
食べ放題の英語で最初に口が止まるのは、入口の看板に buffet と all-you-can-eat と unlimited が並んでいて、どれが自分の想像している食べ放題なのか分からない場面です。
日本語なら「食べ放題」の一語で済みます。
ホテルの朝食ビュッフェも、焼肉の時間制のコースも、ケーキバイキングも、全部が食べ放題です。
ところが英語の看板では、取りに行く形と、注文する形と、値段の決まり方で、呼び名が分かれます。
店に入れば入ったで、別の壁が待っています。
店員に Help yourself. と言われても、何を手伝ってくれるのか分かりません。
皿を持ったまま料理の前に戻ろうとして、別の客に Use a clean plate. と声をかけられます。
デザートの台の前で、トングと呼ぶのかどうかも分からずに指をさします。
食べきれなかった料理を持って帰りたいのに、何と頼めばいいのかが出てきません。
つまずく理由は、単語を知らないからではありません。
日本語の「食べ放題」が、英語では「どう取るか」と「いくら払うか」の2本の軸に割れているからです。
そして店の中の動き方は、辞書ではなく各国の公的なルールが決めています。
この記事では Cambridge Dictionary で30語を引き、見出し語があった29語の語義を1個ずつ数えました。
合計は201個でした。
残る1語は sneeze guard で、料理の上にかぶせる透明な板の呼び名ですが、見出し語そのものがありませんでした。
そのうえで、米国食品医薬品局(FDA)の食品規範 Food Code、英国食品基準庁(FSA)のアレルゲンの手引き、消費者庁と厚生労働省が連名で出した「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」、そして消費者庁の食品ロス削減の取組のページという4つの原文を読みました。
出典として並べたのは、この記事を書きながら実際に開けたページだけです。
開けなかったページの内容は一文字も書いていません。
なお、この記事は食中毒やアレルギーの医学的な助言をする記事ではありません。
公的なページに載っている文と数字を、そのまま置いていきます。
食べ放題の英語は「Is this all-you-can-eat?」の1文|buffetより先に結論
結論から書きます。
Is this all-you-can-eat?
これは食べ放題ですか、という意味です。
入口で、メニューを渡されたときに、席に案内される途中で、この一文をそのまま使えます。
食べ放題は all-you-can-eat の1語です。
ハイフンでつないだ4語をひとかたまりにして、名詞の前に置く形容詞として使います。
看板に buffet とだけ書いてあっても、この一文で確かめれば取り違えません。
値段の聞き方も、同じ枠に入れられます。
How much is it per person?
1人いくらですか、という意味です。
時間の決まりがあるかどうかは、名詞を time limit にして聞きます。
Is there a time limit?
時間制限はありますか、という意味になります。
飲み物が値段に入っているかどうかは、included を使います。
Are drinks included?
飲み物は含まれていますか、という意味です。
この4文のうち、どれを使っても相手は同じ枠組みで受け取ります。
覚えるのが1つだけなら、いちばん上の Is this all-you-can-eat? にしてください。
理由は3つあります。
ひとつめは、Cambridge Dictionary が all-you-can-eat を「好きなだけ料理を取れるレストランの食事」の意味で載せていて、意味がまっすぐ食べ放題に届くことです。
ふたつめは、Is this 〜? の型が、入口でも席でも料理台の前でも同じ形で使い回せることです。
みっつめは、buffet という語の発音と意味の揺れを踏まずに済むことです。
buffetを口にせずに確かめるのが、いちばん取り違えの少ない形です。
なぜそう言えるのかを、ここから辞書の語義の数と公的なルールでほどいていきます。
食べ放題の英語をbuffetと訳すとズレる理由|Cambridgeが並べるbuffetの語義5個
Cambridge Dictionary で buffet を引くと、語義が5個並びます。
内訳は、英英の学習者辞典に3個、米語の辞典に2個です。
英英の学習者辞典の1個目は「a meal where people serve themselves different types of food」でした。
いろいろな料理を自分で取る食事、という説明です。
量の話は、この説明に入っていません。
buffetが決めているのは「自分で取る」形であって、「好きなだけ」かどうかではありません。
2個目は、駅の中にある飲食の店を指す語義です。
説明は「a restaurant in a station, where food and drinks can be bought and eaten」でした。
3個目は動詞で、風や雨が何かを繰り返し強く打つ、という意味です。
例文には The little boat was buffeted mercilessly by the waves. が載っていました。
小さな舟が波に容赦なく打たれた、という文です。
米語の辞典の2個も、食事の語義と、繰り返し打つという動詞の語義の組み合わせでした。
同じ綴りの中に、食事と駅の店と強く打つ動作が同居しています。
発音も一つではありません。
食事の buffet は、英国の発音が /ˈbʊf.eɪ/、米国の発音が /bəˈfeɪ/ と載っています。
打つほうの buffet は /ˈbʌf.ɪt/ で、最後の t まで発音します。
つまり食事のほうは、どちらの国でも最後の t を読みません。
例文にも、食べ放題とは別の軸が見えます。
Are you having a sit-down meal or a buffet at the wedding?
