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自転車レンタルの英語は英hireと米rentで割れます|辞書177語と英豪加の法令・公式料金を読んで並べ直しました

旅先の朝、自転車のレンタルの店先に立った瞬間に、貼り紙の英語が一気に読めなくなります。

日本なら「1日いくら」「保証金あり」と漢字で示されている場所に、見慣れない単語が並んでいます。

いちばん上に大きく書いてある語が hire なのか rent なのかで、まず手が止まります。

どちらも学校で「借りる」と習った気がするのに、どちらを口に出せばいいのか決められません。

店員がこちらを見て、何か短い文を言いました。

聞こえたのは deposit という語だけです。

その deposit が戻ってくるお金なのか、戻ってこないお金なのかが分かりません。

カウンターの横には、ヘルメットが山積みになっています。

日本では被らずに乗っていたので、これが有料なのか無料なのかも判断がつきません。

そもそも、この国で被らないと違反になるのかどうかも知りません。

壁の表には時間らしい数字が並んでいますが、単位が 30 mins なのか per hour なのかで金額がまるで変わります。

店員がサドルの高さを指さして、また短い文を言いました。

うなずいてしまったあとで、サドルが高すぎることに気づきます。

鍵を渡されましたが、どこに返せばいいのかを聞きそびれました。

走り出してから、前輪の空気が少し抜けていることに気づきます。

戻って伝えたいのに、「空気入れ」という単語が出てきません。

日が暮れてきて、ライトの付け方が分からないまま歩道を押して帰ることになります。

自転車のレンタルの英語で詰まる理由は、単語を知らないからではありません。

日本語の「借りる」という1語が、英語では国ごとに別の単語へ割れているからです。

そして、その割れ目は辞書を引けば数として目に見えます。

この記事では Cambridge Dictionary の英語辞典で17語を実際に引き、語義がいくつ並ぶかを1語ずつ数えました。

数えた語義は全部で177個です。

あわせて、英国政府 GOV.UK の The Highway Code の自転車の章(Rules for cyclists 59 to 82)を読みました。

ヘルメットの決まりは、オーストラリアのニューサウスウェールズ州交通局とクイーンズランド州政府の自転車のページ、そしてカナダ・ブリティッシュコロンビア州の Motor Vehicle Act 第184条の条文から取りました。

公共シェアサイクルの料金は、ロンドンの Santander Cycles、ニューヨークの Citi Bike、ワシントンDCの Capital Bikeshare の公式料金ページを開いて写しました。

出典として並べたのは、この記事を書きながら実際に開けたページだけです。

開けなかったページのことは、1文字も書いていません。

TOC

自転車レンタルの英語は「Can I hire a bike?」の1文から始まる結論

店先で最初に口から出す文は、これ1つで足ります。

Can I hire a bike?

「自転車を借りられますか」という意味です。

英国・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドでは、この hire がそのまま通ります。

米国・カナダでは、同じ文の hire を rent に置き換えます。

Can I rent a bike?

英国はhire、米国はrent

この2語の入れ替えだけで、英語圏のほぼ全域をカバーできます。

そして、借りたあとに必要な英語も、実はそれほど多くありません。

値段を聞くなら How much is it for a day? です。

保証金の行き先を確かめるなら Is the deposit refundable? です。

ヘルメットが要るかを聞くなら Do I need a helmet here? です。

サドルを下げてほしいなら Could you lower the saddle? です。

返す場所を確かめるなら Where do I return it? です。

口から出す文はこの6つで足り、残りの9割は貼り紙と契約書を読む力です。

だから、この記事の残りは「店頭と路上に出てくる語を、辞書と公的資料で1つずつ確かめる」ことに使います。

最初に確かめるのは、hire と rent がなぜ割れたのかという1点です。

自転車レンタルの英語が英国と米国で割れる場所|hire 11語義とrent 15語義

Cambridge Dictionary で hire を引くと、語義が合計11個並びます。

内訳は、英語辞典の側に4個、American Dictionary の側に2個、Business English の側に5個です。

英語辞典の1つめの語義が「to pay to use something for a short period」です。

短い期間だけお金を払って何かを使う、という意味になります。

そして、その語義に添えられている例文が「How much would it cost to hire a car for the weekend?」です。

週末に車を借りるといくらかかるか、という文です。

つまり英語辞典の hire は、はっきり「物を短期間借りる」側の語として立っています。

問題は American Dictionary の側です。

こちらに並ぶ語義は2個だけで、「to start to employ someone」と「an employee」です。

米国側の辞書には、hireに「物を借りる」という語義が1つもありません。

米国の辞書にとって hire は、人を雇う語であり、雇われた人そのものを指す語です。

例文も「You ought to hire a lawyer to handle your taxes.」と「Those retiring will be replaced by new hires.」の2つです。

