader Pass だけです。

住所の証明で線を引く市立図書館とは、入口の条件がまるで違います。

そのかわり「You can’t take the books out, but you can order collection items to consult in one of our Reading Rooms in London and Yorkshire.」という条件が付きます。

本は持ち出せず、閲覧室の中で見る形です。

館内の決まりも細かく、「Only pencils can be used in the Reading Rooms」です。

使える筆記具は鉛筆だけで、ペンは持ち込めません。

コート・かばん・パソコンのケースは、クロークかロッカーに預けます。

「No food or drink is to be taken into the Reading Rooms」なので、飲み物も持って入れません。

携帯とパソコンは消音にして、ヘッドホンの音量も下げます。

借りない図書館では、consult という動詞が borrow の代わりになります。

窓口で言うなら I’d like to consult this item in the reading room. です。

この言い方が、語義1個ずつしかない reading room と reference book とまっすぐつながります。

借りるより読むほうが条件は軽いので、短い滞在ならこちらが現実的です。

席とWi-Fiの図書館の英語|無料の範囲と有料の範囲

カードを作らない旅行者が実際に使うのは、席とWi-Fiです。

シティ・オブ・ロンドンの案内は、Wi-Fiについて「Free Wi-Fi is available in all our libraries.」としています。

接続先の名前は City Public で、「no need for any password」です。

パスワードを聞きに行く必要はありません。

館内のパソコンについては「available free of charge, for members and non-members」です。

会員でも非会員でも無料、と明記されています。

旅行者はこの non-members に入ります。

当日そのまま使うか、電話で24時間前までに予約する形です。

注意が要るのは終わりの時刻で、公共のパソコンは閉館の15分前に落ちます。

閉館時刻ではなく15分前が締め切りなので、作業はそこに合わせて畳みます。

印刷は白黒A4が1面15ペンス、白黒A3が30ペンスです。

カラーはA4が75ペンス、A3が1.50ポンドです。

スキャンは無料です。

支払いはいまカードだけで、現金は受け取っていません。

利用規約が禁じている使い方

エディンバラ市議会の図書館インターネット利用規約は、条番号を振った形で並んでいます。

8.1は「Users must not engage in activities that are, or access material that is, illegal or…offensive, obscene, abusive or otherwise disturbing to other Users」です。

違法なものと、ほかの利用者が不快に感じるものには触れない、という条文です。

8.3は公共パソコンの機器をいじらないこと、8.4はソフトの設定を変えないことです。

8.5は、ほかのコンピュータやネットワークへ不正にアクセスしないことです。

6.1は「All access to the internet is filtered to prevent access to inappropriate material」で、年齢に応じた段階でフィルタがかかります。

4は「Use of the Service is free of charge, however fixed charges will apply to basic printing / photocopying from public computers」です。

利用そのものは無料で、印刷とコピーだけに固定の料金がかかります。

3.4は「Public computer sessions can be pre-booked up to seven days in advance in hourly slots」です。

7日前まで、1時間単位で予約できます。

接続したときに出る同意画面の中身は、この規約そのものです。

読まずに押しているあの英文が、条番号付きで全部ここに書いてあります。

席とコンセントを確かめる言い方

席について聞くなら Can I sit here without a card? です。

「カードなしでここに座っていいですか」で、条件を先に相手へ渡しています。

静かな部屋かどうかを確かめるなら Is this a quiet study area? です。

quiet は語義13個の語で、中心は「making very little noise」です。

音をほとんど立てない、という意味なので、会話をしない部屋だと読み取れます。

コンセントを探すなら Is there a power socket? が短く済みます。

パソコンに予約が要るかを確かめるなら Do I need to book a computer? です。

reserve は語義26個の語で、自然保護区からスポーツの控え選手まで意味が広がっています。

この場面では、語義の狭い book のほうが素直に通ります。

同意画面が出たあとに繋がらないときの言い方は、Wi-Fiの英語でパスワードを聞く一文と繋がらないときの一文にまとめています。↓

図書館の英語についてよくある質問

図書館のカードは library card と membership card のどちらですか?