結婚式は着席の食事にするのか、ビュッフェにするのか、という文です。
ここで buffet と対になっているのは、量ではなく「座って運ばれてくる食事」です。
sit-down も引くと語義が8個並び、そのうち1個が「テーブルに座っている人に出される食事」という意味でした。
英語の buffet は、まず「運ばれてくるか、取りに行くか」の軸の上にある語です。
料金が定額かどうかは、buffetという語だけでは決まりません。
だから buffet と書かれた店で、取った皿ごとに値段がつく形があっても、語の意味とは矛盾しません。
入口で Is this all-you-can-eat? と一度聞いておく理由は、ここにあります。
buffet・all-you-can-eat・unlimited・smorgasbord・carveryを食べ放題の英語として並べ直したときの語義の数
食べ放題の看板に出てくる語を、Cambridge Dictionary で同じように引きました。
語ごとの語義の数は、次のとおりです。
| 語 | 語義の数 | 食べ放題に関わる語義 |
|---|---|---|
| buffet | 5個 | 自分で取る食事 |
| all-you-can-eat | 2個 | 好きなだけ取れるレストランの食事 |
| unlimited | 3個 | 限りのない |
| smorgasbord | 3個 | 温かい料理と冷たい料理を並べて自分で取る形 |
| carvery | 1個 | 大きな肉を切り分けてもらう店 |
| spread | 36個 | テーブルに並んだたくさんの料理 |
all-you-can-eat の2個は、どちらも形容詞でした。
1個目は「used to describe a meal at a restaurant where people can serve themselves as much food as they want」です。
レストランで、好きなだけ自分で料理を取れる食事を言う語、という説明になります。
例文は The bar has an all-you-can-eat buffet lunch for $10. で、金額は例文の中の数字です。
buffetの前に置く形が、そのまま例文に出ています。
2個目は、会社がサービスを好きなだけ使わせる仕組みを言う語義でした。
インターネットや通信の定額の話にも、同じ語が使われます。
unlimited は、英英・米語・ビジネスの3つの辞典に1個ずつで、合わせて3個です。
説明はどれも「限りのない」で、食事の語義は入っていません。
例文には、旅の定期券、レンタカーの走行距離、インターネットの定額が並んでいました。
unlimitedは何にでも付く「無制限」で、食べ放題を言う専用の語ではありません。
smorgasbord は、英英の学習者辞典に2個、米語の辞典に1個です。
1個目は温かい料理と冷たい料理をたくさん並べて自分で取る形で、米語の辞典は最後に a buffet と言い換えています。
2個目は、いろいろな種類のものが差し出されている様子を言う語義でした。
carvery は語義が1個だけです。
大きな肉の塊から切り分けてもらい、野菜を添えて食べる店で、定額で好きなだけ食べられることが多い、という説明でした。
肉を切り分けてもらう形の食べ放題を探すときに、看板で出会う語です。
spread は36個もの語義を抱えています。
その中に1個、特別な機会のためにたくさんの料理をテーブルに並べた食事、という語義がありました。
食べ放題の店の名前ではなく、並んだ料理の眺めを言う語です。
並べ直すと、量を言う語は all-you-can-eat と unlimited で、形を言う語は buffet と smorgasbord と carvery でした。
carvery の説明にも「好きなだけ」が出てきますが、「多い」という添え書きの形でした。
量を説明の芯に置いて食べ放題を1語で言い切れるのは、all-you-can-eatだけです。
入店と料金の食べ放題の英語|perとsurchargeの聞き方
入口で必要になるのは、値段の単位と、追加の料金の2つです。
値段の単位を言う語は per です。
Cambridge Dictionary では per の語義が4個並び、学習者辞典の1個目は「for each」の意味でした。
How much is it per person?