どちらも雇用の話であって、自転車の話ではありません。

ここが、日本人が店先で固まる本当の原因です。

では rent はどうかというと、語義は合計15個あります。

英語辞典に6個、American Dictionary に2個、Business English に7個です。

英語辞典の1つめは「a fixed amount of money that you pay regularly for the use of a room, house, car, television, etc.」です。

部屋・家・車・テレビなどを使うために定期的に払う決まった額、という名詞の語義になります。

動詞の側も「to pay or receive a fixed amount of money for the use of a room, house, car, television, etc.」です。

注目したいのは regularly と fixed amount という言葉です。

英語辞典の rent は、もともと家賃のように「定期的に払う」感触を持っています。

一方で American Dictionary の rent の例文には「I rented a car for the trip to Boston.」が入っています。

ボストンへの旅行のために車を借りた、という文です。

米国側では rent が、はっきり短期の貸し借りまで引き受けています。

Business English の側になると、rent に「to pay to use something for a short period of time」という語義が正面から立ちます。

これは英語辞典の hire の1つめとほぼ同じ文です。

同じ意味を、英国側はhireで、米国側はrentで受け持っています。

ちなみに rent には「a large hole torn in a piece of material」という語義もあります。

布に裂けた大きな穴のことで、動詞 rend の過去形としての rent も別に立っています。

自転車の話とは無関係ですが、辞書を引いたときに面食らう原因にはなります。

この割れ目は、机の上の話ではありません。

ロンドン交通局が運営する公共シェアサイクル Santander Cycles の料金の単位は「One 30 minute hire」です。

定期の側も「Unlimited 60 minute hires」という数え方です。

同じ仕組みをニューヨークで運営している Citi Bike の料金ページには、hire という語が出てきません。

あちらの単位は Single Ride と Day Pass と Annual Membership です。

公式の料金表そのものが、英国は hire、米国は ride という語で組まれています。

bikeとbicycleとcycleを自転車レンタルの英語として並べた語義の数

借りる側の動詞が決まったので、次は借りる物そのものの名前です。

Cambridge Dictionary で bike を引くと、語義は6個です。

英語辞典に4個、American Dictionary に2個あります。

英語辞典の1つめは「a bicycle」で、2つめが「a motorcycle」です。

American Dictionary の側も「a bicycle」のあとに「A bike is also a motorbike or motorcycle.」と続きます。

bikeという語は、英米どちらの辞書でもバイクとオートバイの両方を指します。

自転車を借りる店で bike と言って通じないことは、まずありません。

ただし、バイクのレンタルも扱っている観光地の店では、確認が入ることがあります。

その場で言い直すなら、pedal bike か push bike と足せば誤解が消えます。

いちばん誤解の少ない語は bicycle です。

bicycle の語義は3個しかありません。

英語辞典に2個、American Dictionary に1個です。

英語辞典の語義は「a two-wheeled vehicle that you sit on and move by turning the two pedals」です。

二輪で、またがって、ペダルを回して進む乗り物、という定義になります。

American Dictionary の側は「a vehicle with two wheels and a seat for a rider whose feet push pedals around in circles to make the wheels turn」です。

どちらもペダルを踏むことが定義に入っているので、オートバイと取り違えようがありません。

残る動詞の語義が「to ride a bicycle」で、これだけです。

三つめの候補が cycle です。

cycle の語義は13個あり、英語辞典に7個、American Dictionary に2個、Business English に4個です。

英語辞典の1つめは、はっきり「a bicycle」です。

添えられた例文が「Cycles cannot be taken on this train.」で、この列車に自転車は持ち込めない、という意味になります。

動詞の側にも「to ride a bicycle」が立っています。

American Dictionary の側は「short form of bicycle」とだけ示して、自転車としての扱いは薄いままです。

そして残りの語義は、全部「繰り返す一巡」のほうの cycle です。

「a series of events that happen in a particular order」や、景気の循環を指す business cycle がそれにあたります。

cycleは13個のうち自転車の語義が3個だけで、残り10個は循環の意味です。

だから cycle は、単独で口に出すより、看板を読む語として覚えるほうが役に立ちます。

英国で cycle hire と書いてあれば、それが自転車のレンタル店です。

cycle lane は自転車レーン、cycle path は自転車道を指します。

ついでに ride も数えておくと、語義は20個ありました。

英語辞典に10個、American Dictionary に4個、Business English に6個です。

英語辞典の1つめが「to sit on something such as a bicycle, motorbike, or horse and travel along on it controlling its movements」です。