どちらでも通じます。

card は語義20個の語で、American Dictionary 側の例文に「a library/membership/business card」という並びがそのまま載っています。

同じ例文の中に library card と membership card が並んでいるので、辞書の側が両方を認めている形です。

窓口で名指しするなら、建物の名前が入った library card のほうが短く済みます。

旅行者でも本を借りられますか?

市によって分かれます。

バーミンガムは「You do not need to live in Birmingham to join our libraries.」なので、住んでいなくても入会できます。

シティ・オブ・ロンドンは「regular visitor to the City of London」まで対象に含めています。

ウェストミンスターは、住所の証明が出せない人を無料のゲスト会員として受け入れ、本の貸出だけを外しています。

分かれる理由は英語力ではなく、1964年法が貸出を「権限はあるが義務ではない」と書いたことにあります。

borrow と check out はどちらを使えばいいですか?

英国では borrow、米国では check out が自然です。

ただし borrow は語義7個で、そのうち図書館の意味が中心にあります。

check out は語義19個で、図書館の意味は2個しかありません。

迷ったときは borrow を選ぶほうが、取り違えの確率が下がります。

延滞料はいくらぐらいですか?

英国の3市はいずれも紙の本で1日25ペンス前後です。

ウェストミンスターは1日25ペンスで上限が1点10ポンド、バーミンガムは1日0.25ポンドで上限が6.50ポンドです。

シティ・オブ・ロンドンは1点につき1日25ペンスで、DVDの新作だけ1日1ポンドに上がります。

上限の有無は市ごとに違うので、窓口では Is there a maximum? を足します。

係の人の英語が聞き取れないときはどうしますか?

聞き返す1文を先に用意しておきます。

図書館のカウンターで飛んでくる語は proof of address・due date・overdue・fine の4つに偏っています。

この4つのどれかが聞こえたら、Do you mean my address? のように語を1つ返して確かめます。

聞き返す言い方そのものの選び方は、聞き返す英語でSorry?とPardon?が分かれる境目で語義から数えています。↓

覚えて帰る1文|図書館の英語を決めるのは建物ではなく動作

38語の語義を477個数えて、公的資料を13ページ読んで残った結論は1つです。

図書館の英語は、建物の名前ではなく、自分がそこで何をするかで決まります。

読むのか、借りるのか、つなぐのかで、必要な語も必要な書類もまったく変わります。

読むだけなら、英国では1964年法の第8条第4項が料金を禁じています。

大英図書館でさえ、18歳以上なら無料の Reader Pass で閲覧室に入れます。

借りるなら、第7条第1項の但し書きが効いて、市ごとの入会条件に当たります。

つなぐなら、シティ・オブ・ロンドンのように会員でも非会員でも無料と書いている館があります。

いちばん条件が重いのは借りることで、読むこととつなぐことは軽いという順番です。

だから最初の1文は、動作を決めない Can I use the library? で構いません。

そのあとに、自分の動作を1つだけ足します。

動作で分けた3つの言い方

読むなら Can I just read here? です。

この1文は、英国では法律の側が料金を禁じている行為をそのまま指しています。

借りるなら Can I borrow books as a visitor? です。

as a visitor を付けると、係の人は住民向けではない枠を先に出してきます。

つなぐなら Can I use the Wi-Fi without a card? です。

without a card が、いちばん答えの早い条件になります。

この3文に、遅れたときの Is there a fine? を足せば、館内で困る場面はほぼ埋まります。

覚えるのは4文で、単語を38語覚え直す必要はありません。

同じように無料で入れて、旅行者が英語で助けを求められる場所の使い方は、観光案内所の英語とiマークの読み方にまとめています。↓

参考文献

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