1人あたりいくらですか、という意味です。
子どもの料金を確かめたいときは、名詞を差し替えます。
How much is it for children?
子どもはいくらですか、という意味になります。
年齢で料金が変わる店では、年齢を聞き返されることがあります。
How old are they?
お子さんは何歳ですか、という意味です。
その場合は、数字で答えれば足ります。
She’s six and he’s nine.
6歳と9歳です、という意味です。
追加の料金を言う語は surcharge です。
語義は5個並び、学習者辞典の1個目は「いつもの代金に上乗せされる料金」でした。
例文には If you order the tickets by mail, there is a $5.00 surcharge. が載っていました。
看板やメニューの隅にsurchargeとあれば、本体の値段とは別にかかる料金の印です。
Is there a surcharge for weekends?
週末は追加料金がかかりますか、という意味です。
飲み物が値段に入っているかは、included で確かめます。
Are drinks included, or are they extra?
飲み物は含まれていますか、それとも別料金ですか、という意味です。
extra は「追加の」という意味で、店員の返事にもよく出てきます。
時間の決まりを確かめる語は time limit です。
Cambridge Dictionary では語義が2個で、学習者辞典の語義は「何かをするのに許される最も長い時間」です。
例文は There’s a 3-hour time limit on Internet use in the library. で、図書館のインターネットの話です。
Is there a time limit?
時間制限はありますか、という意味です。
制限の長さまで聞くなら、How long を使います。
How long do we have?
どのくらいの時間いられますか、という意味になります。
最後の注文の時刻を聞くときは、動詞を stop にします。
What time do you stop taking orders?
何時に注文を締め切りますか、という意味です。
追加の料金はextraと覚えておけば、伝票を見たときにも読めます。
料理を取る食べ放題の英語|help yourselfとserveの向き
料理の台の前で最初に耳にするのは、Help yourself. です。
help を Cambridge Dictionary で引くと、語義が17個並びます。
内訳は、英英の学習者辞典に11個、米語の辞典に5個、ビジネスの辞典に1個です。
学習者辞典の6個目が「to take something for yourself」、自分で取る、という語義でした。
例文は “Might I have some more bread?” “Please, help yourself!” です。
パンをもう少しいただけますか、どうぞご自由に、というやり取りになります。
Help yourself.は「手伝って」ではなく「ご自由にお取りください」です。
取るものを言うときは、to を付けて後ろに置きます。
Please help yourself to the salad.
サラダはご自由にお取りください、という意味です。
学習者辞典の5個目は「to give something to someone」で、相手に取り分ける向きの語義でした。
例文は Can I help you to some more soup? で、スープをもう少しお注ぎしましょうか、という意味です。
同じ help でも、yourself が付けば自分で取る、you to が付けば相手に取り分ける、と向きが逆になります。
料理を出す側の動詞は serve です。
serve の語義は24個並び、学習者辞典の1個目は「to provide food or drinks」でした。
店の人が料理を取り分けてくれる台では、こう言われます。
Can I serve you some of this?
こちらをお取りしましょうか、という意味です。
受けるときは、量まで言えば一度で済みます。
Just a little, please.
少しだけお願いします、という意味です。
self-service も同じ軸の上の語です。
Cambridge Dictionary では語義が4個並び、学習者辞典の語義は「店員に出してもらわずに、自分で品物や料理を集める形」です。
例文の中に、a self-service salad bar という形が出てきます。
その場で焼いたり切り分けたりする場所は、station と呼ばれます。
station の語義は16個で、その中に「特定のサービスや仕事のための建物や場所」という語義がありました。
Where’s the omelette station?
オムレツを作ってくれる場所はどこですか、という意味です。
肉を切り分けてもらう台なら、動詞は carve です。
carve の語義は4個で、学習者辞典の2個目が「調理した大きな肉から薄く切り分ける」でした。
Could you carve me a slice, please?
1切れ切っていただけますか、という意味です。
料理の量を言う語は portion で、学習者辞典の2個目が「1人に出される、ある料理の量」でした。
取る側の英語はhelp yourself、出す側の英語はserveと覚えると向きを取り違えません。
皿と道具の食べ放題の英語|plate・tray・tongs・ladleの呼び方
料理の台の前で手が止まるのは、道具の名前です。
皿は plate で、Cambridge Dictionary には語義が17個並びました。
学習者辞典の1個目は「平たくて、ふつうは丸い、縁が少し立ち上がった食器」です。
2個目は「皿に載った料理の量」で、皿そのものではなく中身を指す語義でした。
Where are the plates?