名詞の側には「a journey on a horse or bicycle, or in a vehicle」があり、これがシェアサイクルの料金表に出てくる Single Ride の ride です。

ただし ride には「a free journey in another person’s vehicle, especially a car」という語義も入っています。

米国で Can I get a ride? と言うと、自転車ではなく車に乗せてほしいという意味になります。

貸し出しカウンターの自転車レンタルの英語|時間と台数と身分証の言い方

語の整理が済んだので、実際のカウンターの流れに並べ直します。

入口で最初に言うのは、借りたいという意思と台数です。

Hi, can I hire two bikes, please?

自転車を2台借りたい、という文になります。

米国なら hire を rent に替えるだけです。

次に聞かれるのが時間の長さです。

For how long?

答え方は、数字と単位をつなげるだけで足ります。

2時間なら For two hours, please. です。

半日なら For half a day, please. になります。

丸一日なら For the whole day, please. と言えば伝わります。

時間は for のあとに数字を置くだけで、文の形を変える必要がありません。

値段を先に確かめたいときは、単位を指定して聞きます。

How much is it per hour?

1日いくらかを聞くなら per hour を for a day に替えます。

安いほうを探しているなら Do you have a day rate? と聞く手もあります。

身分証を求められる場面もあります。

そのときに飛んでくるのが ID という語です。

Can I see some ID, please?

パスポートで足りるかどうかを確かめるなら、こう返します。

Is a passport OK?

身分証を預けたままにされることを避けたいなら、返却の時点を確かめておきます。

Do you keep it until I bring the bike back?

自転車を返すまで預かるのか、という文です。

自転車の大きさを選べる店なら、身長を伝えるのがいちばん早い方法になります。

I’m 165 centimetres. Which size should I take?

子ども用の椅子や補助輪が必要なら、child seat と training wheels という語をそのまま使います。

英国では training wheels ではなく stabilisers と呼ばれることがあります。

カゴが欲しいときの語が basket です。

Cambridge Dictionary の basket は語義7個で、1つめが「a light container, often with a handle, that is made of thin strips of wood, metal, or plastic twisted together」です。

買い物かごも自転車のカゴも、同じ basket で通ります。

同じカウンターの流れを四輪で経験しておくと自転車の側が一気に楽になるので、レンタカーのカウンターで保険・給油・返却に飛んでくる言葉もあわせて確かめておくと安全です。↓

ヘルメットの自転車レンタルの英語|豪州とカナダの法令が引いた線

店先でいちばん判断に迷うのがヘルメットです。

Cambridge Dictionary で helmet を引くと、語義は2個しかありません。

英語辞典に1個、American Dictionary に1個です。

英語辞典の定義は「a strong, hard hat that covers and protects the head」です。

American Dictionary の定義は「a hard hat that covers and protects the head」で、ほぼ同じ文になります。

例文にも「a bicycle helmet」と「a motorcycle/bicycle helmet」が並んでいます。

helmetは今回数えた17語のうち、英米の割れがまったく無い唯一の語です。

つまり、語を間違える心配はありません。

迷うのは語ではなく、被らないと違反になるかどうかのほうです。

そして、その線は国と州ごとに法律で引かれています。

ヘルメットは国の法律で決まる

英国の場合、GOV.UK が公開している The Highway Code の Rule 59 はこうなっています。

You should wear a cycle helmet that conforms to current regulations, is the correct size and securely fastened.

現行の規格に合い、サイズが合っていて、しっかり留めたヘルメットを被るべきだ、という文です。

文の助動詞は should であって、must ではありません。

同じ The Highway Code の中でも、夜間の灯火の条文(Rule 60)には Law RVLR regs 13, 18 & 24 という法令の根拠が添えられています。

灯火には根拠となる条文があり、ヘルメットには添えられていません。

この差が、英国でヘルメットが強制ではない理由です。

豪州2州が決めている基準

オーストラリアは、英国とは正反対です。

ニューサウスウェールズ州の交通局(Transport for NSW)は、自転車に乗る人はヘルメットを被らなければならないと明記しています。

Bicycle riders must wear an approved helmet securely fitted and fastened.