お皿はどこですか、という意味です。
新しい皿をもらうときは、clean を付けます。
Can I get a clean plate?
きれいなお皿をもらえますか、という意味です。
大皿は platter で、語義は4個でした。
学習者辞典の1個目は「料理を出すための大きな皿、または大皿に1種類の料理を盛った食事」です。
台に並んでいる大皿から取り分ける形を、ここで言葉として押さえておけます。
お盆は tray で、語義は3個並びました。
学習者辞典の1個目は「飲み物や料理を運ぶための、ふつう縁のある平たいもの」です。
Do I need a tray?
お盆は要りますか、という意味です。
トングは tongs で、語義の欄は3個ありました。
学習者辞典の説明は、一方の端でつながった2本の長い棒で、もう一方の端を押し合わせて物をつかむ道具、というものです。
tongsは学習者辞典でも米語の辞典でも複数形の名詞の扱いで、語尾のsを落としません。
Are there any tongs for the bread?
パン用のトングはありますか、という意味です。
おたまは ladle で、語義は3個でした。
学習者辞典の1個目は「主にスープを注ぐための、柄の長い深い大きなスプーン」です。
2個目は動詞で、おたまでスープを器に注ぐ動作そのものを言います。
Is there a ladle for the soup?
スープ用のおたまはありますか、という意味です。
最後に、料理の上にかぶせてある透明な板です。
英語で sneeze guard と呼ばれることのある板ですが、Cambridge Dictionary には見出し語がありませんでした。
米国の Food Code の 3-306.11 は、同じ役目のものを salad bar food guards と呼んでいます。
辞書にない語を使わないのが、言い間違いを避けるいちばん確かな方法です。
板の名前を知らなくても、This one, please. と指させば料理は取れます。
米国の食べ放題の英語|FDAの食品規範が決めている皿と生ものの線引き
米国の食べ放題で、日本と動き方が違うのは皿の扱いです。
米国食品医薬品局(FDA)は、食品規範 Food Code を出しています。
FDA は Food Code を、州や自治体などあらゆる段階の規制当局が飲食店の決まりを作るときの「ひな形」と位置づけています。
各地の規制当局は、これをもとに自分たちの食品安全の決まりを作ったり直したりします。
つまり Food Code の条文そのものが店を縛るのではなく、各州や自治体が採り入れた形で店に届きます。
それでも、米国の食べ放題で店員が客に言う一文の根っこは、この条文にあります。
使った皿で取りに戻れない3-304.16
Food Code 2026 の 3-304.16 は、見出しが Using Clean Tableware for Second Portions and Refills です。
おかわりと注ぎ足しにはきれいな食器を使う、という条文になります。
(B) は、セルフサービスの客に、使って汚れた食器で料理台から追加の料理を取らせてはいけない、と定めています。
米国の食べ放題では、おかわりのたびに新しい皿を取るのが条文どおりの動き方です。
ただし (C) で、飲み物のカップと容器は、注ぎ足しが汚染のない手順で行われるなら、セルフサービスの客が使い回してよいことになっています。
皿は取り替えて、コップはそのまま、という線引きです。
店員から言われる一文は、たいていこの形になります。
Please use a clean plate each time.
毎回きれいなお皿を使ってください、という意味です。
言われたら、謝って皿を替えれば済みます。
Sorry, I’ll get a new one.
すみません、新しいのを取ります、という意味です。
新しい皿の場所を聞く一文も、ここで使えます。
Where can I get a clean plate?