この義務は、補助輪付きの自転車に乗る子どもにも、後ろに乗せられている子どもにも、トレーラーで引かれている子どもにも及びます。

approved helmet の中身も、州が規格名で指定しています。

認められているのは AS/NZS 2063:2008、AS/NZS 2063:2020、EN 1078:2012+A1:2012、Snell B-95、ASTM F1447:2018、そして米国 CPSC の 16 C.F.R. Part 1203 です。

さらに、すべてのヘルメットには規格への適合を示す識別マークが付いている必要があります。

日本から持参したヘルメットにこのマークが無いと、豪州では使えない可能性があります。

レンタル店のヘルメットを借りるほうが確実なのは、この規格の問題があるからです。

クイーンズランド州も同じ立場で、自転車・電動の乗り物・電動キックボードのすべてに承認ヘルメットの着用を課しています。

規格として挙がっているのは AS 2063、AS/NZS 2063、EN 1078、CPSC 16、ASTM F1447、Snell B-95 です。

同州には例外も2つ用意されています。

1つめは、医学上の理由や身体的な特徴で被れない人が、期間を明記した医師の証明書を携帯している場合です。

2つめは、宗教上の集団に属し、その集団が慣習的に着用するかぶり物のためにヘルメットの着用が現実的でない場合です。

3輪・4輪の自転車に料金を払って乗っている客も、ヘルメットの対象から外れます。

観光地の自転車タクシーに乗る側がヘルメット無しで平気なのは、この例外のためです。

罰則の扱いも、クイーンズランド州は明確です。

自転車に乗る人が交通ルールを破ったときは、自動車の運転者と同じ額の反則金が科され、ただし違反点数は積まれません。

反則金を科すにあたっての年齢の下限もありません。

カナダBC州の罰金の上限

金額そのものが法律の条文に書いてある例が、カナダのブリティッシュコロンビア州です。

同州の Motor Vehicle Act 第184条の見出しが、そのまま Bicycle safety helmets です。

第1項は、公道で自転車を運転する人も、後ろに乗っている人も、承認されたヘルメットを正しく被っていなければ違反になると定めています。

第2項は、16歳未満の子の親や保護者が、ヘルメット無しで乗ることを認めたり黙認したりした場合も違反になると定めています。

そして第3項が金額の条文です。

A person who is convicted of an offence under subsection (1) or (2) is liable to a fine of not more than $100.

有罪となった者は100ドル以下の罰金に処される、という条文です。

上限は100カナダドルで、これは州法の条文そのものが定める数字です。

なお、この条文は現行法として公開されているものです。

店頭で確かめたいときは、この1文で足ります。

Is a helmet required by law here?

ここでは法律でヘルメットが必要ですか、という文です。

有料かどうかを続けて聞くなら Is the helmet included? と足します。

夜に走る日の自転車レンタルの英語|ライトと反射板の距離

ヘルメットが任意の国でも、灯火だけは義務になっている例がほとんどです。

英国の The Highway Code は、夜間に走る自転車が備えるべきものを列挙しています。

必要なのは、点灯した白色の前照灯と赤色の尾灯です。

それに加えて赤色の後部反射板が要ります。

1985年10月1日より後に製造された自転車には、琥珀色のペダル反射板も必要になります。

前面の白色反射板とスポークの反射板は任意です。

点滅するライトは許されていますが、街灯の無い場所では点灯したままの前照灯を併用することが推奨されています。

この条文には Law RVLR regs 13, 18 & 24 という根拠が添えられています。

英国ではヘルメットが任意で、ライトだけが法律の義務です。

オーストラリアの2州は、見える距離まで数字で決めています。

ニューサウスウェールズ州では、前方の白色ライトが200メートル先から見えることが必要です。

後方の赤色ライトも200メートル先から見えることが求められます。

後部の赤色反射板は、自動車の下向きヘッドライトに照らされたときに50メートル先から見えることが基準です。

点灯の時間帯は、日没から日の出までと、視界の悪い天候のときです。

クイーンズランド州の数字も、200メートル・200メートル・50メートルで一致しています。

ただしクイーンズランド州は、ライトを自転車に付けても身に着けてもよいと認めています。

点滅でも点灯でもよい、という点も明記されています。

灯火以外の装備も、同じ2州で共通です。

ニューサウスウェールズ州は、動作するホーンかベルと、少なくとも1つの動作するブレーキを法律上の義務にしています。

クイーンズランド州も、動作するブレーキを最低1つと、ベル・ホーン・同等の警告装置を要求しています。

だから、借りる前に確かめる英語は、この2つになります。

Does this bike have lights?