きれいなお皿はどこにありますか、という意味です。
生の肉と魚の線3-306.13と温度3-501.16
同じ Food Code の 3-306.13 は、見出しが Consumer Self-Service Operations で、客が自分で取る形の決まりです。
(A) は、包装されていない生の動物性食品、たとえば牛肉・羊肉・豚肉・鶏肉・魚を、客のセルフサービスに出してはいけない、と定めています。
その例外として、寿司や生の貝のような、そのまま食べられる料理を出すビュッフェやサラダバー、店内ですぐに焼いて食べる1人分の生の食材、殻付きの冷凍の生のエビやロブスターの3つが挙がっていました。
店内ですぐに焼いて食べる食材の例として、条文は Mongolian barbecue という名前を出しています。
(B) は、そのまま食べられる料理のセルフサービスに、適した道具か料理を守る取り出し方を備えることを求めています。
(C) は、ビュッフェとサラダバーを、安全な手順の訓練を受けた従業員が見ていることを求めています。
料理台のそばに立つ店員には、取り方を見張る役目が条文の上で与えられています。
Food Code の付属資料は、きれいな道具と取り出し口を用意し、従業員が正しく使われているかを見張ることで汚染の危険を減らせる、と理由を述べています。
3-306.14 は、一度客に出されたり売られたりした料理で、使われなかったものや戻されたものを、再び食べ物として出してはいけないと定めています。
取った料理を台に戻す動きは、この条文に当たります。
温度の線を決めているのは 3-501.16 です。
温度管理が必要な料理は、57°C(135°F)以上か、5°C(41°F)以下で保たなければならない、と定めています。
温かい台は57°C以上、冷たい台は5°C以下が、米国の料理台の線です。
条文は摂氏を先に書き、華氏をかっこの中に添えています。
英国の食べ放題の英語|料理ごとにアレルゲンを示す決まり
英国の食べ放題で読んでおきたいのは、アレルゲンの表示です。
英国食品基準庁(FSA)は、飲食店向けにアレルゲンの手引きを出しています。
手引きは、食品の法律でアレルゲンとして示さなければならない品目を14に限って挙げています。
14品目は、セロリ、グルテンを含む穀物、甲殻類、卵、魚、ルピナス、乳、軟体動物、マスタード、ピーナッツ、ごま、大豆、亜硫酸塩、木の実です。
亜硫酸塩は、濃度が10ppmを超える場合に限られます。
手引きは、ビュッフェの形で料理を出す場合について、独立した項目を立てています。
ビュッフェではアレルゲンの情報を料理ごとに分けて示し、ビュッフェ全体でまとめて示してはいけない、という決まりです。
示し方は、料理ごとにアレルゲンを表示するか、店員に聞くよう案内する掲示を出すかのどちらかです。
包装されていない料理については、書かれた情報と会話を組み合わせるのが客にとっていちばんよい、と FSA は事業者に助言しています。
だから英国の料理台では、札を読むか、店員に聞くかの2つが入口になります。
札を読むときに出てくる語は、contains です。
Contains: milk, eggs, nuts
乳・卵・木の実を含む、という札の書き方です。
札が見当たらないときは、店員に聞きます。
Is there allergen information for these dishes?
これらの料理のアレルゲン情報はありますか、という意味です。
料理を指して、1つずつ聞くこともできます。
Does this have nuts in it?
これにはナッツが入っていますか、という意味です。
答えが返ってきたら、もう一歩だけ確かめます。
Was it made near anything with nuts?
ナッツを使ったものの近くで作られましたか、という意味です。
取り分け用の道具が料理どうしで行き来する食べ放題では、料理そのものと周りの両方を聞くのが基本です。
アレルギーを伝える一文の組み立ては、アレルギーの英語をI can’t eatの1文から確かめた記事で読めます。↓

日本の食べ放題の英語|食べ残しと持ち帰りのガイドライン
日本の食べ放題で、海外から来た友人に伝える場面も考えておきます。
消費者庁と厚生労働省は、連名で「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン~SDGs目標達成に向けて~」を出しています。
ガイドラインの対象は、一般食堂など業として食事を出す店で、客がその場で食べきれずに外へ持ち出す飲食物です。
学校や病院などは、対象から外れています。
消費者に向けた基本の考え方として、ガイドラインは次の一文を置いています。
食べきれる量を注文することや、ビュッフェ形式の店では少量ずつとるなど、食べきりを基本とすることが重要である。
英語にすると、こう伝えられます。
Take small portions. You can always go back for more.