Does it have a bell?

ライトが別料金なら、こう聞き返します。

Can I hire a light as well?

ベルは英語で bell、前照灯は front light か headlight、尾灯は rear light か tail light です。

反射板は reflector で、この語はそのまま通じます。

デポジットの自転車レンタルの英語|deposit 21語義のどれを聞かれているか

カウンターで最も損をしやすいのが deposit です。

Cambridge Dictionary の deposit は、語義が合計21個あります。

英語辞典に8個、American Dictionary に7個、Business English に6個です。

今回数えた17語の中では、lock の18個や ride の20個を抜いて最多でした。

問題は、その21個の中に、性質のまったく違うお金が同居していることです。

英語辞典の中に「an amount of money that you pay as the first part of the total payment for something」があります。

これは総額の一部を先に払う頭金で、戻ってきません。

同じ英語辞典の別の語義が「an amount of money that you pay when you rent something, and is returned to you when you return the thing you have rented」です。

こちらは借りた物を返せば戻ってくる保証金です。

同じdepositという1語が、戻る金と戻らない金の両方を指しています。

American Dictionary の側は、この違いをもっと細かく分けています。

1つは「an additional sum of money that you pay when you rent something to make sure you return the item or to pay for repairs」です。

返却の担保と修理代の充当を兼ねる、という書き方になっています。

もう1つが「an amount paid in addition to the cost of something to make sure you bring its container back」で、例文は a bottle deposit です。

瓶を返すと戻ってくる預り金のことで、自転車の鍵やヘルメットにも同じ発想が使われます。

Business English の側にも「an amount of money that someone renting a property pays to the owner of the property, which they get back when they leave only if they have not caused any damage」があります。

損傷が無い場合に限り戻る、という条件が語義そのものに入っています。

depositは戻るか必ず聞く

そのための1文が、これです。

Is the deposit refundable?

refundable という語は、Cambridge Dictionary では語義3個しかありません。

英語辞典の定義は「If an amount of money is refundable, it can be given back to the person who paid it」です。

例文にも「The charge includes a refundable security deposit.」が並んでいます。

refundableは語義が3個しかないので、取り違えようがない安全な語です。

いつ戻るかまで確かめるなら、こう続けます。

When do I get it back?

カードで押さえるだけか、現金を実際に預けるのかも、金額に直結します。

Do you take a card, or do I leave cash?

カードで押さえる方式のときに飛んでくるのが hold や pre-authorisation という語です。

金額を確かめるなら How much do you hold on the card? と聞けば足ります。

傷を付けたときの扱いを先に知っておきたいなら、この1文が役に立ちます。

What happens if the bike gets damaged?

盗難のときの扱いも、借りる前に確かめておくほうが安全です。

Am I covered if it’s stolen?

シェアサイクルの自転車レンタルの英語|ロンドンとニューヨークの公式料金

店を通さずに、街頭の機械から借りる方法もあります。

この仕組みを英語では bike share や bike hire scheme と呼びます。

自転車が並んでいるラックの英語が dock です。

Cambridge Dictionary の dock は語義18個で、英語辞典に8個、American Dictionary に4個、Business English に6個あります。