少しずつ取ってね、何度でも取りに行けるから、という意味です。
portion は、先ほどの「1人に出される量」の語でした。
go back for more は、もう一度取りに戻る動きをそのまま言う形です。
食べ残しを持ち帰る場合についても、ガイドラインは客の側に求める行動を並べています。
持ち帰る食品は、店が認めた食品の範囲に限ります。
容器は、基本的に店が用意したものを使います。
帰宅までの時間が長くなる場合や気温が高い季節は、持ち帰りを断念するなど店の指示に従います。
そして、持ち帰るときと持ち帰った後の食品の管理の責任は、基本的に消費者にあります。
持ち帰りは自己責任が、このガイドラインの前提です。
ガイドラインは、持ち帰りに適する食品は店が判断し、客は店の指示に従う、という線も引いています。
だから聞くときは、できるかどうかから確かめます。
Can I take the leftovers home?
残りを持ち帰ってもいいですか、という意味です。
leftovers は Cambridge Dictionary で語義が1個だけの語で、「食事のあとに残った料理」と説明されています。
例文には Make sure any leftovers are covered and refrigerated. が載っていました。
残り物には必ずふたをして冷蔵庫に入れて、という文です。
持ち帰り用の袋や容器を言う語に、doggy bag があります。
語義は2個で、学習者辞典の語義は「食べきれなかった料理を持ち帰れるように、レストランが用意する小さな袋」です。
Could I have a box for this?
これを入れる箱をもらえますか、という意味です。
容器を自分で持ち込むのではなく、店のものをもらう形で頼むのが、ガイドラインと同じ向きです。
消費者庁の食品ロス削減の取組のページには、外食時のおいしく「食べきり」ガイドや、持ち帰りできることを示した店のステッカーの事例が載っています。
店の入口に持ち帰りのステッカーがあれば、聞く前に答えが出ています。
持ち帰りを言う英語の米英の違いは、持ち帰りの英語を米takeoutと英takeawayで分けた記事で読めます。↓

相手が言ってくる食べ放題の英語|返ってくる文と、聞き取れないときの逃げ方
こちらが言う文より先に、店の人から飛んでくる文があります。
入口でまず聞かれるのは、人数です。
How many in your party?
何名様ですか、という意味です。
party は、ここでは「一行」を指します。
次に、食べ放題にするかどうかを聞かれる店があります。
Are you doing the buffet, or ordering from the menu?
ビュッフェにしますか、それともメニューから注文しますか、という意味です。
この問いに答えるときは、buffetかmenuのどちらかの語をそのまま返せば足ります。
The buffet, please.
ビュッフェでお願いします、という意味です。
席に着くと、取り方の説明が始まります。
Plates are over there. Help yourself.
お皿はあちらです、ご自由にどうぞ、という意味です。
飲み物を聞かれる場面もあります。
Can I get you something to drink?
何かお飲み物をお持ちしましょうか、という意味です。
食べ放題の時間の終わりは、次のように告げられます。
The buffet closes in fifteen minutes.
ビュッフェはあと15分で終わります、という意味です。
Last call for the buffet.
ビュッフェの最後のご案内です、という意味になります。
皿を下げてよいかは、こう聞かれます。
Are you still working on that?
まだ召し上がっていますか、という意味です。
食べている途中なら、Still working on it. と返します。
食べ終わっていれば、I’m done, thanks. と返します。
聞き取れなかったときは、相手の言った語を1つだけ拾って聞き返します。
Sorry, the buffet closes when?
すみません、ビュッフェは何時に終わるんですか、という意味です。
文の全部を聞き取れなくても、拾った語を1つ返すだけで相手は言い直してくれます。
それでも分からなければ、書いてもらうのがいちばん確かです。
Could you write it down for me?
書いていただけますか、という意味です。
おかわりを頼むときの言い方は、おかわりの英語をCan I have another one?の1文にまとめた記事で読めます。↓

食べ放題の英語でやりがちな取り違え|buffetとvikingとunlimitedの呼び分け
最後に、日本語から英語にするときに取り違えやすい語を並べます。
1つめは viking です。
日本では食べ放題をバイキングと呼ぶ店があります。
Cambridge Dictionary で viking を引くと、語義は1個だけでした。
説明は、8世紀から11世紀にかけて海を渡ってヨーロッパの北部と南部の各地を襲った、スカンジナビアの人々、というものです。
英語のvikingに食事の語義は1個もありません。
英語で言うときは、buffet か all-you-can-eat に置き換えます。
2つめは unlimited です。
Cambridge Dictionary の3個の語義は、どれも「限りのない」という意味でした。
unlimited は量の話に使えますが、それだけでは何が無制限なのかが伝わりません。
unlimited drinks なら飲み放題、unlimited refills なら注ぎ足し放題と、後ろに名詞を置いて初めて形になります。
3つめは buffet の発音です。
食事の buffet は、英国でも米国でも、最後の t を読みませんでした。
t まで読むと、打つほうの buffet の発音 /ˈbʌf.ɪt/ に近づきます。
4つめは brunch です。
語義は2個で、学習者辞典の語義は「朝食と昼食を兼ねた、午前の遅い時間の食事」です。
時間帯を言う語で、食べ放題かどうかは語の中に入っていません。
5つめは dessert です。
語義は2個で、どちらも「食事の終わりに食べる甘いもの」でした。
ケーキの食べ放題は、all-you-can-eat desserts のように、形容詞を前に置いて言えます。
6つめは waste です。
waste は語義が18個もあり、学習者辞典の1個目は「お金や物や時間などの、必要のない、または間違った使い方」でした。
2個目には「使われない、食べられない」という語義がありました。
食べ放題で残しすぎないように声をかけるなら、こう言えます。
Let’s not waste food.