1つめは港の船だまりで、法廷の被告席という語義まで入っています。

その中の6つめが「a docking station」で、これがシェアサイクルの駐輪ラックを指す語義です。

dockは18個の語義のうち、自転車に関係するのは1つだけです。

機械の前で使う動詞としては、そのまま dock the bike と言えば通ります。

借りる側の操作は unlock、返す側の操作は dock か return です。

ロンドンの公式料金

ロンドン交通局が運営する Santander Cycles の料金は、公式の料金ページに4つ並んでいます。

いちばん短いのが Single Ride で、4.65ポンドです。

この4.65ポンドで乗れるのは「One 30 minute hire」、つまり30分の貸し出し1回分です。

30分を超えると、追加の30分ごとに1.65ポンドがかかります。

電動自転車を選ぶと、解錠に1.35ポンドが上乗せされ、追加の30分ごとに3ポンドになります。

1日券にあたるのが Day Pass で、6.50ポンドです。

こちらは24時間のあいだ、60分の貸し出しを何度でも使えます。

60分を超えたぶんは、追加の60分ごとに1.65ポンドです。

電動自転車の解錠は1ポンド、追加の60分ごとに3ポンドがかかります。

月額の Monthly は23ポンド、年額の Annual は123ポンドです。

どちらも60分の貸し出しが無制限で、最初の自転車用キー(3ポンド相当)が含まれます。

ロンドンの料金表は、単位そのものが hire という語で数えられています。

だからロンドンでは、Can I hire a bike? という言い方が看板の言葉と完全に一致します。

ニューヨークとワシントンの公式料金

ニューヨークの Citi Bike は、公式の料金ページで Single Ride を4.99ドルと示しています。

この4.99ドルで乗れるのは30分で、それを超えると1分あたり0.41ドルが加算されます。

Day Pass は1日25ドルで、24時間のあいだクラシック自転車の30分の乗車が無制限です。

超過分は同じく1分あたり0.41ドルになります。

年会員は239ドルで、別枠の Lyft Pink Annual は199ドルです。

電動自転車の単価は会員が1分0.27ドル、非会員が1分0.41ドルと分かれています。

無料で乗れる時間も会員と非会員で違い、クラシック自転車で会員は45分、非会員は30分です。

解錠料は会員が無料、単発の Single Ride は4.99ドルという扱いです。

なお、この料金ページ自体に「Prices subject to change.」という断りがあります。

数字が動く前提の表なので、乗る当日に画面で確かめる価値があります。

ワシントンDCの Capital Bikeshare は、単発の解錠料を1ドルに設定しています。

そのうえで、普通の自転車が1分0.15ドル、電動自転車が1分0.35ドルです。

1日券は10ドルで、最初の45分が無料、超えると1分0.05ドルになります。

1日券なら電動自転車も1分0.15ドルまで下がり、解錠料はかかりません。

年会員は120ドルからで、45分無料・超過1分0.05ドル・電動1分0.15ドル・解錠無料という条件です。

3都市を並べると、言葉の設計の違いがはっきりします。

  • ロンドン=Single Ride 4.65ポンド/Day Pass 6.50ポンド/Monthly 23ポンド/Annual 123ポンド(単位は hire)
  • ニューヨーク=Single Ride 4.99ドル(30分)/Day Pass 25ドル/年会員239ドル(単位は ride)
  • ワシントンDC=解錠1ドル+1分0.15ドル/Day Pass 10ドル/年会員120ドルから(単位は minute)

英国は「1回の貸し出し」を数え、米国は「1回の乗車」か「1分」を数えています。

料金の読み違いは、この数え方の違いから生まれます。

返す場面の自転車レンタルの英語|returnとdockの使い分け

借りるときより、返すときのほうが言葉に迷います。

店から借りた自転車を返すときの動詞は return です。

Where do I return the bike?

借りた店と別の場所に返せるかを確かめるなら、こう聞きます。

Can I drop it off at another shop?

drop off は「置いていく」という感触の句動詞で、車でも自転車でも使えます。

シェアサイクルなら、返す動詞は dock になります。

The dock is full. Where else can I return it?

ラックが満杯で返せない、という場面で使う文です。

返却の時刻は、店の閉店時刻に縛られます。

What time do you close?

閉店後の返却口があるかを聞くなら、こう続けます。

Is there a place to leave it after you close?

時間を延ばしたいときは、延長の1文を電話で言えば足ります。

Can I keep it for another two hours?

追加料金の有無も、その場で確かめます。

How much extra is that?

遅れそうだと伝えるだけなら、I’m running late. の1文で伝わります。

遅刻の連絡は、理由より先に「遅れる」という事実だけを言えば足ります。

閉店時刻の読み違いが返却の失敗の大半を占めるので、営業時間の英語と政府の時刻の書き方を先に押さえておくと安全です。↓

壊れた日の自転車レンタルの英語|パンクと鍵とサドルの伝え方

走り出してからの不具合は、語を1つ知っているかどうかで解決の速さが変わります。

英国でタイヤの空気が抜けたときの語が puncture です。

Cambridge Dictionary の puncture は語義4個で、英語辞典に3個、American Dictionary に1個です。

英語辞典の1つめが「a small hole made by a sharp object, especially in a tyre」で、タイヤを名指ししています。

例文も「My bike has had two punctures in the last three weeks.」です。

一方で American Dictionary の側は「a small hole made by a sharp object」だけで、タイヤに言及していません。

punctureのタイヤの語義は、英語辞典の側にしか立っていません。

だから米国では、I have a flat tire. のほうが早く通じます。

英国では I’ve got a puncture. がそのまま自然な言い方です。

空気入れが欲しいときの語が pump です。

Cambridge Dictionary の pump は語義13個で、英語辞典に7個、American Dictionary に4個、Business English に2個あります。

1つめは「a piece of equipment that is used to cause liquid, air, or gas to move from one place to another」で、例文に「a water/bicycle/fuel pump」が並びます。

やっかいなのは、pump に女性用の靴を指す語義が3つも入っていることです。

バレエシューズのような平たい靴、かかとのある留め具の無い靴、子どもが体育で履く布の靴が、それぞれ別の語義になっています。

自転車の前で言えば取り違えは起きませんが、電話やメールで pump とだけ書くと伝わりません。

確実に伝えるなら、こう言います。

Do you have a bicycle pump?

ブレーキの利きが悪いときの語が brake です。

Cambridge Dictionary の brake は語義4個で、英語辞典に3個、American Dictionary に1個です。

1つめが「a device that makes a vehicle go slower or stop, or a pedal, bar, or handle that makes this device work」で、例文に「She had no brakes on her bicycle.」が入っています。

借りる前にブレーキを握る

ニューサウスウェールズ州もクイーンズランド州も、動作するブレーキを最低1つ備えることを法律で求めています。

利かないまま走れば、事故の危険と違反の両方を背負うことになります。

The brakes don’t work very well.

別の自転車に替えてほしいなら、こう足します。

Could I swap it for another one?

鍵の語が lock です。

Cambridge Dictionary の lock は語義18個で、英語辞典に12個、American Dictionary に5個、Business English に1個です。

1つめは「a device that prevents something such as a door from being opened and can only be opened with a key」です。

ところが2つめが「a length of water with gates at each end」で、これは運河の閘門を指します。

さらに「a small group of hairs, especially a curl」という髪の房の語義まで入っています。

lockは18個の語義のうち、鍵として使えるのは半分以下です。

とはいえ自転車の前で言えば、鍵以外に取られる心配はありません。

The lock won’t open.

暗証番号の式なら、番号は code か combination と呼びます。

Could you tell me the code again?

サドルの高さが合わないときの語が saddle です。

Cambridge Dictionary の saddle は語義10個で、英語辞典に6個、American Dictionary に3個、Business English に1個あります。

英語辞典の1つめが「a seat on a bicycle, motorcycle, etc.」で、自転車の座席が先頭に来ています。

例文も「My bike needs a new saddle.」と「Could you lower the saddle for me?」の2つです。

後者はそのまま店頭で使える文になっています。

Could you lower the saddle for me?

上げてほしいなら lower を raise に替えるだけです。

なお American Dictionary の側では、馬の鞍が1つめで、自転車の座席は2つめに置かれています。

米国で saddle が通りにくいと感じたときは、seat と言い替えれば確実です。

転んでけがをしたときに向かう先の言葉は別に用意しておく必要があるので、病院の受付と問診と会計で使う英語もあわせて読んでおくと落ち着けます。↓

相手が言ってくる自転車レンタルの英語|返ってくる文と逃げ方

こちらが話す英語より、相手が言ってくる英語のほうが手強い場面があります。

貸し出しカウンターで飛んでくる文は、数えるほどしかありません。

最初に来るのが時間の確認です。

How long do you need it for?

次が身分証の確認です。

Can I take a photo of your ID?

保証金の説明は、たいてい deposit という語が文の真ん中に入ります。

There’s a twenty-pound deposit, and you get it back when you bring the bike in.

返却の期限は、時刻をそのまま言われます。

Just have it back by six, please.

装備の説明では、helmet と lock と light の3語が繰り返されます。

The helmet and the lock are included.

サイズの提案では、too big と too small が使われます。

That one might be a bit too big for you.

聞こえた語が1つでもあれば、その語だけを繰り返して確認すれば足ります。

deposit という語だけ聞こえたなら、こう返します。

Sorry, the deposit? How much is it?

時刻らしい数字だけ聞こえたなら、こう返します。

Sorry, by what time?

まったく聞き取れなかったときの逃げ方は、この1文です。

Sorry, could you write it down?

書いてもらえば、金額も時刻も規格名も確実に残ります。

貸し出しの契約書を渡されたときは、読む場所を先に決めておくと速くなります。

deposit の額、返却の時刻、damage の扱い、theft の扱いの4か所だけを探せば足ります。

この4語が見つからない契約書は、そもそも短い契約書です。

自転車レンタルの英語についてよくある質問

hireとrentはどちらを言えば安全ですか?