食べ物を無駄にしないようにしよう、という意味です。
7つめは refill です。
語義は4個で、名詞と動詞の両方がありました。
refill は飲み物の注ぎ足しに使う語で、料理の皿を取り替えるおかわりには、先ほどの clean plate の形を使います。
飲み物はrefill、料理はclean plateと分けると、米国の条文の線引きとも重なります。
食べ放題の英語についてよくある質問
食べ放題は英語でbuffetと言えば通じますか?
buffet で通じるのは、自分で取りに行く形の食事です。
Cambridge Dictionary の buffet の説明に量の話は入っていないので、好きなだけ食べられるかを確かめたいときは Is this all-you-can-eat? と聞くのが確実です。
焼肉のような注文式の食べ放題は英語で何と言えばいいですか?
all-you-can-eat はそのまま使えます。
取りに行くのではなく注文する形なら、all-you-can-eat, but you order from the menu のように、注文の形を後ろに足すと伝わります。
バイキングは英語で通じますか?
通じません。
Cambridge Dictionary の viking の語義は1個だけで、8世紀から11世紀のスカンジナビアの人々を指しています。
食べ放題でおかわりのたびに皿を替えるのはなぜですか?
米国の FDA の Food Code 3-304.16 が、セルフサービスの客に使った食器で追加の料理を取らせてはいけないと定めているからです。
各州や自治体がこれをひな形に決まりを作るので、店員から Please use a clean plate. と言われることがあります。
食べ放題の残りは英語で何と言って持ち帰ればいいですか?
Can I take the leftovers home? と聞きます。
日本では、消費者庁と厚生労働省のガイドラインが、持ち帰りの管理の責任は基本的に消費者にあり、容器は基本的に店が用意したものを使う、という前提を置いています。
覚えて帰る1文|食べ放題の英語を決めるのはbuffetではなく動作
ここまでの話を1文に戻します。
Is this all-you-can-eat?
食べ放題の英語は、店の看板の語ではなく、自分が何をしたいかの動作で決まります。
好きなだけ食べたいなら all-you-can-eat、自分で取るなら help yourself、もう一度取るなら clean plate、持ち帰るなら leftovers です。
辞書で数えた30語のうち、食べ放題を1語で言い切れたのは all-you-can-eat だけでした。
動作で選ぶ6語の早見
| やりたいこと | 使う語 | 言う一文 |
|---|---|---|
| 食べ放題か確かめる | all-you-can-eat | Is this all-you-can-eat? |
| 値段を聞く | per | How much is it per person? |
| 自分で取る | help yourself | Can I help myself? |
| もう一度取る | clean plate | Can I get a clean plate? |
| アレルゲンを聞く | allergen | Is there allergen information for these dishes? |
| 持ち帰る | leftovers | Can I take the leftovers home? |
6つの一文は、どれも Is / How much / Can I の型で始まっています。
最初の一文で通じなかったら、表の右の列を指さすだけでも用は足ります。
あわせて読みたい
食べ放題のあとの支払いで使う言い方は、お会計の英語をbillとcheckの違いから組み直した記事で読めます。↓

参考文献
- buffet(Cambridge Dictionary 公式サイト)
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- 「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン~SDGs目標達成に向けて~」の周知について(消費者庁・厚生労働省 公式サイト)
- 食品ロス削減に向けた取組について(消費者庁 公式サイト)
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