滞在先が英国・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドなら hire、米国・カナダなら rent が自然です。

Cambridge Dictionary の American Dictionary には hire の「物を借りる」語義が無く、hire は人を雇う語として立っています。

迷ったときは、名詞の rental を使って Do you do bike rentals? と聞く手もあります。

rental の語義は9個で、そのうちの1つが「something such as a house, car, or bike that you rent」です。

この語義には bike そのものが例として書き込まれているので、どちらの国でも誤解が起きません。

ヘルメットは必ず被る必要がありますか?

国と州によって、法律上の扱いが正反対に分かれます。

英国の The Highway Code の Rule 59 は should wear という表現で、法令の根拠が添えられていません。

一方でオーストラリアのニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州は、承認ヘルメットの着用を義務にしています。

カナダのブリティッシュコロンビア州は、州法の第184条で違反と定め、100ドル以下の罰金を科すことができます。

だから、借りる前に Is a helmet required by law here? と聞くのが確実です。

日本のヘルメットを持っていっても使えますか?

規格の適合マークが付いているかどうかで結論が変わります。

ニューサウスウェールズ州が認めているのは AS/NZS 2063、EN 1078、Snell B-95、ASTM F1447、CPSC 16 C.F.R. Part 1203 のいずれかに適合するヘルメットです。

そして、すべてのヘルメットに適合を示す識別マークが必要という条件も付いています。

手持ちのヘルメットにこれらのマークが無いなら、現地で借りるほうが安全です。

落としたりひびが入ったりしたヘルメットは交換するよう、同州は重ねて呼びかけています。

シェアサイクルは1日いくらかかりますか?

都市ごとに料金の数え方そのものが違います。

ロンドンの Santander Cycles の Day Pass は6.50ポンドで、60分の貸し出しが24時間のあいだ無制限です。

ニューヨークの Citi Bike の Day Pass は25ドルで、30分の乗車が24時間のあいだ無制限になります。

ワシントンDCの Capital Bikeshare の1日券は10ドルで、45分まで無料、超過は1分0.05ドルです。

どの都市も超過分が分単位で積み上がるので、1回の乗車を無料の枠で切ることが節約の要点になります。

夜に走るとき何が必要ですか?

最低限、前の白色ライトと後ろの赤色ライト、そして後部の赤色反射板が要ります。

英国では、1985年10月1日より後に製造された自転車に琥珀色のペダル反射板も必要です。

オーストラリアの2州は、前後のライトが200メートル先から、後部反射板が50メートル先から見えることを求めています。

点灯の時間帯は日没から日の出まで、加えて視界の悪い天候のときです。

借りるときに Does this bike have lights? と1文だけ聞けば、夜の不安はほぼ消えます。

覚えて帰る1文|自転車レンタルの英語を決めるのは単語ではなく動作

最初に戻ります。

店先で口から出す英語は Can I hire a bike? の1文で足ります。

米国とカナダでは hire を rent に替えるだけです。

残りは、契約書と貼り紙に出てくる語を読めるかどうかの勝負になります。

そして、その語は名前ではなく動作から引くと早く出てきます。

借りたいなら hire か rent、返したいなら return か dock です。

お金を確かめたいなら deposit と refundable、頭を守りたいなら helmet です。

夜に走るなら light と reflector、止めたいなら brake、留めたいなら lock になります。

座り心地を直したいなら saddle、空気を入れたいなら pump です。

自分が次にやりたい動作から語を引くと、貼り紙は急に読めるようになります。

国の割れ目は、英国側と米国側の2列で覚えれば足ります。

そして法律の線は、ヘルメットと灯火の2か所だけを確かめれば足ります。

この記事で数えた語と語義の数

Cambridge Dictionary で実際に引いて数えた語義の数を並べます。

  • hire 11個/rent 15個/rental 9個/deposit 21個/refundable 3個
  • bike 6個/bicycle 3個/cycle 13個/ride 20個/dock 18個
  • helmet 2個/lock 18個/saddle 10個/pump 13個/brake 4個/puncture 4個/basket 7個

17語の合計は177個でした。

語義が2個しかない helmet と、3個しかない refundable と bicycle は、取り違えようがありません。

語義が18個を超える deposit と ride と dock と lock が、混乱の元です。

語義の少ない語を選んで言うほど、旅先の会話は短く済みます。

自転車で走り出したあとにいちばん多く使うのは道を尋ねる文なので、道を聞く英語と、聞いたあとに飛んでくる道案内の言葉もあわせて読んでおくと迷いません。↓

参考文献

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